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第37話 副作用

そっちも寝たか?


ええ、随分疲れていたみたいですよ。


何焦ってるんだろうな。こいつら。


本当に。少し気分転換でも提案した方がいいと思いますね。


素直に応じるかぁ? こいつらが。


そこは、……年長者にお願いしますよ。


はいはい、任されましたよっと。

 何やら喧騒が耳に届き、瞼を上げる。

届く声はパパラと姉御のものか。……あの二人は昨日から言い合ってばかりですね。


「どうかなさいましたか?」


 うん? 何やら違和感があるのですが。

上体を起こし、自分の体を見てみれば、……普段見慣れていた私の双丘は絶壁となり、記憶にあるよりは、体が二回りほど小さくなっていた。


 え? ……魔法で作ったはずのこの見た目が、小さくなった?


「お姉さま実は…………ジュル」


 私の声に気が付き、姉御との言い合いをやめ、こちらを向いたパパラが涎を拭う。


「マデラもやっぱしなったか。これが副作用て事やろな」


 私と同じく、チンチクリンになった姉御が言う。

というか姉御、着ていた服が体に合ってなくて色々と見えてます。


 じりじりとにじり寄ってくるパパラから距離を取り、一旦落ち着きましょう。

本来の姿ではなく、見た目を変える為にかけた魔法にすら干渉して幼い見た目にするのが副作用ですか。

断言します。麒麟はこの副作用を大前提にあのポーションを作りやがりましたね。


 バチィッ!と部屋の中で雷が轟き、その変態が姿を現す。

これ以上無い位、ニヤニヤと顔を破顔させながら彼は、私と姉御をじっくりと見回して一呼吸置いてから感想を言い放った。


「狐耳尻尾付きのロリと、クールな表情のロリとかたまんねぇなぁおい。……チッ! メイドとナースはまだロリ化しちゃいねぇのか。ポーション飲めや!」

「飲むわけありませんわ!」「飲むわけないでしょ!」


 そんな麒麟の感想に二人同時にリリスとパパラが怒鳴る。


「何故だ!? 効果はしっかりあるぞ!」

「どう考えてもその副作用が嫌ですわ! というかこれ元に戻るんですの?」

「お前らがロリ化して俺が満足したら戻してやるぞ」

「勝手な事言いなや!」


 自分の主張をする麒麟に姉御は、印を結んで何やらしようとするも、


「あ゛っ!?」


 と麒麟に威圧され、そこから何も動けなくなる。

仮にも神獣、神の使い。元々私達と立つ場所も立場すらも違う存在。


「大人しくしてろよ。暴れなかったら可愛がってやるぜ?」


 それまで宙に浮いていた麒麟が姉御の前に降り、頬の輪郭をなぞる。

それまでの変態的な言動さえなければ、ほとんどの女性がコロっと落ちそうな美しさと優雅さ。


「悪いなぁ。うちは可愛いより美しい、や、かっこいい言われるんがええわ」


 睨みつけ、僅かに距離を取って警戒する姉御と、姉御に寄っていくツヅラオ。


「あー、ケモミミ尻尾ロリショタカプとか尊い。尊過ぎる」


 変態が悶えてますね。全く理解出来ませんが。

とりあえず早めに元に戻していただきたいです。先ほどからパパラから逃げていますがもう逃げ場が無いです。


「大体、その見た目になる必要がございますの?」

「大いにあるね。まず無理矢理耐性付けたら体のどこかしらに異常が出る。じゃあどうするか。体自身の代謝高めて異常を早い時間で治すのが一番手っ取り早い。んで、代謝は体が小さい方が効率がいい。QED(証明終わり)

「本音は?」

「俺の趣味☆」


 その場にいる麒麟を覗いた全員がそろってため息。


「まぁでも飲んどけよ。熱中症への耐性だけじゃないからな。効果。おおよその属性への耐性が大なり小なり付くはずだ」

「それが本当だったとして、あなた方に何かメリットがございますの? 信用が皆無ですわよ?」

「今の世の状況が続くだろ」


 あっけらかんと、当然だろ、と即答で答える。


「今の人間がモンスターに滅多に襲われず、村を襲撃もされず、職が無くなる事も野垂れ死ぬやつすらも少ないこの今の世を作り上げたのは今の魔王だ。それを考えてかどうかはさておいてな」

「それが、神の意志なのですか?」

「さぁ? あの存在方の考えなんざ俺たちすら遠く及ばない所にあるからな。けど、俺含め地水空の3人は今の状況を大歓迎なわけ。人間贔屓なのは重々承知だけど神を信仰してるのは人間しかいねぇし」

「だからモンスターを治療している、と?」

「まぁな。てか俺らが人間治療すると技術も効果も過剰過ぎて壊れる」


 それまで紅茶を飲みながら話に入っていたリリスが突然立ち上がり、麒麟の目の前へ。


「? なんだ?」

「一つ教えて欲しい事がございまして。答えていただけたらわたくしも飲みますわ」

「取引になってねぇな。飲めば自分が強くなるんだぞ。俺は別に待っとけば勝手にお前が飲むだろ」

「今飲めばあなたの望む服装になりますわよ?」

「何を知りたい?」


 もう少し考えてもいいと思うのですが。というかこの神獣は欲望に忠実過ぎでは?


「今の魔王様が魔王という椅子に座る事になった出来事を知りたいんですの」


 ……なるほど。そう来ましたか。


「なんだそんな事か。どうせ想像通りだぞ。()()()()()()。それだけだ」

「そう、……ですのね」


 …………そう、ですか。


 納得したリリスはやはり胸の谷間からポーションを出して、一気飲み。

それを見た麒麟が指を鳴らせば、ロリナース姿のリリスが現れる。


GJ(グッジョブ)

「おちゅーしゃしちゃうぞー」


 リリスがノリノリでロリボイスで言えば、麒麟がリリスを抱きしめる。


「一杯してくれ」


 いや、あの、一人で盛り上がってるところ悪いのですがそろそろ戻してください。パパラに抱きしめられて逃げられないんですけど。

ご愛読ありがとうございます。ロリが嫌いな日本人は居ません!

そもそも戦国時代なんて14歳で結婚とかありましたし、日本人のDNAに刻まれているんでしょうね。

ごめんなさい冗談です。自分が好きなだけです。


というわけで救い難い変態の話でしたが、ようやく少しづつ情報が出てきましたねー。

多分皆さん気付いてたと思いますが。


そんなこんなで気が付けばもう10話くらい連休の話ですし、そろそろお仕事パートに戻る日も近づいて来ました。


まだまだ続きまするはダンジョン課。これからもよろしくお願いします。

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