第11話 生者の責任
俺の異世界生活は順調と言っても過言じゃないだろう。裕福な家に生まれて、良き家族、友人たちに恵まれ、婚約者はものすごくかわいい。死にかけたことはあってもそのお陰でチート級の妖精と契約が出来た。あのオーク戦後は何事もなく友人たちと家庭教師の授業を受けて、騎士団の訓練に混ぜてもらい、休みの日には婚約者と会ったり、友人たちと遊んだりする。カグラ先生の魔法の訓練もほぼ毎日欠かさずにやっている。シミュレーションとはいえ多VS1の仕方は学んだ。同世代で俺よりも戦闘経験が多いのはそう多くない。そう自負している。だからニナーナル家が行う魔物の掃討戦の参加を希望したのだ。父さんからは渋い顔をされた。まず、いくら騎士団の訓練に混ぜてもらい、魔物との戦闘を経験しているとは俺が10歳であること。次に俺のギフトの代償である運命の促進で不確定要素を入れたくないことである。恐らく後者が一番の理由だろう。運命の促進は言うなれば強敵と出会う代償だ。これによって出る被害を考えてのことだろう。しかし、俺にも言い分はあった。まず、ニナーナル家の男子は一人前になるための第一歩として10歳になった年の掃討戦への参加が家訓に記され、兄2人もその通り従ったこと。もしここで俺が不参加なら俺が貴族社会で軽く見られてしまうということ。そして、万が一があっても俺には契約魔法があるので、大丈夫だということだ。それを聞いて父さんは参加を認めた
掃討戦は順調に進んだ。騎士団はオークや小龍と呼ばれるドラゴネットの討伐を完遂した。俺は別部隊を率いてもっぱらゴブリンやヴェロードを倒し、オークも騎士や兵士と共に討伐した。やはり、訓練の成果が出ている。そう思いながらふと気が付く。森から動物が逃げ出している。嫌な予感がした。あの時、オークと対峙した時のような悪寒が走った。俺は兵士たちに戦闘準備の指示を飛ばし、近くの騎士に対して援軍を要請するべく父さんの元に向かわせた。森の入り口に入り、その騎士が見えなくなったくらいで突如として木がなぎ倒されイレギュラーがやってきた
ズンッ!ズンッ! ミシッ バキッ
オークやドラゴネットよりも重い足音と共に一匹のドラゴンが現れた
その名は『ワイバーン』
悪の象徴として英雄譚では描かれる二足のドラゴン
は?ワイ……バーン……?なんでここに?ワイバーンの生息地は沼地で、ここに沼地はなかったはず!なら……ワイバーンの生息地は沼地だけじゃなかったのか……?なら……まだいる可能性……。いやまずワイバーンの対処……その前に兵たちに指示しないと……!でもどんな指示を出せばいいんだ?
「落ち着け!魔法士・弓兵はワイバーンの翼にダメージを与えろ!制空権を取らせるな!騎兵は足の腱を狙え!歩兵は騎兵の援護をしろ!そして徐々に森からでるようにしろ!なるべく開けたな所で戦えるようにするんだ!決して深追いはするな!深追いすれば領域に入るぞ!」
そう指示を飛ばしたのは俺の補佐役になっている騎士団副団長のワルサー・クローノルさんだった
「ミリーバーブ様!今は考えるのではなく行動です!考えることは私たちに任せてください!なあに、ワイバーンもドラゴネットも変わりませんよ!ただ図体がワイバーンの方が2倍くらい違うだけです!」
騎士団の副団長を長年勤めているのは伊達ではなくワルサーさんは次々指示を飛ばした。それはドラゴネットの倒し方と似ていた。ドラゴネットは翼が未成熟であり、翼の付け根部分が柔らかい。そこから魔石を砕くというのが正攻法だ
「アグニグニス!」ボォン
固い!ワイバーンの鱗が固くて、なかなか有効打にならない……!ドラゴネットと違い翼も固い!カグラ!『原初の龍』は撃てる!?
