学園って、なにするの?
詳しくは、どこかで語るかもしれない。
「ねぇ、イオ。兄さまたちは何を学んでいるの?」
僕は傍に控えていたイオに耳打ちをして聞いた。すると、執事の人が隣に立ち答えだした。
「マールス様、アレース様が通う学園は7年制となります。全寮制ということもあり、お帰りになられるのは、長期休暇の時だけとなります。また、貴族の子供たちは必ず学園に通う必要があります。学園の中では5つの学科に分かれており、マールス様が所属されていますのは、魔術学科。主に基本教科以外に、呪文学や魔法学、錬金術などを学びます。そしてアレース様が通うのが武術学科。こちらも基本教科以外に武術や戦術、戦闘術などを学びます。それ以外にも医術学科や商科学科、養成学科などがございます。商科学科と養成学科につきましては、一般家庭の子供が所属し、貴族の子供は所属できません」
「リゲルは、養成学科の主席卒業だったのよね」
「昔の話でございます、奥様」
「じゃあ、学科は入学前にどうやって決めるんですか?」
「入学する半年前までに適応試験を受ける必要がございます」
「適応試験って言っても、水晶玉を持って魔力を込めると、自分の適性が分かるようになってるんだ。だからぜーんぜん難しくねぇよ」
アレースがニヤッと笑いながら言うと、食事の準備が整った。
食事内容は、豪華ではないと思っていたが、まさかの丸いパン2つと具が葉野菜が入ったスープだけだった。びっくりして、目だけで周りを見渡したけど、当たり前のように食事を開始したので、私も何も言わず食事を始めた。
「オシリスはあと3年後に入学ね。あなたがどの学科に入るか今から楽しみだわ」
「えっと、10位以内に入るために、とりあえず基本教科の勉強だけしておこうと思います」
「あら、だったらリゲルかメイド長のスピカの時間がある時に、勉強を教えてもらうと良いわ。二人とも養成学科を首席で卒業しているから」
「そうなんですね。じゃあ時間がある時に聞きに行こうと思います」
私はとりあえず営業スマイルでそう伝えた。