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お父様は、なぜ亡くなったの?

「あー、兄貴たちが明日から学園に行くんだったな。それで心細くなったのか?まだまだお前も子供だな!」


イオのお父さんはそう言うと私の頭を思いっきり撫で、少しずつ話してくれた。


「お前の父親で俺の学友であるカストルは、それはもう凄い男だった」


「え?」


私は見上げると、イオのお父さんは夜空を眺めながら続けた。


「普段はお前本当に領主か?って確認するぐらいに、威厳もなくのほほんとしててな。だが一度戦場に出れば、馬術においてカストルの上を行く奴はこの国にはいなかった。あいつの戦い方は馬に乗りながら、魔術で作った弓を放つんだが、これも百発百中でな。前衛から後衛、何でもできた。だが、3年前のあのスタンピードではそうもいかなかった。あの時のスタンピードは感知するのに遅れをとってしまい、魔物たちがダンジョンから出てきてしまった。……お前の父親は最前線に行き、領民を安全な場所へ避難させながら夜通し戦い続けた。何とかスタンピードを抑え込んだが、領土の約半分が被害にあった。カストルはあのスタンピードのボスと思われる、グリフォンの中でも特殊個体のキンググリフォンを倒すために戦い、死んだ。」


イオのお父さんは、懐かしそうに、そして悲しそうに話を続けた。


「正直俺は最初信じられなかった。あれほど強かったあいつが死んだなんてな。それはここに仕えている全員が思ったはずだ。だが、そこで立ち止まっては、カストルの死を無駄にしてしまう。基本魔物は領地の外に出ればいるから気にしないんだが、スタンピードの時は話が違う。スタンピードの際は本来いない魔物が地上に出てくることにより、土地や水・木々などが汚染されるんだ。そして汚染された土地には人間や動物、地上に生きている魔物などは生きることはできない。だが、汚染を浄化するには『光魔法』を使え、なおかつ魔力量や質などが関係してくるらしい。そしてその土地を浄化できるのは、この国で3人しかいない。その1人がお前の母親だ」

 

「お母様は浄化できるのですか?」


私は驚いた声を上げたが、イオのお父さんは頷くだけだった。


「あぁ、ただカストルが死んでしまい、次期領主もまだ子供。領を統治するためには、お前の母親しかおらず、浄化だけの時間が確保できなかった。それでも一週間に一度は浄化してくれている。浄化ができる範囲もその人の魔力量で決まる。お前の母親も魔力が多い分類に入るが全ての土地などを浄化するのに簡単に見積もって50年は掛かるだろうな」


「50年!?そんなにも掛かるのですか?」


「毎日浄化できるんだったらもっと早く終わるだろうが、今の状況だと無理だろうな。それに家や職を失った民が多くいる。そちらを何とかすることが、今の最優先事項だ。お前がもし何も知らないというのであれば、知っていけばいい。話を聞くだけじゃなくて、自分の目で見て、耳で聞き、肌で感じろ。それから、何ができるかを考えりゃいいさ」


イオのお父さんはそう言うと、私の背中を叩き、この場を去った。



お父様の思いは受け継がれているよ。

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