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蒼の剣士 ~ fantasy ~  作者: 紅の豚丼
21/53

紅蓮と蒼穹

(21)


聖ヴルム宮殿、練武場…


エルフィア・聖十字教国(クルーセイド)両国の騎士団の友好と武術鍛錬を目的とした、手合せが行われていた。両国五十名ずつの近衞騎士と宮殿騎士(テンプルナイト)を出し合い、勝ち残り戦の形式で手合わせは進められていた。

前半戦から勝負は白熱する。若い使い手達が思い切りの良い剣筋を見せ、ベテランは熟練の技で応戦する。

ギュンターが五人を抜けば、オルヴィエートが四人を抜き返す。

聖十字教国(クルーセイド)がやや優勢か、と見れば、ランスロットが一気に四人を抜き、エルフィア方が盛り返す。ランスロットは倒されるものの、ベルンハルトがまたしても二人を抜く。

「よしっ、よくやった、ベル!」

ラーリアが頷く。これでエルフィア近衛騎士団は今戦っているベルンハルト、アルマノック男爵夫人バロネス・アルマノックラーリア、アルトワ公爵グリムワルド、そしてエッシェントゥルフ侯爵リーシェの四名残し。ついに残り人数で逆転した。

それまで顔色一つ変えずに見ていたマリューが、ヴァルス侯爵の方をちらりと振り向く。

ヴァルス侯爵の顔が忽ち蒼白になる。

彼は傍らに控えていた宮殿騎士(テンプルナイト)に声をかける。

「サイモン、上がれ」

「はっ」

宮殿騎士団(テンプルナイツ)に緊張感が走る。

「これはまた、良さそうな騎士だな」

グリムワルドが言う。

「ここまでの何人かとは、ちょっとばかり格が違うぞ」

「彼はソードマスターだからね」

リーシェは頷く。

「知ってるのか」

魔法学院(アカデミー)の同級生だ」

「じゃ、バイアームじゃねえか。怖い怖い」

闘場では二人が剣を合わせる。鋭いサイモンの攻撃を、ベルンハルトは必死に凌ぐ。

床に転がり、円を描くように受け流し、必死で隙を狙う。

無様でもいい。

ベルンハルトの執念は凄まじいものがあった。

絶対に諦めない。

ベルンハルトは間合いを開き、衝撃斬を放つ。一瞬、たじろぐサイモン。

「えやあ!」

ベルンハルトはその一瞬に、捨て身の攻撃をかけた。

「!」

マウの腰が椅子から浮く。

「くそ…」

無念そうな声とともに、ベルンハルトが闘場に倒れる。

彼が最後に繰り出した突きは、足がもつれて滑り、サイモンの脇腹にわずかに届かなかった。

左膝をついて、肩で息をするサイモンの顔には、驚きと微かな恐れの色が張り付いていた。

「やれやれ、だらしねえ…肝心なとこで、スタミナ切れかよ」

グリムワルドが溜息をつく。リーシェが苦笑して、すまない、と言う。

「で、もうこっちは三人しか残ってないぞ。どうする」

ラーリアが言う。

「先に行きたいなら、いいわよグリムワルド。暴れたいでしょ」

「俺だって、程度は考えるさ。行って来る」

グリムワルドはニヤリと笑って立ち上がる。

「中隊長だってな。俺はアルトワ公爵グリムワルドだ。一応、第三中隊長だ」

「お願いいたします」

サイモンは剣を構える。行くぜ…と一声発して、グリムワルドは戦斧を構える。闘場を、とんでもない重さの闘気が満たす。まるで天から重圧がかかったようである。マリューの顔が、一気に強張った。

これで中隊長だと?気だけなら、俺かリーシェ並だ。とてもサイモン(こやつ)ごときで、止められは…

「うわぁっ!」

サイモンが受けた剣ごと、グリムワルドは一撃で彼を場外まで吹き飛ばしていた。

「場外だな。怪我ぁねえか?」

「ま、参りました…」

ついに聖十字教国(クルーセイド)宮殿騎士団テンプルナイツはあと二人まで追い詰められた。マウはヴァルス侯爵を振り返る。彼は、往け…と目で信頼する副官に合図する。

「私が」

ヴァルス侯爵は頷くと、闘場に上がる。

「流石はアルトワ公爵殿。ウィルクスのマウよりも、お出来になりますな」

「歴戦のヴァルス侯爵殿のお褒めにあずかり光栄至極。」

グリムワルドは丁寧に一礼する。

「閣下は副長とおっしゃいましたな。私も副長兼務です。一手、お願いいたす!」

二人は構える。途端に闘場に凄まじい気が満ちる。しかし、マリューは愕然とする。

シャルル、駄目だ!仕掛けてはいけない、その男、とんでもない食わせ者だ!

