表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

第一章3話

夕方セクメシティ―暗黒の部屋

「え?どうしてって、突き飛ばされたくらいじゃ人は死なないよ」

「そうじゃない!何で私の右手に触ってあなたは死なないの!?」

少女は、少し取り乱していた。

「えっ?じゃあ、君が死の神子なの?」

「そうよ。私の右手に触れたものは皆死んでしまうのよ」

「やっぱり、君も違ったんだ・・・」

泡沫は残念そうにつぶやいた。

「何が違うの?」

少女は訝しげに訊ねた。ぺたぺたと泡沫の体に触りながら・・・。

「俺、なんか、神様に呪いかけられて、死ねなくなっちゃったらしいんだ。こんなナリでもう何十年も生き続けてるんだ。それで、ある人に言われたんだ。俺に終わりを与える者がこの世にいる。その人を捜しなさいって」

泡沫はそのままうなだれて、うずくまった。

「でも、私は嬉しい。だってもう殺さなくても良いんだもの」

少女は、そのとき初めて笑った。暗い灯りの下でも分かるくらいはっきりと。

「君、だったら、俺と一緒に行かないか?」

「えっ!ここから出してくれるの?」

少女は心底嬉しそうな声を出して尋ねた。

「だって、俺だったたら一緒にいても殺さなくてすむだろ?」

当たり前のように言われたその一言が、少女にとっては何にも勝る一言だった。

(もう誰も殺さなくてすむんだ)

涙がぼろぼろと溢れてきた。どうやったって止められないくらいに。

 泡沫は何も言わないで肩を抱いてくれた。


 涙がやっとおさまった頃、少女は言った。

「ありがとう。私の名前は、イシス・リューレ。これから、よろしく」

「俺は泡沫。こっちこそよろしく」

呪われ者と、祝福を受けし者は互いに笑いあった。


夜セクメシティ―暗黒の部屋

暗黒の部屋の扉が開いた。白服の男2人がやって来た。部屋の中には、倒れた少年の体と、うずくまる少女だけ。それを確認し、男たちは少年の体を運び出そうとする。その瞬間、男たちは、イシスのきれいな延髄切りをくらい、倒れた。

「ナイス」

「当たり前でしょ」

(でも、こんなの何処で習ったんだろ・・・)

2人はそのまま回廊を駆けていった。


数刻後セクメシティ―神殿正面玄関

「誰が来るにしても正面狙うか?暇でしょうがねぇ」

「いい事だろうが。気を抜くな」

ハイギートはルギエスに言う。これではどっちが上司か分からない。

 と、そこに伝令兵が来た。

「エシュールド第四中隊長に申し上げます。何者かによって死の神子様が誘拐されました。なお、侵入者は、一名。相当の手練と思われます。協力要請命令が出ております」

「おい、どうやったら死の神子誘拐できんだよ。手に触れたら即刻アウトじゃねぇか」

と、ルギエスがぼやいた瞬間、

「いたぞ!あそこだ!」

警備兵達が、隣の神殿の屋根に乗った陰を指した。

「あれか?」

ルギエスは雷銃を構え装弾する。そして、影が動いたその瞬間に引き金を引いた。


ドォオン!!!


宵闇を切って、光の銃弾は真っ直ぐ飛んでいった。そして、影は、落ちた。

「流石だな」

「いや、あの影に掠っただけだ。あいつ、避けやがった」

「この距離でお前の弾を!?」

苦々しげにルギエスは笑った。

「ま、掠っただけでも即死だ。死体は見つかるだろうな」

後は任せて帰ったとばかりに二人は戻っていった。


「ふ〜、危なかった。俺じゃなかったら死んでたよ」

泡沫はほっと一息つく。二人は掠って落ちた後すぐ魔法で浮遊してその場を離れたのであった。イシスもほっとした顔で言う。

「ホントに外ってどきどきするわね」

「でも楽しいだろ?」

「もちろん♪」

そうして2人の子供は、神の住む町セクメシティを深夜遅くに抜け出したのだった。

今後、更新遅れると思います。でも、気長に見てやってください。 とりあえず、執筆頑張って、受験勉強します。(オイマテ)では。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