3₋15.
今日はいよいよ結婚式だ。
一の鐘が鳴る随分前に起きて、準備が始まった。
昨日早く寝たとはいえ、さすがに眠い。
でも私より遅く寝たメイドさんたちが頑張っていてくれているのだから、私もしっかりしなくては。
起きてすぐに風呂に放り込まれた。
もちろん比喩であり実際にはやられていないが。
いつもは1人で入っているが今日ばかりはメイドさんたちもついてきた。
4人も。
湯船に浸かっている間に髪を洗われる。
オイルのようなものも塗られているようだ。
その後も色々あって、風呂だけで半刻以上経った。
先程一の鐘も鳴っていた。
その後は髪と化粧だ。
それぞれ得意なメイドさんたちが同時進行でやっている。
どんどん変わっていく自分の姿が面白い。
ある程度作業が終わったら、やっと軽食を食べさせてもらえた。
でもこのあとコルセットをしめるから、あまり食べられないのが悲しい。
食べ終わったあとすぐにドレスを着付けるそうだ。
純白のドレスを汚さないように化粧や髪のセットを先に終わらせるのかと思っていたが、仕上げはドレスとのバランスを見て行いたいとのことだ。
久しぶりのコルセットはひどく辛い。
普段は優しくて可愛いメイドさんたちが鬼に見えた気がした。
ドレスに腕を通し、微調整をして貰う。
公爵家では運動もあんまり出来ていないうえに食事が豪華だから採寸の時より太ってたらどうしようと思ったが大丈夫らしい。
むしろわずかに細くなっているようだ。
それはコルセットのおかげな気もするが。
ドレスの着付けが終わり、今度は化粧と髪の仕上げだ。
ドレスにシワをつけられないため、立ちっぱなしなのが少し辛い。
鏡を見ると、いつもより上品で大人っぽい感じ。
というか変わりすぎていて、詐欺になりそうなくらいなのだが…。
旦那様が見たらなんて言うだろうか。
すべての作業が終わる頃には四の鐘が鳴る時間にだいぶ近づいていた。
四の鐘が鳴るまでにお客様が到着していて、全員が揃ったら私と旦那様が一緒に入場する予定だ。
本当にあと少ししかない。
メイドが1人部屋に入ってきた。
旦那様が部屋の前で待っていてくれているとのことだ。
メイドに頼んで、旦那様に部屋に入ってもらう。
はぅっ!
旦那様がかっこよすぎる。
大丈夫だろうか?
あまりの美しさに女神様が気に入って連れて行ったりしないだろうか?
「っラナっ!?綺麗だ。本当に、綺麗すぎて攫われてしまわないか心配になる。やっぱり今日の式は取りやめにするか!?」
「ふふっ、だ、旦那様、私と同じようなこと考えてます!私も旦那様が女神様に連れて行かれないか心配で。でも、結婚式はちゃんとやりましょう?」
「あぁ、もちろんだ。ラナと揃いの指輪をつけるのだからな」
緊張していたけれど、旦那様のおかげで少し気持ちが楽になった。
会場の扉向かってエスコートされながら歩く。
扉がゆっくり開いていく。
まばゆい場所へ、2人で足を踏み出した。




