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第一話

むかしむかし


砂漠の多い国がありました


その国では奴隷が当たり前のようにいて


今日も宮殿の建築にあてがわれていました。


毎日毎日奴隷たちは働かされて


休むとムチで打たれていました。。



また自殺したり、逃亡したものがでると


神様に裁かれ、地獄に落ちて


今よりも苦しい生活がまっていると


脅されていました。


奴隷たちはそれが怖くて


逃げ出すことも、死ぬこともできず


ただひたすらに働いていました。



そんな国に疑問を持っていた王子がいました。


なんで身分制度があるのだろう?


すごく違和感があったようです。



奴隷の人も僕も同じ人なんじゃないのかな??


すごく気になっていました。



小さいころ、

それを大臣に聴いたらひどく叱られたこともあります。


「あれは人のカタチをしているが

 奴隷といって全く違う生き物なのだ」


王子はそれを聴いて大泣きしたことを思い出しました。



大きくなってから、彼は

やっぱり、おかしい!といって


行動をはじめました。


奴隷の人たちに話かけたり

身分がどうしてあるのか?を


その時の哲学者、先生、宗教家

王様、大臣、兵士長

いろいろな人に聴いて回りました。


でも、王子の疑問は解決しませんでした。


それどころか、そんな活動はやめなさい

神の罰があるよ。

何を馬鹿な事を言っているんだ!


と言われる始末。


奴隷の人たちからも


話しかけないでください。

私達がムチで打たれてしまいます。


先日、話しかけられたおかげで

私の背中はこんなになってしまいました。。


だれも耳を傾けてくれないどころか

たくさんたくさん責められました。。


相変わらずっ奴隷の人は苦しそうで

日に日に王子の苦しさも増していきます。


いつしか王子も


あぁ、私のやっていることに

意味は無いのだろうか・・・


奴隷の人たちにも結局迷惑をかけている。。


あぁ、、、


と、人生に絶望を感じはじめています。


それでも、なにくそ。


と自分の中にある

奴隷制度に対する違和感。


それを信じて


できることを、しようと。


自分を奮い立たせます。


いつしか、一人、二人と

協力者が現れました。


王子が、あぁ、少しずつ

進んでいる。。


そう安堵しました。


でも、それは長くは続かなかったのです。



ある日、兵士長が部屋に飛び込んできて


王子は捕まってしまいました。



今まで手伝ってくれていた仲間の一人が

裏切ったのです。。


どうして・・・


王子は、

神の理に背いたということで

処刑台にあげられてしまったのです。


そして処刑される前に


仲間だったものたちを目の前で

一人ひとり処刑されていったのです。


「やめてください!」


王子の悲痛な叫びも虚しく

たくさんの仲間が殺されていきました。


そして最後に王子の番になりました。


王子はもはや何かを言う気力も失っていました。


======================


気が付くと、王子は真っ白な部屋にいました。


??


あれ、私は処刑されたのでは??


ここはいったい?


すると上か下か、右か左かもわからない

どこからともなく声がしてきました。


「ここは魂の部屋だよ」


魂の部屋?


「そう、君は王子としての生を終えたのだ」


終えた?死んだ??


「そう、君の言葉で言うと死んだということだ」


それで、魂の部屋というところにきたんですか?


「そうだ」


これからどうなるんですか?


「お前がなりたいようになるのだ」


なりたいように?


「そうじゃ、また別の生をいきることも

 しばらくここにいることもできる

 おまえがどうなりたいかだ」


うーん、王子はしばらく考えて答えました。


元の場所に戻って奴隷の人たちも幸せに

なるように力を尽くしたいです。


「そうか、それが本当に望んでいることか?」


本当に・・・

そう言われて王子は困りました・・・


本当に・・・


しばらくの沈黙後、違う思いもあることに

気が付きました。


聴いてほしいです!わかって欲しいです。


僕の辛さを、絶望を


だれも聴いてくれなかった、わかってくれなかった。


「そうか・・・では、聞こう」


(つづく・・・)

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