二人の気は、ほぼ同じ大きさに見える。見た目は、互角。

「どりゃあああ!」

グリムワルドが仕掛ける。とんでもない速さと重さの一撃である。

「なんと!」

ヴァルス侯爵はその初撃を剣で受け流す。剣を折らせず、方向を完璧に合わせた受け技。

「すげえな、リーシェの受けにそっくりだ」

「こちらこそお褒めに預かり、光栄じゃ」

ヴァルス侯爵は踏み込んで打ち込む。

「こちらから参る!」

グリムワルドは下がらない。ヴァルス侯爵の振り下ろす剣に、己の戦斧をぶつける。

「ぬう」

ヴァルス侯爵は1メートル程飛ばされる。

グリムワルドはニヤリとする。

「すげえ力だ。ソードマスターは、ダテじゃねえなあ」

「そこいらのヒヨコ共とは、ちと違うぞ」

ヴァルス侯爵は剣を引くと、鋭い突きを二発放つ。しかしグリムワルドは戦斧を盾の様に使い、態勢の崩れたヴァルス侯爵に小さくて疾い回し蹴りを二発放つ。

「ぐはっ…」

ヴァルス侯爵はその二発目を躱せず、またもダメージを受ける。

「むむ、やりおるわ」

グリムワルドは戦斧を構えて突進する。まるで旋風のような連続攻撃。

五発目を受け流そうとしたヴァルス侯爵の剣が、弾き飛ばされて場外の壁に突き刺さる。

「くっ」

ヴァルス侯爵が素手で衝撃斬を放つ。

しかしグリムワルドは大喝一声、それを弾き飛ばす。

そもそもの闘気のサイズが、全く違う。当初五分に見えたのは、グリムワルドがヴァルス侯爵に合わせて闘っていただけのことであった。エルフィア方の席から、どよめきが起こる。聖十字教国(クルーセイド)方の席は、声もない。まるでお通夜のように静まり返ってしまった。

「シャルル、そこまでだ」

マリューはヴァルス侯爵に声をかける。

「め、面目次第もございませぬ」

マリューは苦笑して言う。

「仕方ない、俺もまさかエルフィアの近衛騎士団が、ここまでの猛者達の集まりだとは思わなかった」

「どうしたマリュー、後がないぞ」

ヨハネス十二世がにやにや笑いながら言う。隣で銀騎士シュテッケンが解説をしており、更にその隣でソルフィーが観戦している。シュテッケンがマリューに言う。

「マリュー。早く上がらぬか。アルトワ公爵殿は、とんでもない豪傑ぞ」

「分かっております、ご老人。黙って見ていてください」

マリューは憮然として闘場に歩を進める。グリムワルドは満足そうに言う。

「リーシェの兄者人なら、掛け値なしに全力出せそうだな」

彼は最前列でニコニコ微笑みながら観戦しているマリエルに言う。

「マリエル」

「はい」

「もう二列、後ろで見てろ。…今度は、危ないぞ」

「はい。お気をつけて、あなた」

マリエルは頷くと、二列後ろに下がる。グリムワルドは頷いた。

リシャールはグリムワルドに声をかける。

「気をつけろ、グリムワルド」

グリムワルドは苦笑して答えた。

「気をつければ、何とかなるのかよ、殿下。ま、全力で行くだけだ」

グリムワルドは悠然と構えを取る。マリューは声をかける。

「いつでも」

闘場を、天を圧する闘気が襲う。

「な、なにこれ…怖い…!」

シャルロットが椅子の上で頭を押さえる。他にも、あまりの剣気の重さに跪く観戦者が出る。

「えやああぁっ!」

グリムワルドは全力を込めて打ち込む。マリューの剣、エストラが、グリムワルドの斧を受け止める。二人の剣と斧が止まる。

「ほう…」

シュテッケンが感嘆の声を漏らす。マリューの剣は深紅に染まっている。

「あれを、正面から受け止めるか」

ソルフィーは表情一つ変えない。

「あの戦斧、かなりの業物じゃな」

ヨハネス十二世が言う。ソルフィーが言う。

「ブラグステアード…それも、恐らく最高級の業物なのです。いかにマリューの『エストラ』でも、ブラグステアードの傑作にあれだけの気が充ちていては、到底砕けますまい」

「ほう、剣聖殿は彼をご存じか」

ソルフィーは闘場を見据えたまま頷く。

二人は再び打ち合った。鈍い金属音が響く。そのまま数合。文字通り火花が散った。

二人の膂力は全くの五分。

マリューが引き際にグリムワルドの足を狙う。グリムワルドはそれを斧の石突で受け、的確に反撃する。マリューは二メートルほど飛び退く。

「!」

その着地際を狙って、グリムワルドが気合の入った一撃を放つ。

衝撃斬(ソニック・ブレイド)。いや、衝撃斬(ソニック・ブレイド)と呼ぶには大きすぎる。巨大な戦斧(バトルアクス)のサイズだ。

「くっ」

マリューは至近から自分の剣で衝撃斬(ソニックブレイド)を繰り出し、何とかグリムワルドの技を相殺する。これだけの攻撃、並の使い手ではない。ソードマスターであっても、通常のレベルのソードマスターでは勝負にもならないだろう。しかも、本当に戦い慣れている。どれだけの修羅場を、潜って来たのか。マリューはグリムワルドの技と力を心の中で賞賛する。

