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プロローグ
プロローグ
遠く東の果てで少年は生まれた。
彼は己の生まれが故に神に呪われた。
呪いの名は『不変』。
老いることもなく、死ぬこともなく、
自分が何者なのかもわからず、
ただたださまよい続けるものとなる。
少年は名を泡沫と名乗る。
彼は神に憎まれし者。そして、
蛇の王族だった。
遠く南と西の間に少女は生まれた。
彼女は神より祝福を受けた。
祝福の名は『生死与奪』。
右手で生者に触れればその者に死を、
左手で死者に触れればその者に生を与える力。
少女の名はイシス・リューレ。
少女は神に愛されし者。そして、
死の神の娘だった。
二人は巡り会う。
運命の輪の導きによって、
自らの過去を償うために…。
互いの宿命を断ち切るために。
彼らの行先に幸運があることを神ではない何かに祈る。
初めてなので勝手が分からないんですが読んでやってください。