プロローグ
人々は神を見たことがあるのだろうか。古今東西人々は「神」という概念をよく使うが(現代の我々が使う神の概念はどちらかと言えば祈りであり、昔の人々は森羅万象の説明と心の拠り所として神という概念を使用していたという違いはある)、その「神」を見たことあるのだろうか。比喩的な「神」を見たことはありそうだが実存の「神」は見たことあるのだろうか?仮に見たとしてそれはイラストに描かれるような人の姿や怪物のような見た目をしているのだろうか。もし私がそれ以外の神を見たことあるというのは自慢になるだろうか。自慢になるとしてもそれを言える相手はいないだろう。なぜなら現実の俺は返事をしない屍でしかないのだから。
「(わけのわからない言葉)」
うーん、何言っているのか。これではコミュニケーションが取れない.......いやそもそもとしてこの神様、少なくとも上位存在ではあるだろう存在が下等生物である私にまともなコミュニケーションを取るか?というかなぜ俺がここにいるんだ?死の直前の記憶はあるが仮にここが死後の世界なら俺以外にも居るはずだ。世界でこの瞬間に俺だけ死んでいるというのは合点がいかない。
「あー、あー、これでいいかな?」
機械音声的なものがこの場所に響いた。
「あれー?通じてない?この翻訳機械壊れてんじゃないのー?やだー不良品つかまされちゃったー」
「あ、えっと通じています」
「良かった!通じてなかったら君を置いてこれを売ったやつを始末するところだったよーw」
神様はけらけらと笑いながら割とえぐいことを言っていた。言葉が通じるようになったので、話をする......そもそも神様に話は通じるのだろうか?古代ギリシアなどで神様と話をするというものがあるが大体供物を捧げなければならない。それ以外は預言者みたく素質がなければならない。......神様と会っているということは私には預言者の資格があるのか?
そのようにいろいろ考えを巡らせていると神様が話しかけてきた
「そんなに身構えないでよーw僕はただ今現世?で流行りの異世界に転生させてあげようと思ったんだよね。そこで適当に決めて君を殺したってわけ。いやー僕に選ばれるなんてどの人類にも経験できない特別だよ?」
「え、あの、殺したって・・・」
「あ゛?なんで喜ばないの?おかしくない?僕に選ばれるという名誉を得たのに?なんでいの一番に喜ばないの?おかしくない?」
「い、いえ!名誉すぎてこれが夢物語でないか自分で確認していただけで!はい!本当に幸福です!」
「だよねー!喜ばないなんてないよね!イヤー良かった!じゃあマニュアル(異世界転生ものの本)によるとチートっていうのを与えないとだっけ?じゃあまず言葉の壁の問題でしょ......」
異世界転生にはチートをもらえるのはお決まりとは言え、当たりや外れもあるからな......というか神様って現世の本とか読むんだな。意外だ。どのような異世界なんだろうか、大体のはナーロッパ的な世界だよなあ...自分に狩りが出来るのだろうか。商人...というより出来ても会計だよなあ。あとは役人か。ともかく安定的な生活がいい。(あるかどうかわからないが)冒険者みたいなその日暮らしのは嫌だなあ...絶対嫌だ。男子たるもの一度は冒険に憧れるが、それを実際にできるかというと別だ。戦国時代の人間ならいざ知らず現代日本の人間に動物を殺せというのは酷な話である。更に言えば武器の扱いとかわからない、しいて言うなら木の棒なら何とかという感じか。
云々と考えていると神は何かを決めたようだ。
「よし、決めた!君のチートは・・・・・・」
そんなこんなで転生した俺は2歳くらいのときに体に入れるようになった。それまでは操り人形みたいな感じで今世の身体、ミリバーブ=アーベル・ニナーナルを動かしていた。一応守護霊的な感じで周辺を2年間見てきたがわかったことは
・ニナーナル家は貴族であること(詳しい爵位は不明)
・ニナーナル家は武闘派である
・領地の所在地は海に面していること
・領地の豊かさは普通であり、珍しく職業軍人がいる
・ミリバーブは三男であること
・ミリバーブは第2夫人の子であり、継承権は兄たちに劣る
・長男と次男の仲は普通。こちらへの敵愾心は今のところなし
・長男は海、次男は陸の軍人を目指している
そして神からのこの世界におけるチートの説明書も同時にもらっており、そこには
・この世界は神の祝福と呼ばれるものが発現することがある
・ギフトは血族由来のファミリー・ギフトと神由来のゴッドトリックの2種類あり、前者は先天的、後者は先天的・後天的両方ある
・神由来のギフトを受け取ったものは証拠として発現から2,3日光の首輪が発現する(ギフトを身体に馴染ませるため)
・自分が所属する王国は宗教勢力を抑えるために継承権の順位はファミリー・ギフト>ゴッドトリックを持つ子供としている(双方のギフトを持つ子供がいる家系に限る)
・ギフトは強力であるが代償を伴う。ファミリー・ギフトのノウハウを持つ家は代償の研究をしており、ゴッドトリックよりも使用者の安全は保障されている
・ゴッドトリックは代償がまちまちであり、効果と代償が釣り合わない場合がある
で、神様の手紙が......
『僕が与えるギフトは【完全翻訳者】。最初は人間、魔物関係なく自分の使う言語に翻訳できる能力だよ★あまり戦いたくないってことだったから外交官向けの能力にしてあげたから感謝して動いてね♪それとは別に才能をあげる★これに関しては僕の好意で完全ランダム制だから何の能力かわからないね。ガチャだと思って楽しんでね★発現しなかったら運が悪かったと思ってあきらめてね♥両方とも大体3~5歳ごろ同時に発現すると思うから。P.S.翻訳がなかったら何もわからないと思うので特別に使用可能にしてあげます。』
うーんこの。いや確かに当たりではある。通訳は軍事の面においても重要である。というかこれを2年間使ってたおかげで進化して単位の翻訳も可能になったんだよな...。次はなんだろか、周囲の人間にも翻訳が伝播するのか?(笑)そのようなことを考えながら外を見た。空を飛行する竜にも似た何かがここを異世界と実感させる。20で死んだ赤染大地の新しい人生が始まる。
「がんばるぞー!」
しかし、この時は知る由もなかった。周りの人間や俺のせいで思いもしない人生を歩むことになるとは
ステータス
名前:ミリバーブ=アーベル・ニナーナル
年齢:2
魔力:あり
ギフト:【完全翻訳者】Ⅱ
?(見るのには神の信仰が足りません)
【完全翻訳者】:Ⅰでは生物間の翻訳が可能。Ⅱでは単位の翻訳が可能。代償は?の促進(小)
初めまして、月照建速と言います。小説執筆というのはずぶのド素人なので誤字脱字や設定等でおかしいことが出てくると思います。そんなときは温かい目で見て、報告してくださると幸いです。