「行くぜ」

グリムワルドは一気に間合いを詰める。先程の連続攻撃がマリューを襲う。

五回目に横薙ぎ。マリューは先程のパターンを覚えていて、先読みの反撃をすることを試みる――

「!」

「やはりな、通じねえか」

グリムワルドは踏み込んできたマリューに浴びせ蹴りを見舞う。マリューはその蹴りを足の裏で受け、数メートル後ろに跳ぶことで衝撃を逃がす。

マリューが着地した地点は、城外のラインの一メートルほど手前であった。

「―――やや、押され気味ですかな」

シュテッケンが顔をしかめる。ソルフィーはその言葉に溜息をつく。

「どこを見ておる。暫く、まともな手合せを見ておらなかったようじゃな。耄碌したか、シュテッケン」

「これはきついお言葉。北方には碌な者がおりませぬからな」

シュテッケンは軽口を叩くが、マリューを心配そうに見ている。

「―――これだけの使い手同士の戦い、なかなか見られませぬからな」

ソルフィーは前を向いたままで言う。

「力は、恐らくグリムワルドの方が上。―――じゃが、それだけで勝負は決まらぬ」

マリューはエストラを構えた右手を後ろに引き、左手を前に出す。その構えに、リーシェが叫ぶ。

「グリムワルド!!」

マリューはリーシェの声に気付いたが、ニヤリと笑うとそのまま技を繰り出す。

キィン…!

高い金属音が響く。

マリューは一瞬で三メートル以上の間合いを詰め、突きを放ったようであった。

実際にそれが見えたのは、その場に居合わせた中では三人。

グリムワルドが防いだ斧の表面に、一筋マリューの剣先が走った傷が刻まれていた。

「―――これを受けるとはお見事」

グリムワルドはマリューの言葉に首を横に振る。

彼の左足は、城外のラインを割っていた。

「押し出されたか―――さすがはリーシェの兄者人。ちょいと、かなわねえな」

マリューは額にうっすら汗をかいている。二人は握手する。グリムワルドは闘場を降りる。リーシェの側に来て、グリムワルドはリーシェに尋ねる。

「おい」

リーシェはグリムワルドの顔を見上げる。

「―――ありゃあ、何だ」

リーシェは答える。

「『閃撃』だ。―――『赤騎士』マリュー・ド・アドリアの必殺技の一つさ」

リーシェは笑って言う。

「あれを正面から喰らって、よく生きていたねグリムワルド。それだけでも十分勲章ものだと思うよ」

グリムワルドはバトルアクスについた細い一筋の傷を見て、呟く。

「―――『技』か」

リーシェは頷く。

「力やスピードは、通用したみたいだけどね」

マリエルがニコニコして言う。

「お疲れ様でした、あなた」

「すまん、今日は負けだ」

グリムワルドは笑ってマリエルの隣に座る。

「ウチはあと二人。ラーリアにも一つ、骨折ってもらおうぜ」

ラーリアは苦笑して言う。

「アタシは、数に数えないでちょうだい。こんなの無理よ」

彼女は闘場に上がる。マリューがにっこり笑う。

「ようこそ、男爵夫人(バロネス)

「猊下、お手柔らかに」

彼女は剣を抜く。剣が純白の鮮やかな光を放つ。

「これはまた―――」

シュテッケンがため息をつく。ソルフィーが微笑む。

「儂の弟子であれば、すぐにでもソードマスターじゃ。さて、マリューめどう捌く?」

「ソードマスターはその通りじゃが、さすがにラーリアには相手が悪いじゃろう」

シュテッケンにそう答えて、ソルフィーはラーリアを見る。

相手を斬る。その強い気持ちが一番大切。

ラーリアはリーシェの言葉を思い出していた。彼女の「両刃のローランダブルエッジド・ローラン」が強い光を放つ。

「てえぃっ!」

ラーリアは二メートル程の間合いから剣を素早く一閃する。白い光の刃がマリューを襲う。マリューの剣が深紅に光り輝き、その刃を弾き飛ばす。

左―――いや右だ。

ラーリアの鋭いフェイントからの攻撃を、マリューは鍔元で受ける。疾い。

ラーリアはしかし、マリューが容易ならざる相手であることを感じていた。

まるで、固い岩にでも斬りつけたような感触。びくともしない。

ラーリアは全力を振り絞る。しかし、その顔が血の気を失う。

「―――面白い」

マリューの全身から剣気が迸る。

凄い。これが、グランドマスター…

マリューの剣が、炎のような剣気を吹き出す。

ラーリアは思わず一歩後ろに下がる。しかし、その足が止まった。

…ダメだ、退がっちゃ!飲まれるな、戦え!

