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4-11 そういえば、レンタルできるようになりました。

能力説明回です。

ちょくちょくこういうのが挟まれると思いますが、説明の矛盾があればご指摘ください。

 割と豪快に食事をする女性って言うのも、それはそれで見ていて気持ちがいいものだ。

かっつりかぶりついておいしそうに掻きこむ姿ってのは、はしたないと思わなくもないが、食いっぷりがいいと悪い気はしない。

お酒も入りつつだったので、いろいろと普段聞けない話も聞けて俺としても満足が行く食事だった。

 っていっても、俺自身はまだ食ってないわけだが。

カールの分も合わせてこっそりインベントリにしまっている。

 実は、収納のレベルが上がって料理をこっそりインベントリ内の別の容器に移せるようになっていた。

 別に料理に限定されるわけじゃないけども。

 出来たら便利なのになって思ったらレベルが上がるのは安易すぎだと思うんだが、こう、願望が叶うのはありがたいので余計なことは考えないでおこう。

言うだけ無駄だ。

 ちなみに、前までは手で接触だったけど、手に持ったものを経由して収納することができるようになったからスプーンやお箸越しに移すことも可能だ。

 もちろん、がっちり固定されているものや人が身に着けているものを収納で強奪はできない。

鎧を奪うとかできたら、滅茶苦茶便利かと思ったけど残念ながら不可能だ。

 そんなわけで食事をする振りをして料理をインベントリに移してたので俺のお腹にはまだ料理は収まっていない。

全部で銀貨30枚分の出費をしてるんだから、味を期待したいところだ。

 まあ、あの食べっぷりからすれば大丈夫だと思うけども。

部屋に入るとカールは絵を描いていた。

相変わらず、子供っぽい絵だけど暇があれば描いているみたいだ。

早く絵を教えてくれる人を見つけないとな。

「ただいま。」

「おかえりなさい、ご主人様。」

 そういうと、カールは部屋を片付け始めた。

とはいえ言うほど散らかってはいない。俺と違ってまめまめしいカールは、部屋を整理整頓するのが得意らしい。

本当、これで美少女だったらどれだけ嬉しいことか。

 そんなことより腹が減った。

叶わない願い事をするよりも腹を満たそう。

 片付けてくれたテーブルの上に料理を並べ、パンを持ってくる。

 やっぱり時間経過しないのはありがたいよな。料理が温かいまま保存できるから温め直しとかしなくていいし。

「いただきまーす。」

 俺に習って、カールも食事を始める。

しばらく、黙々と料理を口に運ぶ。空腹が満たされていく。

あぁ、これは確かに旨いわ。

キャバクラとか言って警戒してたのが馬鹿馬鹿しい。

 確かに、チップと料理の値段を考えると割高かもしれないが、十分満足できる味と量だ。

ソーセージは干からびてなくて弾力があってぷりぷりしているし、オーブン焼きの方は数種類のきのこにベーコンがあってしっかりと塩味がついてる。

チーズの濃厚な味わいが全体を包んでいる。くわえて香草が香ってしつこさを和らげてくれている。

箸休め的に、キャベツの酢漬けも質がいいのか上品な酸味だ。

決してきつくはないけれど、だからと言って浅いわけでもない。

ちゃんとした料理人が手を加えてるんだろう。

 接待を伴うお店にも、そういうところがあるんだなぁ。

勉強になった。

 腹を満たすと、忘れていたことを思い出した。

そういえば、汗臭いから女性をエスコートできないとか言ってたけど、その状態で思いっきり女性が集まるところに行ってたんだよなぁ。

思わぬ迷子で気が動転してたから、すっかり忘れてた。

体洗わないとな。

「カール、体洗うか?」

 一応尋ねておく。

定期的にお風呂には連れて行ってるので、別に外に出て無いカールが体を洗う必要はないが一応念のために聞いておこう。

「だいじょぶ。」

 お絵描きを再開したい様子だから俺だけで済ませよう。

「そうか、分かった。」

 そういって、俺はトイレを仕切ってるカーテンの中に入った。

 別にみられるのはカールだけだから、裸になっても問題ないんだが、こうシャワーを浴びる感覚があってトイレの中で体を洗うようになってしまっている。

 服を脱ぎ、《水操作》でお湯を取り出し、全身を包み込む。

顔まで覆うと水が入ってくるので息を止めておかないといけない。

 覆った水を微振動させることもできるようになったし、ボディーソープも混ぜて体を洗う。

手は使ってないけど、これでめちゃくちゃきれいになるから便利だ。

 ただ、やっぱり湯舟には浸かりたいよなぁ。

不純物を取り除いて、すすぎにもう一度水をまとった後に再度不純物を取り除き、インベントリに戻して終わり。

 別に使い捨てにしてもいいんだけど、なんか戻せるなら戻しておこうって言うせこい考え方が抜けない。

体を洗うのにそんなに水を消費するわけでもないから、別にいいと言えばいいんだけども。

 ちなみに《水操作》で水分をコントロールできると言っても完全に乾燥させることはできないから、ちょっと体は湿っている。

体を拭かないと若干じっとりしてしまうから、これをやるには服は脱がないとまずい。

 なんというか、服ごと洗ったら、脱水した洗濯物を着ている気分を味わえる。

なので、裸になってタオルで拭かなきゃいけない手間は残ってるんだよなぁ。

 まあ、バッキバキに乾燥させられれば便利かもしれないけど、適度に湿度が残ってくれていた方が助かる場面もあるから、善し悪しだよな。


