ゆきちゃんとこはなちゃん
ゆきちゃんとこはなちゃんは保育園の仲良しさんです。
遊ぶときも、ごはんの時も、お昼寝の時も、いつもいっしょにいます。
ある日、こはなちゃんがゆきちゃんにお手紙を書いてくれました。
お手紙は、この前先生に教えてもらったばかりのハートの形で折られていて、かわいいシールがたくさん貼ってありました。
ゆきちゃんは、とってもかわいくて、開きたくなくなってしまいました。
まだひとりでハートの形に折ることができなかったので、開けたらもとに戻せなくなってしまうからです。
ゆきちゃんは、もらったお手紙をだいじにだいじにかばんにしまい、おうちへもって帰りました。
ある朝、ゆきちゃんがいつものように保育園へ行くと、こはなちゃんがいませんでした。
先生にきいたら、かぜでお休みしているのよ、と言いました。
ゆきちゃんは、こはなちゃんにお手紙を書くことにしました。
はやく、よくなってね。
ゆきちゃんは、こはなちゃんからもらったお手紙とおなじようにしたくて、先生に手伝ってもらいながら、ハートのかたちに折りました。
できあがったハートは、すこし曲がってしまいました。
こはなちゃんは、次の日も来ませんでした。
ゆきちゃんは、またお手紙を書きました。
はやく、よくなってね。
ハートは、昨日よりもきれいに折ることができました。
ゆきちゃんは、すこしうれしくなりました。
こはなちゃんは、その次の日も来ませんでした。
ゆきちゃんは、またお手紙を書きました。
はやく、よくなってね。
ゆきちゃんは、先生に手伝ってもらわなくても、きれいなハートが折れるようになっていました。
4かいめのお手紙を書いた日の夜、ゆきちゃんは、こはなちゃんからもらったお手紙をひらきました。
もう、あけても、自分でなおせます。
お手紙には、
また、あそぼうね。
と書いてありました。
ゆきちゃんは、お返事を書きました。
また、あそぼうね。
ゆきちゃんは、ふたつのお手紙をだいじにかばんにしまいました。
「あしたは、あえるといいな」
お読みいただき、ありがとうございます。
結末を書くか悩んだのですが、結局どちらにもとれる終わり方にしてしまいました。。