【難しい!まずは兵を撤退させないと巻き添えを喰らうよ!】
「ワルサー!前線の兵を退かせて!デカい一発を打ち込むから!」
「難しいです!前線の兵を退かせたらワイバーンが飛び立ちます!」
なっ!?空に向けて撃つか?いや、それはあまりにリスキーだ。積み立て分があるとはいえアレは身体の負担がでかい。そう連発はできない
「……前線の兵諸共撃ってください」
「はぁ!?兵を、見捨てろというのか!?」
「はい。見捨ててください。そうすればより多くの者が助かります」
「ふざけるな!貴族が自分たちの民を、兵を見捨てられるか!」
「見捨てなければならないのです!いいですか!これは戦争です!殺し合いなんです!時には見捨てることも必要なんです!いいですか、このままではいたずらに戦力を失います。今こうしている間にもワイバーンによって兵は死んでいます!だから、今ここで!被害を出そうとも撃つべきなんです!」
ッ!わかっている。そのことはわかっている。今こうしている最中にもワイバーンの足止めを兵たちは行い、散っている。被害のことを考えれば足止めしている兵諸共吹き飛ばすのが一番効率はいい。けれど、俺は踏み出せない。ワルサーさんの言っている通りこれは人間と魔物の戦争だ。より被害が少ない選択を取らなければならない。ここで最悪なのが全滅だ。なら、やるしかないのか?何とか……思い出せ!何か案はないか?犠牲が少ない案は!……あるじゃないか。俺の手で人を殺すよりもこっちの方が断然いい。カグラ、身体強化を頼む。一番いいのだ
【……了解】
「……ワルサーさん、指揮は任せました」
「は・……待ってください!ミリーバーブ様!騎兵隊!今すぐ連れ戻せ!」
ダッダッダッ!
「ミリーバーブ様!?」
「死ねぇ!ワイバーン!おい、お前らは撤退しろ!俺が何とかする!騎兵隊!兵たちを連れてできるだけ遠くに行け!」ガキンッ
身体強化でスピードを上げた俺はワイバーンの懐に潜り込み、大剣を胴体に向けてフルスイングした。俺の大剣はワイバーンの胴体に少し突き刺さった程度であった。だが、これでいい。突き刺さったならそれでいい。避難は5割か
「アグニグニス!」バァン! ザクッ カキン
『グァ゛ァ゛ァ゛!!!』 ブンッ
「チッ!胴体まで剣が入ってんだからそんなに動くなよ……!」
少しでも突き刺さったらアグニグニスで剣を押してめり込ませる!その目論見は成功しかなり深い場所までさすことが出来た。そして、剣が固いものに当たった。恐らく魔石だ。恐らくアグニグニスでは割ることはできない。だが、『原初の龍』なら可能だ。撤退もあらかた終わった!ワイバーンが暴れていてこのままじゃ危ない。速攻で決めるしかない。カグラ!
【準備はできてる!詠唱の必要なし!】
「原初の龍……!」パリン ヴォォォオオオン!!!
