プロローグ①
初めての作品。
楽しく、面白くできたら良いな。
大きな窓から見えるのは、中世ヨーロッパのような建物。
その後ろには雄大な山々。
空を飛ぶ鳥たちと、鳥には見えない何かの生物。
そして私がいるこの部屋。
部屋は昔スペインに旅行に行ったときに見学したお城の部屋の一室のように、豪華絢爛。
それに、ベッドボードに背を預ける私を甲斐甲斐しくお世話をするメイドさんたち。
メイドさんたちのメイクが何故かお正月の時とかに遊ぶ福笑いを連想させる、ピンクの丸いチークだけ。なんでそんなメイクを?
そして私だ。
私は34歳で大人のはずなのに、見えるのは子供の小さな手。
「オシリスお坊ちゃま、お加減はいかがですか?」
ブラウンの髪を腰まで伸ばした中学生ぐらいのメイド服を着た女の子が、私に水が入ったガラスのコップを渡しながら訪ねてきた。
コップを受け取り、水を飲もうとしたとき、不思議な単語に気づき女の子を見た。
「お、おぼっちゃ、ま?」
「? オシリスお坊ちゃま? いかがなさいました?」
不思議そうに言う女の子を見て、私は持っていたコップを落とし、意識を失った。
意識を失う前に、お医者さんを呼ぶ声がした。