彼女は首を横に振り、前に踏み込む。その足を、マリューの剣が襲う。

「あ!」

ラーリアは左へ跳ぶ。しかし非常に迅速な彼女のその後退よりも、マリューの踏み込みはさらに疾い。

キィン!カキィン!

鋭い金属音が響き、ラーリアはマリューの剣を三度受ける。マリューは間合いを取り、剣に気を込める。周りから渦を巻くように、マリューに気が集まる。

「あやつめ」

ソルフィーの顔色が変わる。

「行くぞ」

マリューは八双に構える。彼の剣が炎のような剣気を噴き上げる。

いけない。まともに喰らえば―――

リーシェが叫ぶ。

「ラーリア!」

それが精いっぱいだった。

ダメだ、まともに受けては!避けろ!そう叫ぶ時間は与えられなかった。

紅蓮の炎のような剣気の塊が、ラーリアに叩きつけられる。

「きゃあああ!」

ラーリアは跳ね飛ばされて転がる。三回床でバウンドし、城外の壁に叩きつけられるラーリア。

「ラーリア!」

ソシエール公爵が城外に落ちたラーリアに駆け寄る。

ラーリアは自分の手の中の剣に目をやる。

剣は中程から折れ、砕かれていた。ラーリアは言葉を失い、その場に跪いたまま立ち上がることができない。

「馬鹿者。マリュー、程度をわきまえぬか」

ヨハネス十二世が厳しい声でマリューを叱責する。その声に、我に返ったラーリアがヨハネス十二世に言う。

「台下、私が未熟だったゆえです。猊下に非はございません―――」

「すまぬ男爵夫人(バロネス)、そなたの愛剣を」

「良いのです、猊下」

ラーリアはマリューにそう答えて、ソルフィーに尋ねる。

「剣聖様、いま猊下がお使いになった技が――」

ソルフィーは頷く。

「そうじゃ。全力ではなかったが、紛れもなくこやつの必殺技、『クリムゾン・ストライク』じゃ」

ラーリアはソシエール公爵の手を借りて立ち上がる。

「すごい…眼福でした、猊下。ありがとうございます」

マリューはラーリアに言う。

「そうだ。おわびに、私から男爵夫人(バロネス)に剣を差し上げよう。ぜひ受けてくれ」

マリューは彼の家令、トゥッサンを呼ぶ。

「トゥッサン、あれを彼女に差し上げよ」

「かしこまりました」

すぐにトゥッサンは二振りの剣を手に現れた。

「ラーリア様は『両刃のローラン』をお使いでいらっしゃいましたな。では、これも手に馴染みましょう」

「え、これって…」

「おお、それはよい」

ソルフィーが得たり、というような顔で言う。

「抜いてみよ、ラーリア」

ラーリアは長い方の剣の柄を手で握る。その瞬間、彼女の顔色が変わる。

「この剣―――」

一瞬、彼女の顔に恍惚の色が浮かんだ。彼女はリーシェの顔を見る。

「―――もしかしてリーシェ、あなたの剣?」

リーシェが頷く。

「『両刃のローランダブルエッジド・ローラン』の百八番。二本で一対の剣さ」

彼女は二振りの剣を抜くと、二、三の型をなぞってみる。リーシェが言う。

「左手用は、今までのものとほとんど同じ長さだと思うよ」

「確かに。ロングソードは、久しぶりだわ」

「まるでリーシェの型を見るようじゃな。」

ラーリアは剣をしげしげと眺めて言う。

「私に…使いこなせるかしら…」

「それはこれからのそなたの修行次第じゃ」

ラーリアは二本の剣を腰に帯びると、ソルフィーの言葉に頷く。

「さて、続きじゃ」

リーシェが静かに立ち上がる。

彼は闘場に上がり、二振りの蒼の剣を構える。

マリューは名高い剣「エストラ」を構える。

「何年ぶりかな」

「北方の大戦以来ですから…六年ぶりでしょうか」

リーシェは静かに言う。

「あの時は、決着がつかなかったからな」

ソルフィーが立ち上がり声をかける。

「皆、後五歩ずつ下がるが良い」

全員が下がったのを確認して、リーシェが剣に気を込める。

「―――参ります、義兄上」

「来い」

二人の気が一気に満ちる。目にも止まらぬ打ち合いが演じられた。マリューの剣には、とんでもない殺気が込められている。完全に本気だ。しかしリーシェの気は、風のない水面のように静かである。マリューの本気の打ち込みを、リーシェはまるで舞うように捌き、受け流しながら攻撃を返していく。ヨハネス十二世が思わず口にする。

「美しい―――美しい剣じゃ」

ヨハネス十二世の後の席にいるフェリアが、上気したような恍惚の表情で、リーシェを目で追っている。周りの人間の姿は、彼女の目には入っていなかった。

マリューが攻撃を止め、間合いを取る。

気合一閃!