爆発の威力で大剣は魔石を砕き、ワイバーンの身体は爆発に耐え切れず爆散した
ドサッ「ゴフッ……!やべ、まともにくら……った……」コヒュー コヒュー
爆発の勢いで受け身も取れず勢いよく木にぶつかってしまった。なんとか立ち上がるものの立ち眩みが起き、大剣を杖代わりにする。周りを見るとワイバーンが真っ二つになっていて、その近くには足止めをしていた兵士たちの死体が転がっていた。ああ、俺の、せいだ。俺が、森に入るという選択肢をしなければ、父の援軍を待って、斥候を放つといった指揮官としての仕事をしていれば、彼らは死ななくて済んだかもしれない。俺が、彼らを殺した……これは俺の罪だ……
「……おえっ……うおえっ……」ピチャピチャ ゴホッ ケホッ ハァハァ
吐いたら多少は落ち着いた。水魔法で口内のゲロを吐き出した。喉が痛い。戦闘での体力消耗に加えて嘔吐の精神的、身体的負担が重なり今現在の俺は満身創痍状態だ。だが、あまり怪我はない。至近距離で爆発を受けたはずなのに腕はボロボロになっていない。結構腕にも負担があったはずだ
【僕が肩代わりしたんだよ。まあ僕は君の魔力で元通りになるから大丈夫!】イテテッ
「は!?いや、大丈夫なのか!?俺を守ることは契約になかったはずだ!お前が痛い思いをする必要はない!」
【優しいねぇ……これは僕が勝手にやったことだから気にしないでよ!君の勇気に免じてさ。……正直貴族として、上に立つものとして今回の行動は褒められたものじゃない。君は殺すという行為を恐れているように見えて本質は違う。君は自分の手での殺害の責任を一生背負うことを恐れているんだ】
図星だった。恐らく少し離れたままワイバーンを倒したら俺は人を殺したという自覚は今よりも薄かったはずだ。俺は彼らを巻き込んでしまった。余計に恨まれるのが怖かった。巻き込んで、足止めの兵諸共殺したとなれば俺への恨みはすさまじいものになる。俺はそれに耐えられる自信はなかった。俺が前に出たのはただ一つの想いだけ。「前に出て戦ったら自分への恨みが減るかもしれない」自分勝手な理由だ
【まあそうだよね。だれだって殺しはしたくないし、その罪を背負いたくない。誰かに恨まれたくないし、自分が悪者にならないように立ち回る。なぜならその責任や負の感情は自分にしか向けられず、自分しか背負えないから。……けど君には僕がいるだろ?僕も一緒に背負ってあげる。傷の舐め合いだろうと、最後まで君の味方になる。逃げ場所になってあげる】
「カグラ……。けど、この罪からは逃げちゃダメなんだと思う。もう何匹も魔物を殺してて、しかもゲームのレベル上げのような遊び感覚に途中からなってた。命を奪うときに持つべき魂の安らぎを祈るという心持がなくなってた罰なんだよ。だから、俺が向き合わないといけないんだ」
【ミリバーブ……そっか……なら僕は見守るよ。ただ忘れないでほしい僕は君の味方だy】
グオォォォォ!!!
【「!?」】
何だ?この地響きがするような咆哮は……
グガアアアア!!
その正体はすぐに表れた。それは先ほど倒したワイバーンよりも大きなドラゴンだった……
「は?え、待って!流石に今はまずい!」ズキズキ
まだ回復は間に合ってないし、カグラも用意できてない!終わった。合わせて35年。短い人生だった。結局今回も親よりも先に死ぬのか……。嫌だなあ。せめて晴れ姿や子供見せたかった。……まあけど仕方ないわ。無責任に生命を奪っていたんだ。俺もそうされても文句は言えないわな。甘んじて受け入れる
「まぁ、出来る限り足掻こう」フラフラ
未だ回復しきってない身体を無理やり動かし、無理やり身体強化を掛けて剣を持つ
「せめて最後位は命に敬意をもって、挑ませてもらう。それが償いになるかわかんねえけどな」
【……その心意気、よし。だがこの領域に入った以上私も全身全霊を掛けて君の相手をする。ほら、立ち上がれ。回復はした。正々堂々たる戦いをしよう。そちらの方が面白い】
は?魔物が喋った……?魔物の言葉の翻訳はずっと切っているはずだ!つまり……こいつは喋ることが出来る魔物……!妖精と同じと考えたらこいつ……カグラ級と考えた方がいい!
【我が名はドルティナ。水の精にして誇り高き龍族である】
「……コルンブルーメ侯爵ニナーナル家の三男ミリバーブ=アーベル・ニナーナル」
【では、始めよう。火の契約者よ】
先手必勝!というかそれしか勝ち筋はない!カグラ!
【……OK】
「原初の龍!」
全身全霊を込めて最高火力をドルティナに向けて放った。しかしドルティナは避けようともしなかった
ヴォォォオオオン!!!
