回想
———……
「今日から影花討伐に本腰を入れるとして、段取りとか配置とか諸々決めていこうと思う」
豪華な朝食を終え食器がすべて片付けられた後、チアーノ支部の支部員はミスラを含めそのまま部屋に残り作戦会議を開いた。
「朝食の前に国全体を見回りしてみましたけれど、国民に関して聖獣を最近見ないということ以外特に変わったことは無いようでしたわ」
「そうか」
「周りに被害が出ていないってことは、本体叩けば結構すぐ終わりそうだね」
「そうだね。その本体があると思われるのは……」
ルチアが、もらった城内地図を広げ指さす。
「あった。ここ、聖扉の間」
地図によると、聖扉の間は城内の廊下の突き当たりにひっそりとあるようだった。
「昨日女王様が言ってたところか」
「たしかポルタ・サンタとか言いましたわね」
「うん。女王の話によると、影花が扉の開錠を邪魔してこちらからも向こうからも開けられない状態になっているみたい」
そこまで聞いて、リボルバーを磨いていたフェルドが思い出したように言った。
「そういえばさー、この城に来た時あの子供ふたりが言ってたよねー。鍵とか錠とか」
「うん。それがどうかした?」
「いや?別に深い意味は無いんだけどさ。あれってポルタ・サンタを開くためのものってことだよね」
「そうだと思うけど」
「昔からふたりの人間が定期的に天に選ばれて、そのうちどちらかが開扉の役割である鍵。どちらかが閉扉の役割である錠として王族に加わる。で、あの子達が産まれる前は現在の女王がその役目を担っていたわけだ」
ふっ、とリボルバーの埃を息で飛ばしてそう言ったフェルド。だが彼の話の意図が汲めないルチアとエルは揃えて首をかしげた。
「?そうだね……?」
「何が言いたいんですの?」
「つまりさ……」
「ひとり、足りない……?」
思わぬところから出た答え。驚いた一同の視線は一気に答えたミスラへと集まった。
「え?」
「は?」
「………」
「姫ー!ご名答!」
「あ…いや!あの、ずっと違和感みたいなのを感じてて……。フェルドさんの言葉でその正体に気が付きました」
「ちょっと!こちらにもわかるように言ってくれませんの?」
エルの気迫に物怖じしつつ、ミスラは言葉をたどたどしく並べて言った。
「えっと……最初に違和感を感じたのは、ホアさんに用意してもらった食事を食べていた時だったと思います。その時はなんの違和感なのかわからなかったんですけど、多分その時わたし無意識に気づいていたんですね。ホアさんの横にいるべきパートナーがいないことに」
ホアの、ハンプティとダンプティの先代にあたる者のパートナー。つまりは……
「つまり居るはずの王様がいないってこと。だよね?姫」
「はい」
そこまで聞いて、ルチアが納得したように顎に指をあてた。
「なるほど。ただ単に未婚の女王が即位しているだけだと思っていたけど……そうか。今の子供ふたりがそれぞれ聖扉の鍵と錠として役目を負っているなら、女王にもそれを共にしたパートナーがいるはず」
「でも、それが今回の任務となんの関係があるんですの?先に亡くなられたってだけでは?」
「だから言ったじゃん。深い意味は無いってさ。気になったからちょっと言ってみただけ」
「はぁ?」
「今日のミーティング、長い」
『…………………』
こんばんは、蒼依です。
前回の後書きでお茶の話をしましたが、苦いくらいの緑茶が好きと言っても、苦いくらいのコーヒーは作者飲めません。というよりコーヒーがあまり好きではない……(´・~・`)滅多に行きませんがカフェで例えばケーキを頼む時、飲み物は紅茶か甘いカフェオレとかでしょうかね。滅多に行かないので実際はよく分かりませんが。
今回もお読みいただきありがとうございます。次話も是非ともよろしくおねがいします!