「閃撃」

シュテッケンが呟く。しかし必殺の突きは、リーシェの影をすり抜け、素通りする。

「やはり、通じないか」

リーシェは優しい微笑を浮かべる。

直線的な攻撃は、リーシェにとっては躱しやすく、対処が容易である。ソルフィーの必殺技にも突きはあるが、彼女は数を放つことでより躱しにくくしている。

いずれにしろ、単発の攻撃ではリーシェを捉えるのは至難の業である。

とすれば、「幻影斬ファントム・スラッシュ」で躱せない攻撃を仕掛ける必要がある。それでしか、リーシェを倒すことはできない。

マリューは八双に構え、剣に気を込める。ラーリアにぶつけた気の数倍の巨大な剣気がマリューの剣に集まっていく。彼の剣「エストラ」が、鮮やかな明るい紅色に輝く。

「台下、危のうございます」

シュテッケンが言うが、ヨハネス十二世はそのまま席に座り続ける。

「…こりゃ、しゃれになってねえぞ」

グリムワルドが自分の身でマリエルを庇いながら言う。マリエルはニコニコしながら言う。

「大丈夫ですわ、あなた」

「そうはいってもよ、あいつら―――」

マリューの剣が、焔を噴き上げる。目を閉じていたマリューが、かっとその目を見開く。

「くぅらえぇえええ!」

マリューはその剣に貯め込めるだけ貯め込んだ剣気を、すべて解放してリーシェに叩きつけた。

あの「魔戦将軍」フィルカス・ドワイトフォーゼに対して放ったよりも、さらに巨大な気の一撃。

正真正銘、マリューが敵を殺す気で放った「クリムゾン・ストライク」である。

リーシェの大刀が、マリューの一撃を受け止め―――

「なっ、なんだとぉ!?」

マリューは驚愕する。

マリューが叩きつけた剣気を、蒼い大刀で受けてからそのまま円を描くように右後ろへ回し、そのまま左手の長刀からマリューにぶつけ返す。自らの最高出力の一撃をそのまま返され、マリューは五メートルほど後ろに吹き飛ばされる。

「ぐっ、ううっ!」

場外との境目の赤い線の手前で踏みとどまるマリューを、リーシェの気が四方八方から同時に襲う。正面からは、マリューの「閃撃」を鏡に映したような一撃。逃げ場はない。後退すれば受けられるだろうが―――

リーシェはマリューが構えた剣に自分の刀の峰を押し当て、ちょん!と押す。

「おわっ、しまった!」

マリューはもんどりうって後転する。

「義兄上、今日は僕の勝ちのようです」

マリューは場外の床の上に転がされていた。ヨハネス十二世が声をかける。

「見事じゃ、リーシェ殿」

リーシェはヨハネス十二世の前に跪いて、礼をする。

その時、闘場に一人人影が上がる。リーシェは立ち上がり、その人影を見る…

「一手、お手合わせを」

二本の剣を手に、闘場に上がったのは、誰あろうフェリアその人であった。

リーシェは開いた口がふさがらない、といった顔で、フェリアを見る。

フェリアは構えを取り、剣を一閃する。

ソルフィーの腰が椅子から浮き上がる。

リーシェはフェリアの衝撃斬(ソニック・ブレイド)を素手で叩き落とすと、言う。

「…なるほど」

そう言って構えを取る。

「何が…望みだい?フェリア」

「貴方の側で、戦うことを」

「本気でおいで。…見てあげる」

フェリアは左手を一閃する。そして同時に二発の光の矢を放ち、剣で攻撃をかけた。バイアームである彼女ならではの疾く、美しい連続攻撃であった。

しかしリーシェは光の矢を気の盾で受け止め、衝撃斬(ソニック・ブレイド)は相殺し、彼女の剣での攻撃を、舞うようにいなして捌く。側で見ていると、二人が申し合わせでもやっているかの如く、疾く、美しい応酬が一頻り続いた。

