自分の意思は曲げたりしません。
部屋までの道は覚えたよ!
部屋に戻ると、リゲルがいた。
「あれ、どうしたんですか?今日は授業がなかったはず……?」
「先ほど奥方様にセレを作るために海へ行きたいと仰っていましたが、どうしても行きたいのですか?」
その言葉を言うリゲルの表情はとても真剣だった。
「……私は、セレを作るために海へ行きます。今行くべきではないのかもしれません。でも、魔法石を使わずに作れる方法があるなら、作りたい! ……最初は少ないかもしれない。失敗するかもしれない。だからって、何もしないのは違うと思います」
私はまっすぐリゲルを見て言い切った。
それからしばらくは二人で見つめ合った。
私は絶対に目線をそらしてはいけない!と思い、瞬きもせずにリゲルを見続けた。
そんな私を見て、リゲルは息を吐き懐かしそうに微笑んだ。
「……オシリス様は、お父上に似ておりますね」
「え?」
「オシリス様のお父上も自分で決めたことは一度たりとも曲げませんでした。……わかりました。海へ行くのは6日後になります。それまでに、必要なものなどあれば仰ってください」
リゲルは仕方がない。と言わんばかりの表情で理解してくれた。
私は嬉しくなって頭を下げようと思ったけど、頭を下げると怒られるのを思い出し、大きく頷くだけにとどめた。
「それでは、失礼いたします。本日の昼食も、奥方様はご多忙のためオシリス様お一人になります」
「あ、うん、わかりました。お母様に無理しないでください。と伝えてください」
私がそういうと、リゲルは返事をした後、部屋を出て行った。
リゲルが出た後に、私は大きく息を吐いた。
「そうだよね。7歳の私がこんなことを言うなんて、普通はおかしいよね。……でも、私ができることをして、皆が幸せになるんだったら頑張りたい。私が美容師になりたいと思ったのも、皆を笑顔にしたい。それだけだったんだから……」
私は改めて自分の原点を思い出しながら、窓から見える景色を見つめた。