 乗馬で疲れてたのか、いつの間にかベッドに横になっていた。

目を覚ませば、まだ夜中だ。

 ベッドを這う這うの体で用意してたのは覚えてたけど、そのまま横になったら即寝ちゃうとは情けない。

体力とかも強化されてるはずなのになぁ。

相変わらずの根性無しというかなんというか。

 カールもまだ寝てるし、適当にネットでも見るか。

まあ、明日は休みだから夜更かししてもいいだろうし。

 休みか。

 ここから先は本格的に活動がしにくくなる。

雪のせいで交通網は遮断されるし、海も荒れて船の入港も減る。

既に、冬に向けての準備はもうすでに済ませている状態だ。

あとはじっと春を待つばかりだ。

 ギルドの決算日が近いので、暇になるかと言われるとそうでもないが、積極的に外に出るのは厳しくなるのは間違いない。

 でも、そう考えるとハンスたちも大変じゃないだろうか?

雪の状況にもよるが、一度キャラバンに戻ってみるべきではないかと思う。

資金は大分たまった。

今なら、渡せるものもいろいろある。

 いや、そういう発想は、よくないかな。

ハンスにはハンスの生き方がある。

キャラバンのみんなもそうだ。

やれる仕事をやって暮らしていってるのに、一方的な押し付けは良くない気はする。

 じゃあ、どうするかだよな。

俺は、どうなって欲しいんだろう。

 そもそも、俺は施されれば喜んでそれに食いつくタイプだ。

他人に誇りを持って働けなんて偉そうに言える立場じゃない。

 実際今も……

気持ちが沈みそうになる。

 こういう時は別のことを考えよう。

取引額も大分あったのか、売買のレベルも上がってくれた。

加わった能力のレンタルについて考えてみるか。

 普通に考えればそれほど頻繁に使うことのない高額商品を借りるのがいいのかもしれないけど、実際何を借りるか。

自動車……

は、今度グラスコーが決算後に購入するつもりらしいから、レンタルじゃなくて購入の方向でいいだろうし。

 じゃあ、重機とかか?

 いや、借りて何をするつもりだって。

今更土建業始めるわけにもいかないしな。

 そういえば、レンタルした物品はどうやって回収するんだろうか?

いちいちインベントリにしまっておかないとしたら、他人に貸し出したりは厳しいよな。

 あー、久しぶりに記憶を書き換えられる感覚が来たな。

うんうん、そうか、レンタル期限が来ると勝手に回収されるのか。

それはそれで問題があるな。

 ある日突然、借りてた車が消えてほっぽり出されるとか大問題じゃないか。

流石にそういう場合は、警告があって安全に注意して停車した後に回収されるらしいが。

 それでも、未開の地で車が消えたら、シャレにならない。

やっぱり他人にレンタルは厳しいか。

 消耗品はレンタルなんかないだろうから、電池をレンタルして回収とかもできないだろうし。

 うーん、いざというとき重機を借りるくらいがちょうどいいのかもな。

そういう機会があればの話だけども。

 そもそも、借りるには予約を1週間前にしないといけないとか、割と厳しい制約がある。

 じゃあ、借りたいから早速持ってきてってわけにもいかない。

便利なんだか、便利じゃないんだか。

 いや、まあ、計画を立てられる用事なら無駄な出費を抑えられるから、便利なのは間違いないはずだよな。

 しかし、いったいどんなもんが借りられるんだろう?

とりあえず、レンタルリストを開いてみよう。

 いつもの売買の画面にも似てるけど、なんか「モーラ様のおすすめ」って項目で変なものが目に飛び込んでくる。

 えーっと。

 なんだろうなぁ。

 俺に、ご不満なのかな?

もっと暴れまわれってことを言いたいようなラインナップだ。

 しかし、どこの世の中に戦車やら戦闘機を借りたがる馬鹿がいるんだ?

詳細に見る気にもならん。

俺は、戦争をやりたいわけじゃない。

頼むから放っておいてくれないかなぁ。

 まあ、曲がりなりにも能力をくれている神様相手にこういうのもなんだが、その能力も盗品だからな。

本当に馬鹿なんじゃねえの。

 いかんいかん、大変に失礼なことを考えちまった。

馬鹿じゃない、ちょっとわれわれ人間とは考え方が違うだけだから。

崇高なお考えに、俺の考えが及ばないだけだから。

 少なくとも、こんな項目を出してくるくらいだからな。

下手なことを考えるのはよそう。

 それより、ほかにどんなものがあるだろう?

リストを眺めながらめぼしい品目をピックアップしていく。

 予想通り、重機や自動車もリストにはある。

詳細を開くと満タン返しが基本なので別途ガソリンを購入しなくちゃいけないみたいだ。

 どっかに油田でもないだろうか?

いや、そうすると精製プラントが必要かもしれないし。

 ふと、農業機械が目に付いた。

コンバインやトラクター、乗り方が分かるわけじゃないだろうからいきなりレンタルできるわけじゃないが、農民がほとんどを占めている状況なら需要はあるんじゃなかろうか?

いや、作付面積考えるとそんなに需要はないかな。

狭い土地だと機械入れづらいって話は聞いたし。

 うーん……トータルで何台まで借りられるのかな?……

10台か。

少ない気もするけど、うーん。

 そういえば、こっちでの農作業ってちゃんと見てないなぁ。

そういうのも勉強しなくちゃ駄目か?



 めんどくさい。

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よろしくお願いします。

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