「だいぶ…修行を積んだ様だね」

リーシェが言う。フェリアは頷く。

「貴方の剣を初めて見た日から、私は貴方の剣の虜になったのですわ」

フェリアはリーシェに打ち込みをかける。リーシェは一太刀返すが、その剣が空を切る。

「あれは!?」

ソルフィーが立ち上がる。リーシェも驚いた、という顔になる。

見ていたラーリアも、リシャールも、グリムワルドも驚愕の表情を浮かべる。

幻影斬ファントム・スラッシュじゃない!?」

彼女は剣に気を込める。剣は白く強い輝きを放つ。色や気の量こそ違えど、フェリアは兄の必殺剣、「クリムゾン・ストライク」を放とうとしていた。

気合一閃、純白の闘気がリーシェを襲う。その瞬間…

「!?」

闘気の塊は、リーシェの剣に完全に受け止められていた。

リーシェは両手で大刀を持っていた。

「お見事、フェリア。だが…、君の膂力で片手でその技を使うのは無理がある」

受けた剣気に、リーシェは己の剣気を上乗せする。たちまち先程のマリューもかくや、という大量の気が、リーシェの大刀に集まる。

リーシェはゆっくりと解説しながら、気を練っていく。

クリムゾン・ストライクは、気の練り方と集中が全てだ…あまり広い範囲を攻撃しようとすると、威力が落ちる。かといって気を集めすぎると、威力は上がっても、攻撃範囲が狭まり、躱される危険が大きくなる…敵を倒せる密度の気を、敵を逃さない範囲に、叩きつける!

フェリアは目を覆う。…しかし、リーシェの剣は、彼女の眼の前で止まっていた。

リーシェは客席のソルフィーに言う。

「先生、よろしいですか」

リーシェの言葉に、ソルフィーは言う。

「マリュー、フェリアにマスターを許したか」

「は、まだでございます」

ソルフィーは言う。

「では私からフェリアにソードマスターを許そう。自分の妻に、マスターは与え辛かろう」

ソルフィーは隠しから魔法銀のペンダントを取り出すと、古代語(ルーン)を唱える。

リーシェはその間にフェリアに手を与えて立たせる。

「約束してほしい。身重の時は、慎むと」

フェリアは頷くと、

「我が夫、リーシェ・ロワール・フランシス様のお言葉の通りに」

と誓った。フェリアの力はともかく、技は完全にソードマスターであった。いや、というよりむしろ、グランドマスターにはやや足りない、という方が適切であっただろう。居並ぶ両国の廷臣たちはみなフェリアの剣技に仰天した。


「全く、とんでもない奥様だな」

グリムワルドはフェリアに言う。フェリアはくすっ、と笑うと答えた。

「グリムワルド様は、力の上ではお兄様と互角に戦われましたわ。お兄様とこんな戦い方をなさる方を、私生まれて初めて見ました」

ソルフィーは苦笑して言う。

「そなたは素晴らしい豪傑じゃ。ヴィシリエン全土で、そなたの膂力を受け止められる戦士が幾人おろう?」

「剣聖様、どうすれば強くなれる」

グリムワルドは真顔でソルフィーに尋ねる。

ソルフィーはにっこりして言う。

「簡単なことじゃ。ヴィサンに帰ったら、リーシェと沢山申し合わせをせよ。リーシェ(こやつ)の受けは、ヴィシリエン一じゃ。恐らく、受けだけなら私よりも上手いぞ」

タズリウムが頷く。

「なにせ先生の必殺技を無傷で返せるからな。一対一でリーシェを殺すことができる者は、ヴィシリエン全土を見ても、おるまい」

「タズルにそう言ってもらえると、お世辞でも嬉しいよ」

「今後は、魔法での援護もありそうだしな。素晴らしい奥様だ」

「タズル様、今後ともよろしくお願いいたします」

フェリアの言葉に、タズリウムは満足気に頷く。

「最近、リーシェの領地で出来るものが旨くなってきている、というもっぱらの噂だ。いずれ私も寄らせてもらうよ」

「ぜひ連絡をくれ。これというものはないけど、タズルにはできる限りご馳走するよ」

ソルフィーは満足気に言う。

聖十字教国(クルーセイド)、エルフィア、両国にこんなに私の一門の弟子たちがいる。…誠に、喜ばしい限りじゃ」

シュテッケンは頷いて言う。

「今日の手合わせで、リーシェがここまで成長したことが分かった。立派になったの」

「ご老公、ありがとうございます。」

リーシェはシュテッケンに頭を下げる。

「北方で何かあったら、そなたたちの力を借りねばならぬこともあろう。その時は頼む」

「かしこまりました、ご老公」


その日の夕刻…

聖ヴルム宮殿、アウグスト離宮―――


両国騎士団の親睦を深めるための晩餐会が開かれた。宮中とはいえ、堅苦しい宴でなく、和気藹々としたものであった。グリムワルドは真顔でソルフィーとシュテッケンに様々な質問をぶつけ、ソルフィーとシュテッケンはそれに対し禅問答のような答えを返していた。マリエルもグリムワルドも、その言葉一つ一つを一生懸命聴いている。