凄まじい轟音がまともに当たったことを実感させた。
しかし
煙から出てきたドルティナは掠り傷しか負っていなかった
「うそ……だろ……!?」
俺の持っている最高火力を叩き込んで掠り傷しか与えられなかった。そんな化け物と対峙しているという実感は俺の戦意を圧し折るのには十分なものだった
【ふむ、流石は火だな。成長途上、しかも本来の力の1/100も出せていないのに私に傷を負わせるとは。しかし、惜しいな後、10年遅ければ私と対等とまでいかずとも好い勝負をできたものを。しかし領域に入ってしまったものはしょうがない。では、逝け。せめてもの慈悲だ、一撃で葬り去ってやる。万物水に返る】
ああ、あのオークとの戦いで実感した「死」の感覚だ。これは俺への罪だ。まあ前回よりはうまくやれたんじゃねえかな。後悔はある。マリーやリシュリーノたちと学園に通いたかったし、友人をもっと作りたかった。父さんと酒も飲みたかったし、兄さんたちと色々話をしたかった。マリーともやりたいことはまだまだある。ああ、もっと手紙を書いてればよかった。……嫌だ。嫌だ嫌だ!まだまだ生きていたい!死にたくない!だから!力を貸してくれ、カグラ!【勿論、地獄の果てまで付き合ってあげるよ!】
「俺たちは!お前に勝つ!!」ダッ
俺は魔法が通っていない場所を経由してドルティナに向かっていった
【……生憎、私の魔法は追尾式なんだよ。着目点はよかったんじゃないか】
その言葉通りアイツの魔法は俺に向かってきた。そうだ、それでいい!俺は大剣を盾にして魔法に立ち向かった
キーン
【愚かだな。その程度の武器で私の魔法を防げるとでも?期待外れだ。おい、サラマンダー。貴様は見る目がないな。こんな愚者と契約するなんてな】
【愚かなのは君さ、君は僕を見れるのに、長年の付き合いなのに僕を見失うなんてねえ!】
【は……?しまt【僕らの勝ちだよ!神の火!】
【ケホケホ 貴様……!契約者を囮にした挙句爆発に巻き込むとはな……】
【囮に関しては彼の提案だからさ。まあ僕らの信頼関係ってやつ?】
【ハッ!調子に乗らせて殺しを遊戯感覚にさせていたのはお前だろ?何が信頼関係だ。お前にとってあの契約者は玩具に過ぎないんだろ】
【まあ確かに?彼の戦いや殺し合いを遊戯感覚にしていたのは認めるよ?けど、それは仕方ないんだ。幼少期、かつ精神が成熟している途上で殺しの危険性や命を奪うことの意味を、身をもって教えることが必要なのさ。そのために彼の鼻を長くする必要があった。ワイバーンが出たのは想定外だったけどその戦いと犠牲によって彼は殺すという行為に向き合うし、生への執着を認識する。人間的に成長させる土台は作った。後は彼がどうするかだ。そして1つ言っておくよ】
【彼は僕のパートナーだ。決して、玩具じゃない。共に歩む相棒だよ】
【そうか……。まあ敗れた私は何も言うまい。……ふむ、ではこれは餞別だ。上手く使うように言えよ。回復もこちらでやっておく】
【ありがとうね!ドルティナ!】
「……ここは?」
【目が覚めたか】
「!?」
【ククク そう驚くな、君たちは勝った。誇るがいい】
「俺は勝ってないです……カグラが……妖精が勝ったんです」
【まあそうだな。なら言葉を改めよう。君たちは勝った。まさか契約者自身を囮とするなんて考えてもみなかったよ。誇れ、君たちは強かった】
「有難うございます……」
【まあ君からしたら納得はできないだろう。なら、納得する勝ち方が出来るようになったらまたここに来るがいいさ】
「そうですね。今回、俺はいいとこなしだったんで、次はいいとこ見せられるように頑張ります」
【ああ、楽しみにしているよ。ではご褒美の時間だ。この剣をあげよう。名前はついていないから君がつけるといい。大切に扱ってくれよ?具体的にはここの守護龍たる私を扱うようにな】
「は、はい」
【では、ここから出るがいい。この領域に入った時点であっちの時間は止まっているから安心し給え】
「あ、あの!」
【ん?どうした?褒美に何か不満でも?まさか、この私をねだろうというのか?強欲な奴だ……まああの火と一緒なら退屈はしないだろうが……】
