53 彼方、花蓮とデートの約束をする
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「そういや彼方」
「父さん?」
「花蓮ちゃんとのデートはいつやるんだい?」
「父さんか母さんが家にいる時じゃないと、やりたくてもできないだろ。 陽愛達だけの留守番はまだ危ないからな」
「うぐっ!」
夏休みのある日曜日の昼、お昼寝中の陽愛達の寝顔を堪能しながら、小声で父さんと会話していた。
会話内容は言わずもがな、花蓮とのデートの話だ。
俺としては、恋人同士になってからは、一度もデートしていない事に気付いて焦りだしているが、花蓮は気にしなくていい事と、陽愛達を大事にしないとダメだしねと言ってくれた。
とはいえ、そろそろデートの予定を立てたいところだが、まだ4歳の陽愛達を放っておくことは出来ない。
なので、花蓮とのデートは父さんか母さんが1日中陽愛達の面倒を見てくれないとどうしようもない。
今日は父さんはこの後浮気案件の相談の為に事務所に向かい、母さんはコンビニで働いている。
日曜日なんだけど、本来のパートが体調を崩したらしく、代わりに入ったらしい。
一方で、俺は絶賛夏休み中なので、陽愛の面倒を見ている。
「まぁ、由佳里も陽愛達とふれあいたいから、明日から3日間は絶対に休む事を条件に代わったからな。 父さんも明後日と明明後日はリモートだから」
「デートに誘うとしたら、その日か……」
明日から3日間は母さんが休み、かつ明後日と明明後日には、父さんはリモートで家にいる。
デートに誘うなら花蓮の予定を考えないといけないが、明明後日がいいだろうな。
「分かったよ。 じゃあ花蓮にデートの誘いの電話をしておくよ」
「それがいいよ。 陽愛達はその間、父さんが見ておくから」
「ああ、頼むよ父さん」
少しの間、陽愛達を父さんに頼み、俺は自分の部屋に向かった。
◇◇◇◇◇◇
『もしもし、小梅崎 花蓮です』
「花蓮か? 俺だ、彼方だ」
『おおっ、彼方くん! キミから掛けてくるなんて珍しいね。 どうしたんだい?』
自分の部屋に入った俺は、早速花蓮に通話をし始める。
花蓮がすぐに出てくれたのは、安心している。
早速、俺は用件を伝えた。
「明明後日に、時間が出来たから、花蓮の方で用事がなかったらデートに誘おうと思って電話したんだ」
『という事は、勝次さんか由佳里さんが家にいるって事かな?』
「ああ、母さんは休みで父さんはリモートで家にいると言ってたからな」
『なるほど、なるほど。 私も明明後日は用事はないし、勝次さんと由佳里さんが家にいるなら陽愛ちゃん達も安心だしね。 いいよ、明明後日にデートしよう』
花蓮からOKを貰えてホッとした。
というか、通話越しからでも嬉しそうなトーンだったし、花蓮も楽しみなんだろうな。
「なら、プランはどうする? ショッピングデートでいくか?」
『最初に公園でお話してからショッピングデートにしたいけどいいかな?』
「成る程、それもいいな。 じゃあ、それにしよう」
『決まりだね。 じゃあ明明後日の待ち合わせは彼方くんの家でいいかな?』
「構わないさ。 少しでも陽愛達に会いたいんだろ?」
『そうなんだよね。 じゃあ、明明後日のデート楽しみにしてるよ』
「ああ、こっちも楽しみにするよ」
そう言って俺は花蓮とのデートの約束を取り付けた。
恋人同士になってからの初めてのデート。
今から楽しみで仕方がない。
そう思っていた翌日に思いがけない事件が発生するのであった……・
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