「いやあ、そなたほどの豪傑が、高い技術を身に付ければ、ヴィシリエン全土で最強の戦士になることも可能じゃろう」

シュテッケンはグリムワルドのグラスにワインを注ぎながら言う。

「しかし、実際にマリュー殿には子ども扱いされ申した」

ソルフィーは首を横に振る。

「そなたを子ども扱いなど、出来ておらぬよ」

「誠でしょうか」

ソルフィーは頷く。

「実際、そなたの戦い方に辟易しておったようじゃしな。『閃撃』は、マリューが得意にしておる技の一つなのじゃ」

「リーシェは苦にせず躱しておりました」

「それは、リーシェが何百回もマリューの技を見て、受けて、身体で覚えてきたからじゃ」

ソルフィーは懐かしそうな目になる。

「私の知る限り、リーシェがマリューに勝ったのは、今日が初めてじゃぞ」

リーシェは頷く。フェリアはそんなリーシェの横顔を嬉しそうに見る。

「私、兄の剣より、リーシェ様の剣の方がずっと好きなのです」

フェリアはリーシェの剣筋が、美しい…という。

「美しくても、弱い剣では戦場で生き残れない。リーシェ様はそうおっしゃいました」

リーシェは頷く。

フェリアはラーリアに言う。

「このロードポリスに、蛮族が攻め込んできたことがあったのです。その時、蛮族の王が、自分の身を依代にして深淵(アビス)を開き、魔物を沢山呼び出そうとしたのです。」

フェリアは悲しげに目を伏せる。

「リーシェ様は、私に『逃げろ』とおっしゃいました。私は、サイモン様に抱えられ、アレクサンドラに護られながら、大聖堂に逃げ込むことしかできなかった―――」

リーシェは愛おしげにフェリアを見つめる。

「リーシェ様のお側で命を懸けて戦ったのは、アンヴィル枢機卿猊下ただお一人でした」

リーシェは頷く。

「猊下がいらっしゃらなかったら、この街は魔物に滅ぼされていた」

フェリアは目を伏せたまま言う。

「私は、リーシェ様のお側で、リーシェ様のお力になりたかった。…でも、それはできなかった。あの場に私がいても、剣も使えず、魔力も尽きていた私は、リーシェ様の足手纏いにしかならなかった…。悲しかった。悔しかった。」

「フェリア様」

ラーリアが彼女に声をかける。

男爵夫人(バロネス)、私はあなたが羨ましい。リーシェ様はあなたを信頼し、あなたと共に戦場を駆け、共に敵を打ち倒してきました。あなたは、リーシェ様のお使いになったローランを持つにふさわしい使い手」

