茶会
翌日、聖国ルシアーゼ中心部ルシアーゼ城。
高く昇った陽の光が燦燦と降り注ぐその中庭にて、丸テーブルを囲み優雅な茶会が開かれた。
女王主催のその茶会、参加者は女王ホアを除きふたり。
「あら、珍しい香りの紅茶ですわね」
そのうちのひとり、エルは慣れた様子でティーカップに注がれた紅茶の香りを嗅いでそう言った。
「ふふ、お分かりですか?実はこの土地でしか育たない茶葉を使用しておりますの。この紅茶はルシアーゼでのみ味わうことができますのよ」
「なるほど。どうりで……」
「お口に合いましたか?」
「ええ、とても気に入りましたわ」
「……………」
へぇ。これそんなに珍しいものなのか。
もうひとりの参加者ミスラは、紅茶の水面に映る自分の顔を見ながら興味無さげにカップに口をつける。
味の感想はズバリ、おばあちゃんのいれた紅茶と同じで美味しい。
つまり他との違いがよくわからないということだ。
「ミスラさん?」
「ぅ、えっ!?あ、と、とってもおいしいです!」
「よかった」
「あはははは………」
嬉しそうに微笑むホアの横でミスラはぎこちない笑顔をつくった。隣に座るエルは呆れたように小さくため息をついた。
『…………』
気まず過ぎる……。
だいたいこの面子でどうして茶会なんかを開いているのかというと、それは今朝、朝食をとった後まで遡る。
こんばんは、蒼依です。
作者は紅茶よりも緑茶をよく飲みます。濃い緑茶のほうが好きです。ちょっと苦いくらいのやつ。紅茶もたまに飲みますが、レモンティーはあまり手が出ないので、ストレートティー一択ですかね。
今回もお読みいただきありがとうございます。次話もどうぞよろしくおねがいします




