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白い子ども

■前回のあらすじ■

聖国ルシアーゼでは何十年かに一度、同じ日同じ時間に髪から瞳まで体中真っ白な子供が男女ひとりずつ産まれるのだと話すエル。

その子供は決まって白い獣、聖獣の耳と尻尾を持って生まれ、その神々しさ故に彼らは天に選ばれた者として、城に招待されルシアーゼの王族となるらしいが、その話も、ホアの話を聞いた今になっては真実であると断定することが難しくなった。


本文はミスラがお風呂場を後にするところからはじまります<(_ _)>

 疲れと汗とついでに涙も綺麗さっぱり洗い流したミスラは、一足先に脱衣所を後にしようとしていた。


「わたし先に部屋戻ってるねー」


 返事を聞く前に女湯ののれんをくぐる。

 すると目の前に二つの影が飛び込んできた。


『お姉さんっ!!』

「ぎゃっ……びっくりしたー。あれ、あなたたちさっきの……」


 驚きながらも見下ろすと、両脇から抱きついてきたのはハンプティとダンプティだった。

 彼らはぎゅむとミスラの腰周りに張り付いて顔をすり寄せる。その度に眼前でふわふわと白い獣耳が揺れ動く様に、彼女は思いきり彼らを撫で回したい衝動にかられた。


「っ……っ……」


 だ、だめだよミスラ!このふわふわしたものはわたしたちにとっては珍種でもこの子達にとっては普通なんだから。犬でも狐でもないそうわたしたちと何ら変わらないもの。考えなさいこのまま欲望に任せてもふもふしてごらん!さっきお風呂でお姉ちゃんとエルさんがやってたことと同じことだよ。そうあれと同じ行為だよ!?同じ行為だよ!!いやだよわたしあんなことしないよできないよ破廉恥だよ!!だから堪えてミスラ。そう、まずはこの行き場を見失った手をゆっくり下ろしましょう。そうだ。そしたら深呼吸して。落ち着いて話しかけなさい。


 ひとしきり瞑想した後、ふう、と静かに息を吐いてミスラは努めて冷静を装った。


「えっと……これじゃお姉さん動けないからちょっと離れようか」


 そう言うと、ふたりは一瞬目を合わせて大人しく離れた。


「ありがとう」


 それからミスラは、いつかと同じように膝を折り子どもたちと目線を合わせた。


「それで、どうしたの?」

『……………』


 ハンプティとダンプティはまたお互いに目を合わせて、繋いでいた手を握り直した。


「………?」

『お姉さんに、見てほしいものがあって』

「見てほしいもの?……いいよ。何を見てほしいの?」


 途端にぱぁ、と笑顔を咲かせた彼らは廊下の先を指さして言った。


『見てほしいもの、あっちの部屋にある』

「……わかった。じゃあ……一緒に行こうね」


 そう言ってミスラが両手を差し出すと、白く光る瞳を一層輝かせた。


『一緒に、行く!!お姉さんに扉、見せるっ!』

「え、扉……?わっ、わ……ちょっと、待って……!」


 ハンプティとダンプティは長い廊下をミスラの手を引いて走る。今の彼らの表情には最初に見たあの固い笑みではない、子供らしい無邪気な笑顔があった———


こんばんは。

一度でいいから犬や猫やうさぎの耳を思い切り触ってみたい蒼依です。

一度うさぎカフェなるものに行ったことがあるのですが、この可愛さは異常だと思いました。作者は垂れ耳よりもピンとたったお耳の小さなうさぎを黒と白一匹ずつ飼って、くろごまとしろごまって名付けるのが今の夢です、はい。

今回もTWINSお読みいただき、ありがとうございました。次話もお楽しみに。

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