「フェリア様にそう言ってもらえると、自信つくわ」

「なにより、兄に対して退かずに戦った女性(ひと)を、初めて見ました。何という勇気…その勇気だけでも、あなたは賞賛に値します」

「その通りだね」

リーシェはフェリアに頷く。

「『閃撃』を受けて死ななかったグリムワルド。『クリムゾン・ストライク』を受けて死ななかったラーリア。二人とも、本当に凄い」

グリムワルドはリーシェに言う。

「帰ったら、俺に稽古をつけてくれ、リーシェ」

「どういう風の吹き回しだい、グリムワルド」

グリムワルドはリーシェに言う。

「ご老公と剣聖様のおっしゃることを、俺なりに考えた」

「何か、分かったのかい」

グリムワルドは苦笑して首を横に振る。

「分からん。聞いたことは覚えた。しかし、覚えることと理解し、実際に出来ることの間には、大きな開きがある」

マリエルも頷く。リーシェは頷く。

「仮にグリムワルドが義兄上に近い技を覚えたら―――そう思うと、恐ろしいね」

「魔戦将軍とも、戦えるか」

リーシェはそれには答えず、

「多分マウ師兄には、勝てる。東方戦線に僕がいなくても、心配ないはずだ。

「じゃ、フィルカスはお前がやる、ってことか」

リーシェは頷く。

「明らかに、奴が率いる『黒の旅団』の方が強いようだからね。それに、マウ師兄の技を一発受けても、多分グリムワルドなら死なないけれど―――」

フィルカスは違う。リーシェがそういう前に、グリムワルドが言う。

「だったら、なおのことお前の受けを学ばなくちゃならねえ」

「グリムワルド」

グリムワルドは頷く。

「―――お前の傍で戦うのが、一番面白そうだからだ」

「つける薬、ないな」

リシャールが苦笑する。

「あきらめろ。こういう性分だ」

グリムワルドはマリエルに言う。

「さ、エルフィアに帰ったら頑張って子作りだ」

「まあ」

マリエルは嬉しそうにしながら、頬を赤らめる。

「戦争に行くために、だったらダメだよ」

リーシェが笑って言う。グリムワルドが頭を掻く。

「おまえのやなとこは、俺の考えを全部先読みするとこだ、リーシェ」

一同が笑う。


翌日は戦勝記念のミサ。両国の一行は大寺院で半日に及ぶ大礼拝に参列し、聖十字教国(クルーセイド)の戦勝を祝った。その後、ヨハネス十二世の計らいで魔法学院(アカデミー)への留学を許されたベルンハルトは、マリューの内弟子となり、アドリア侯爵邸に下宿しながら、宮殿騎士団(テンプルナイツ)の道場と魔法学院(アカデミー)を行き来する夢の生活に入ることになった。他にも、歴代教皇の墓所への墓参や、実務者レベルの協議など、様々な公式行事をすべて終え、一行がフェリアとその側仕えの使用人たちと共にロードポリスを後にしたのは、美しい五月の良く晴れた朝のことであった。

来た時同様の熱烈な見送りを受け、リーシェとフェリアは並んで馬車の窓から手を振る。沿道の群衆からは二人への祝福の声が浴びせられる。改めて、赤騎士と蒼の剣士が義兄弟となったことの重みを受け止めた両国の首脳は、民の熱狂に、両国の友好の重要性を強く感じるのであった。


五月十七日

アルトワ大公爵領、首都パラディオン…


エルフィア王国の使節団一行は、大きな問題もなく、ようやくパラディオンまで戻ってきた。グリムワルドとマリエルは一行をパラディオンの城でもてなした。

「奥様、長旅お疲れでしたでしょう。ゆっくりなさってくださいませ」

マリエルはいつものニコニコ顔でフェリアに言う。フェリアはマリエルにこたえる。

「公妃様、私のことはフェリアとお呼び下さい」

「まあ、それではフェリア、私のこともマリエルとお呼び下さいね」

二人はそう言って抱擁し合う。シャルロットはフェリアとマリエル、そしてラーリアの四人で、風通しの良い居間に席を取る。

「こうしてみんな無事にエルフィアに戻って来られたことに、感謝しないといけませんね」

「台下とマリュー猊下のおかげです。…もちろん、殿下やソシエール公爵(うちのひと)、グリムワルド、リーシェ、みんなのおかげだけれど」

「もちろんフェリアも」

マリエルはそう言った。

「フェリアがエルフィアに来てくれて、本当によかったわ」

「どうしてですの、マリエル様」

マリエルはにっこりして言う。

「リーシェ様が嬉しそうだと、みんなが明るくなりますもの」

フェリアはマリエルの言葉に、わずかにはにかむ。ラーリアは悪戯っぽく言う。

「リーシェはね、最初フェリアをエルフィアに呼びたがらなかったのよ。ここは敵が多くて危険だから、って」

「まあ」

「でも、そんなこと言ってたくせに、宗家に逆らう諸侯たちを、あっという間にみんなやっつけちゃったのよ」

「きっと、早くお嫁さんを迎えに行きたかったのね」

シャルロットはそう言ってフェリアの頬をちょん!とつつく。

「姫様…もう」

フェリアは抗議するが、マリエルはしみじみと言う。

「ひとたび戦になれば、夫たちは必ず最前線に出ますわ」

「そうね。マリエル、がんばって早く赤ちゃん産まないと」

「それは皆様同じ筈ですわ」

マリエルもかすかに頬を赤らめながら言う。


その頃、男たちは―――

―――パラディオン城の浴場で、大理石の浴槽を満たした温泉につかり、くつろいでいた。

「グリムワルド、本当に感謝してるよ」

「殿下のお褒めを頂き、光栄だ」

グリムワルドは肩まで湯につかりながら答える。

「しかし、アルトワ大公閣下は素晴らしいものをお作りになったのだな」

「どこでも出るもんじゃないらしいからな。一応、これは大公爵家専用の源泉から引いてるらしいが、街中にも公衆浴場はあるから、一般の連中も入れるんだ」

ソシエール公爵の言葉に、グリムワルドは満足そうに答える。リーシェは目を閉じて、いかにも気持ちよさそうにしている。

「リーシェ、寒くなったら、奥さん連れて遊びに来いよ」

「ありがとうグリムワルド、ぜひそうさせてもらうよ」

リーシェはそう言うと、再び気持ちよさそうに目を閉じた。

ソシエール公爵は窓からの美しい春景色を眺めながら言う。

「これは極楽だ…。出るのが嫌になるな」

「じゃ、そこにいていいぜ、アーク。俺たちはご馳走を食べることにしよう」

「ちょ、ちょっと待ってくれグリムワルド!」

「あわてて出ると、滑ってコケるぜ」

「わわっ」

ソシエール公爵が転びそうになるのを、グリムワルドとリシャールが両脇から支える。

「す、すまん」

リーシェは穏やかな笑みを浮かべて、湯船から出ると、三人の後ろに続いて浴室を出て行った。

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