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匣の街  作者: Mr.Y
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△市UFO事件前夜

 △市UFO事件に私は大きな衝撃を受けたことを何度かいった。これからもいい続けるだろう。あの△市UFO事件についての小説を書き終えるまで、とりあえず。

 あんな大きな出来事が起こったのだ。きっと前兆のようなものがあったに違いない。地震の前ぶれとして地震雲や井戸水が濁ったとか、深海魚が浜に打ち上げられた、というようなことがあったのではないか、と。△市UFO事件より以前の噂話や怪奇現象などを聞いて回った。それについては本当に様々な話を聞いた。それが逐一、△市UFO事件に関連しているのか、となると別だ。けれどかなりの話が集まったし、驚いたことにオカルト雑誌MUに掲載された南魚文のコラムとも一致する話もあったが、本当にそれは取り留めのないオカルト話ばかりだったし、これがすべて△市UFO事件に繋がっているとしたらUFOとは怪異の大元締めかなにかだ。第一、ある時間になると決まって現れる不審者(それこそ警察沙汰だ)や人形を自身の赤ちゃんとして溺愛する話、ラジオから聞こえてきたお経や知らない街の暴動事件のニュースすらUFOと関連づけるのは早計だろう。

 当然、分類すべき案件だが、蒐集した話がすべて△市UFO事件に繋がっているとしたらおもしろいと感じてしまう私がいた。結局、素人の小説家だ。なんの気兼ねもいらないし、好き勝手やったところで誰がクレームをいれるというのか。

 点と点があるなら線で繋ぎたくなる(さが)が私にはあるのかもしれない。すべて繋ぎ合わせて、おもしろおかしく書こうとしている。


 話は本題からずれるが、おもしろおかしく書くといっても、無責任ではいけない。そして相対して真実に対しては私は無責任だ。無責任といっても誠実であろうとするけど、責任を取ろうとしても取り切れないという意味での無責任だ。そして私の責任は私がおもしろおかしいと感じる小説を書くことだ。このことにおいて誠実でありたいし、妥協したくない。例えネットの片隅で公開している無料小説サイトだとしても。


 話を戻す。

 しかしUFOは△市上空に集まりなにか特別なことをやったはずなのだ。世界がひっくり返るようななにかを! と思って、△市UFO事件前後にあったリアルな事件や事故も調べてみた。もちろん、私は警察や探偵なんかじゃない。新聞やネットニュース、不確かな噂話だって数に入れての話だが、正直、事件や事故はあまりなかった。前日に交通事故(わきみ運転)、当日に私の住んでるアパートで火事、私の部屋の元住人が行方不明(届出は一週間後だが、この日が怪しいと私が無理矢理こじつけた)、あとは拝屋礼(オガミヤ レイ)という、霊能力者? が行方不明になっていた。あれだけUFOが集まっても、正直これくらいか、と落胆してしまう。しかも拝屋さんは十一月には家族と連絡が取れていて「もうしばらくは帰れない」といっていたらしいから大したことはない。

 ショボい、ショボすぎる。

 銀河のように幾多の光が集まり、ひとつの光に収斂(しゅうれん)し、夕暮れの△市を夏の真昼間のように一瞬照らした青白い光が起こしたのはアパートの火事と行方不明者一名とかショボすぎる。

 だがもうひとつの可能性がある。

 それは『未然に防がれた』可能性だ。

 UFOが大事を起こす前に何者か……いや、何者かたち(なにかの組織や集団)がUFOが起こすであろう事件を未然に防いだのだ。

 それについても話を頂いている。その話は拝屋礼さんの娘の(シズク)さんから聞いた話だ。十代後半(ハイティーン)のかわいらしい子だったが、外見も含め、いささか妄想というか特殊な思想が過ぎる人物だった。拝天會についても父親から聞かされていたらしいが……あの話が真実かどうかは置いておこう。だが話はおもしろかったので小説のネタにはなるはずだ。しかし、その話が真実だとするとあと幾人かの霊能者やUFO研究家(そんな方が△市にいたことに驚きだ)に話を訊かなければならない。

 それと雫さんは私とは別の見解を持っていた。

 UFOは害がなかった、ということだ。

 むしろ、UFOは人類に対して敵意はなく、拝天會の怪異の最後の標的となったのではないか、とのことだった。自信はないらしいが、他の霊能者に訊けばまた違った見解があるかもしれない、とのことだ。


 事態は思ったより複雑に絡み合っており、なにがどうなっているのかよくわからない。ただ、いまのところ点は点のまま無数に存在しているのは確かだ。この点と点に線を結ぶのはまだ時期尚早なのかもしれない。いまは点の数を増やし、一点一点を精査し、どこでどう繋がっているのか調べなければならない時期なのだろうか。

 それとも点を集められるだけ集めようか。

 夜空に瞬く星々のように集めれば、天体のように法則性を見出されるかもしれない。そのうえで線を結ぼう。集まった星々は形づくられ星座のようにみえるかもしれない。


 作者:月空(ツキゾラ) リリ

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