1_10.
「ラナ様、食べ終わりましたか?」
「え、えぇ」
「じゃあ支度しますよ!とりあえず湯浴みからです!」
今日のレナはなんだかすごい勢いだ。そんなに急いでるのだろうか。
レナのこと、てっきりほんわかおっとり系かと思っていたけど、実はめっちゃ有能で怒らせたら恐い系だったかも。
でもどっちでもいいや。
レナ可愛いもん!可愛いは正義!
うわぁ、ここのお風呂広っ!
って昨日も使ったけどさぁ。
って、え!え!
向かい側にも扉!!部屋からつながっているお風呂、2つの扉...やっぱりここ本当にかつての側室様のお部屋だった!?
うぅ、お願いだから普通の、もっとシンプルでこじんまりとしたお部屋にかえてください...。
...とか思っていると、レナを含む数人のメイドたちが入ってきた。
初めて見る、先頭のメイドさんが口を開く。
「ラナ様。本日は私達がお支度を手伝わせていただきます。湯浴みの後はお肌のスキンケアを行い、その後はドレスの着付け、お髪のセット、メイクを行います。最後のアクセサリーをつけるまでを8時間の間に行う必要があるので、急ぎ足で進めさせていただきます」
「わ、わかったわ」
...、って、1人のメイドのために8時間は長すぎる!
というか私だけ!?
他のメイドさんたちは準備必要ないの!?
...8時間後。
鏡の前の私はいつもと全然違くて、まるで馬子にも衣装...。
自分で言って自分で傷ついた...。
こんなに変わるなんて...やっぱり公爵家のメイドさんってすごすぎる。つくづく自分の無力を実感する。
こんな私をメイドとしてやとってくれる公爵様すばらしすぎるわ!
なんて優秀なの!もう一生ついていきます!
願わくばここで職場婚がしたい。
ここの使用人さん達の中にいい人がいるといいな!
夫婦共働きで2人して福利厚生がしっかりした職場とか先進的ですばらしいと思う。
もし子どもが生まれてもここなら安心して育てられるし。
そういえばあの御者さんとメイド長さんは夫婦らしい。
ちょっと意外だったけど、お似あいかも。
性格が全然違うぶん、パズルのピースみたくぴったりはまる可能性もある。
「ラナ様!ラナ様!」
「わ、びっくりした!急にどうしたの?」
「どうしたのじゃないですよっ!ご自分のお姿に見れるのもわかりますが、急がないと本当に遅れちゃいますっ!」
「ご、ごめんね。さ、行きましょ!」
って、だからこれから何があるのかわからないのだが。
まあ、行けばなんとかなるよね!
それにしてもやっぱりすごいドレス。
王妃様もびっくりなレベルのお値段しそうなんだけど...。
そういえばレナたちもいつのまにか着がえていた。
メイドさんたちで色違いになっている。
ひざ丈のドレスで、シンプルだけど洗練されていてすごくおシャレ...。
私やっぱり場違い...。
この理由をあとで旦那様に問わねば!あとついでにお部屋のこと!
そう息ごみながら会場へ入った。




