第13話 決死の連携
黒騎士の剣が振り下ろされるたびに、地面は裂け、炎の明かりが揺らいだ。
ヴェルダンは必死に槍で受け止めているけれど、押し返す力はあまりにも重い。
「くそっ……!」
歯を食いしばる声が僕の耳に届く。
僕は剣を握り直し、白き炎を宿す。
「ヴェルダン、合わせる!」
「……ああ!」
黒炎が右目に滲み出す。けれど白き炎がそれを包み込み、意識を引き戻す。
僕は踏み込み、剣を横に薙いだ。
黒騎士は容易く受け止める。
だがその隙を狙い、ヴェルダンが槍を突き込んだ。
火花が散り、甲冑の表面にかすかな傷が刻まれる。
「……ふむ」
黒騎士の声は冷たい。
「二人でかりそめの勇を競うか」
次の瞬間、剣が唸りを上げた。
僕とヴェルダンは同時に弾き飛ばされ、土煙の中で膝をつく。
「……っ!」
胸が焼けるように痛む。
でも諦めるわけにはいかない。
「ヴェルダン!」
僕は叫んだ。
「僕が囮になる! その隙に――」
「馬鹿言うな!」
彼が怒鳴る。赤い瞳が燃えていた。
「お前を犠牲にするくらいなら、俺一人で倒す!」
「違う!」
僕も声を張った。
「僕たち二人で倒すんだ! 僕も戦える!」
一瞬、ヴェルダンの表情が揺れた。
けれどすぐに頷き、槍を構え直す。
「……分かった。合わせろ!」
黒騎士が再び迫る。
その巨体から放たれる殺気に、息が詰まりそうになる。
でも、隣にはヴェルダンがいる。
僕は剣を振り上げ、白き炎を強く燃やした。
「いくぞ!」
「おう!」
炎の剣と赤い瞳の槍が交差する。
二人の動きは重なり、黒騎士の前に迫った。
轟音と共に、広場が白と赤に染まった。