「ち、違います。あの……アナタとの戦いで今一度自分と向き合うことが出来ました。有難うございました」ペコッ
【クハハハハハ!本気で殺そうとした相手に普通感謝するか!?クハハハハハ!……あの気難しかったサラマンダー、いや今はカグラか。アイツが手懐けられた理由がわかった気がするわ!あの小僧は小僧なりに前に歩もうとしているのだろうな。またな、ミリバーブ。君の旅路が幸多からんことを】
領域を抜けると俺はワイバーンの死体と兵士たちの死体があった場所に戻っていた。
「貴方方のお陰でワイバーンの討伐が出来ました。私にできることは貴方方の魂の安らぎを祈るばかりです。私の代償に付き合わせて本当に申し訳ございませんでした。この責任努々忘れません。
ワイバーン、貴方のお陰でもう一度自分自身を見つめなおすきっかけになりました。貴方との戦いを糧にして私は歩み続けます」
「ミリバーブ!無事だったか!」
「はい」
「……話は戻ってから聴こう。まずはワイバーンと兵士の死体の回収だ」
その後の掃討戦は何事もなく終わった。掃討戦が終わった後俺は呼び出された
「……ミリバーブ、お前はワルサーの忠告を無視してワイバーンに突撃したな」
「はい、間違いないです」
「まあそれはいい。お前の魔法で巻き込まないようにするというお前の優しさ……いや、この場合は弱さか、それが確認できただけでよかった。私は心配していたんだ。この戦い以前のお前は命を軽く扱っていた。殺すという行為を軽く扱っていた。私はそれが怖かった。お前が人の道を外れているんじゃないかと。だが、今のお前を見ればどうやら人の道に戻ってこれたようだ。良かった……。命に敬意を払う心、忘れるなよ」
「……」
「それよりも、お前は代償によってこの惨劇を起こしてしまった、兵たちを無駄に殺してしまったと思っているようだな」
「はい。これは私の代償によって引き起こされたものです。ですから、この責任は私にあります」
「責任か……はっはっはっ!自惚れるな!貴様にこの戦場で起こった悲劇を引き起こした責任はない!魔物はなにをトリガーにして出現するかまだまだ研究の途中だ!ここ、魔領であった場所なら尚更のことだ!兵士たちもそれを承知で行っている!なによりもアレは貴様が引き起こしたのではない!神が引き起こしたのだ!貴様の一存でイレギュラーが発生しなくなるのか!?イレギュラーを発生させることが出来るのか!?違うだろ!いいか、ミリバーブ。我々は神が与えた試練を、壁を、理不尽にこの手で対抗するのだ!……熱くなったな、ミリバーブ。お前は賢いから色々考えてしまうだろう。初めて見る人の死を見て、自分の責任だと思うのも無理はない。その心は大切にしておけ。死を恐れるなとは言わん。しかし貴族たるもの兵たちに死ねと命じることもある。その覚悟はしておきなさい。そのこと、自罰的になりすぎて、前を向くことをやめるな。いくら立ち止まってもいい。前に進もうとする心は忘れるな。幾多もの屍の上に我々は立っている。それは人が発展するための代償だ。恐れ、敬い、そして、前を向け。死者に意味を与えるのは我々の傲慢なのだ。ならば、傲慢な者らしく、威張って前に進もうじゃないか。……この話はお前には早いかもしれないし、難しいかもしれない。心の片隅に置いておけ」
ああ、やっぱ、この人には敵わないわ。そうだ、父さんが言うように屍の上に俺たちは責任をもって生きている。俺はそれをわかっていて見ないふりをしていた。俺は、俺だけは清廉なんじゃないかって思って。だけど、違う。俺も背負っている。共にある。今日からは目を背けるんじゃなくて、共存して歩もう。それが責任だ。その自覚をもって俺は生きる
こんにちは、月照です。
もう少しで第1章もおわりです。第1章の終着点は主人公が責任を自覚するというものでした。個人的にはうまくまとめられたかな?と思いつつまだまだできたんじゃないかとも思ってしまいます。
第2章は学園での生活がメインとなります。
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