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1_7.

可愛いうさぎさんたちとお別れした後。

朝食の時間だ。


本来私たちメイドを含め使用人は交代しながら休憩をとる。

食事はその時間の中で各自使用人用の厨房でとるのだが、ラナ様にそんなことさせられない、と使用人総手で止められた。


なんでやねん、私伯爵嬢だけど敬っても何もでないから!


私的には1人での食事はさびしいからどうしても皆と同じ厨房がいいと主張した。

さすがにそれは...と言う使用人さんたち。


結局私が部屋で食事をとりそこへ何人かのメイドがまざるという形になった。

もちろんレナも一緒だ。


楽しく食事をしながら話をしていると旦那様の話になった。

そういえば、奥様どころか旦那様にもまだ会ってないや。


忘れてた。

てへぺろ。


って、さすがにごまかせなかった。


旦那様は、私がうさぎを愛で、じゃなくてお世話をしている間に起きて朝食をとり、王宮へ出かけたらしい。なんともいそがしそうなスケジュールだ。


給仕をしたメイドさんによると、広いテーブルを1人で使っていたらしい。

向かいの奥様用のイスを悲し気に見つめていたとか。


メイドさん、なんでそんなに私の方をチラチラ見るの?


なんかついてる?って思って聞いてみたけどそういうことじゃないらしい。

うん、よくわからない。


その後は好きなタイプの話になった。

私がすべてにおいて平均的な人、というとメイドさんたちはピタっと動きを止めてあははーと愛想笑いをしはじめた。

私、何かやらかしただろうか。


ここ最近、ちょいちょい変な視線を感じたり変な言動をされたりしてしまう。


まぁ、気にしなくていいか。

知らぬが仏って言うし。


朝食の後は皆でお皿を片付けた。

メイドさんたちはそんなことさせられないって言うけど、無理やり説得した。

だって仕事しないのにお給料だけとか申し訳なさすぎる。


午後はというと、お菓子を作ることになった。

私が料理好きだと話したからだ。


水害によりたきだしを行うようになって、その時はじめて料理をしたのだが、私は料理の楽しさを知ってしまったのだ。

でも、逆にいうとそれ以前は自分で何かを作ることはなかったし、当然だが食料難のあのころにお菓子なんて作れるはずもなかったため、お菓子の作り方なんて1ミリもわからん。

切る、煮る、いためるができるからって量る、混ぜる、焼くができるとは限らないのだ。


オーブン、何それおいしいの?

おいしいのはオーブンから出てきたものだよ!のはずが、出てきたのは黒い塊もとい焼きすぎたクッキーだった。

しょうがないじゃん、レシピ見たって適量と適当しか書いてないんだもん。


ちなみにクッキーはめちゃ苦かった。

どうやら私はお菓子作りにはむいていないらしい。


材料は無駄になったし、公爵家のメイドとして失格すぎて悲しかった。

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