表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

魔王軍は超絶ブラック(ただし魔王に限る)

1-1 魔王軍は超絶ブラック(ただし魔王に限る)

有名なお医者さんの漫画に

「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!」というセリフがある。

今の俺の心境がまさにそれだ。


ブレイン LV9999 魔王

HP4/?????? MP2/??????

ちから24/??? ちえ111/???

すばやさ21/??? まもり12/???

スキル;使用不可

ステータス;正常


これがこの世界を支配する魔王のステータスらしい。

これ、俺がちょっと一撃加えたらぽっくり死んで、俺は英雄になれるんじゃね?

そんな誘惑的なステータスだった。


数字が6桁有る事を匂わせながらHPが1ケタって、ほとんど死にかけてるじゃないか。

「まあ魔王様は勇者に負けても復活する不死身の御方だからのう」

「え?そうなの?」

「うむ、いままで何度か憎き勇者に敗北し封印された事があったのじゃ」

「へー」

すごいな。流石は異世界。やっぱり所持金の半分を出せば復活できるんだなー。

「たしか、あの時は2000年前だったか」

「殆ど死んだも同然じゃないか!」

 不死身というか生まれ変わりに近い。第一そんな化け物が何でここまで衰弱しているんだろう?

 試しに触診をすると手が驚くほど冷たかった。

 他の幹部たちの脈をとると多少の差はあるが体温は人間と同程度。明らかに魔王の体は異常だった。


 首の後ろや背中のツボを押してみたが、肩がこるという次元ではなく細胞が死にかかっていると説明した方が早い位、弾力が無い。

 八十を超えた老人でももう少し肌に元気があるだろうに…

「いかがでしょうか、軍師殿」

「脈が少し弱いですね。あと体温が低い。何か心当たりはないでしょうか?」 

「うーん、3か月前にエルフたちが蜂起して北の森がを討伐された頃は、まだ歩くことができたのですが…」

 へー、エルフがいるのか、さすが異世界だな。

「2か月前に南のドワーフ族が国境を越えた時には馬車で移動されておられたな」

今度は逆方向からドワーフか。

「一か月半前は海の一族が西と東から攻めてきたので魔王様は西、東の順に征伐されたな。あのころから立ちくらみがすると申されていた」

んん?

気のせいだろうか?この魔王様、全然休む暇が無いような気がする。

「でそれから10日後に人間たちが南西から攻めてきたのを撃退した後に、お倒れになられたな」

 どう考えてもそれが原因じゃないのだろうか?

「で、龍族が攻めてきた時に魔法を使われた後にスキルが使用不可になったのだな」

 おかしい。

話を聞くと6つ以上の国や集団と戦闘状態にあって、その全てで陣頭指揮を執って戦っているように錯覚してしまう。

 だいたい戦争って2つの国と戦うだけでも不利だって聞いたことがあるのだが…


「……参考までに魔王様の一日のスケジュールを聞きたいんだけど」

「最近は一日中伏せりながら執務をされておられますが」

「いや、元気だったころのを…」

「普段の魔王様の生活ですか?でしらこのようになります」

 そう言ってニューロさんが紙に手早く文字を書いて渡してきた。

 早い、さすがは魔王の秘書なだけあ…


0時~6時 仕事

6時~7時 部下への演説と支持

7時~36時 仕事


「滅びろ!ブラック企業!!!」

 俺は思わず叫んでいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