開扉
ミスラが自分の名前に隠された秘密を知った頃、セレネ、ルチア、フェルドの3人は、影花が出るという聖なる扉へと向かっていた。
———……
「じゃあこの扉、早速開けてもらってもいいかな」
振り返ったルチアは慣れない子供相手に、できるだけ優しく笑った。
「…………」
ハンプティは頷くことも無く部屋の中央に向かって歩いた。
ルチアたちをが扉から離れたのを確認して、ハンプティはすぅ、とゆっくり息を吸った。
「トビラ様、トビラ様。お聞きください」
その声に答えるように、扉は白い光を降らせた。
「ぼくは天に選ばれこの姿を得た、ルシアーゼの次期国王です。この耳は心音を聞くために、この尾は善人を祝福するために。そしてこの両手は閉ざされた扉を開くために!」
扉に向かってそう言うハンプティの、頭の獣耳と腰で揺れる尻尾の毛が次第に逆だっていく。
「古より交わされた約束の下、今ふたつの星を繋げることをお許しください」
瞬間、時が止まったようだった。
降り落ちる光の雫が、ぴたりと空中に浮かび動きを止めた。
「ぼくの名はハンプティ。聖扉の御使いにして、開錠の覡!聖なるトビラ様、どうかぼくの声を聞き届けてください!」
ハンプティは両手を目一杯広げ、そして叫んだ。
「開けーごまっ!!」
ガチャンッ———
ハンプティの視線の先、扉から鍵が開く音がして、足元は白い煙が立ちこめていった。
こんばんは、蒼依です。
今回から前書きに簡単なあらすじをいれてみました。
いよいよ聖なる扉が開かれます!このあとどうなるかは、また明日に!
では、今回もお読みいただきありがとうございます!次話もよろしくおねがいします!




