感謝心と嫉妬心
私たちは透君と達也君にお礼お告切符売り場の前に立った―
軽くバックの中を覗き込…切符の買い方をメモしたメモ帳を見ていた。
そんな私の横でミルは話し掛けて来る――
「それにしても…電車を乗るのに切符を買わないといけないのね?自動改札機に切符を入れて駅の構内に入る。
…渋谷が通る電車が止まるホームというところに行かないといけないわね?」
二川駅から渋谷駅まではそうそう遠くないと聞いている――
私とミルは切符売り場の上に路線図が描かれており…その中から渋谷を探していた。
…中々細かく書かれている路線図に私は苦労していたが
―― 渋谷あった! ――
そうミルが私の腕を掴んで嬉しそうにしている。
私は渋谷までの金額を確認して自動切符売り機で切符を二枚買った――
ミルに切符を渡しながら自動改札に行かないとね?と声をかけ周りの人を参考に自動改札機に入れてみた。
―― ッガチャン ――
―― ッヒィィ! ――
自動改札機に切符をいれると、自動で吸い込まれ向こう側に切符が出てきた――
二人で同時に驚いていたが不審がられないように切符を取りミルの腕を掴んで渋谷を通る電車が来るホームを探した。
初めての経験だが…これに慣れていかなければならないだろう。
改札の向こう側を振り返るとあの二人はロータリーに腰を掛けてこちらの様子を見ているようだった――
軽く頭を下げた。ミルは達也くん達に手を振っていた――
ふと頭をあげると達也くんは笑顔で手を振っている。
案内をしてくれた二人に感謝しよう…二人共有難うね。
…そして人間観察として仲良くさせてもらうわ?そう心の中で呟いた。
渋谷方面と書かれているパネルを発見しエスカレーターという自動で動く乗り物に見よう見真似で乗りホームに上がった。
電車の時刻を知らせる掲示板にはあと8分で到着すると表示されている――
「…あと8分か」
そうミルに呟いた――
暫くホームで電車が来るのを待っていた。
すると後ろの方から声を掛けられた――
「…ねぇ。あんた達?」
聞き覚えのある声に私達は振り返った――
…あぁ、朝クラスまで文句を言いに来た女の子じゃない。
ミルは私の腕に捕まり背中に少し隠れた。
その女の子は私に声を掛けると朝のように詰め寄ってきた――
「駅まで送ってもらうなんて…転校生だからかしら?
随分仲良くなって贅沢じゃない。朝も云ったわよね?言い寄るなって…判ってないのかしら?」
その女の子はニコニコしながら眺め見ている。
ミルが後ろに隠れるのが気になり私は女の子に向かい笑みを浮かべた。
「転校生とかは関係ないんじゃないかしら?
…それに申し訳ないけど、私達から言い寄っているわけないのよ?貴女は言い寄らないと相手にしてもらえないのかしら?
今ならまだロータリーに居ると思うから、私達じゃなくって二人に声を掛けるべきなんじゃないの?それに私達は学校終わったら直ぐにバイトなのよ。
貴女の方がよっぽど相手にしてくれると思うわ?少しは勇気をだしてみて?電車がきたからもう行くわ?さようなら」
相手の笑顔に合わせて笑顔で答えてあげたけど、後半の方は彼女の顔は引きつっていた――
そして苦虫を噛み潰したような顔をしている。
私はミルの腕をつかんで電車に乗った。
…そして電車は二川駅から発車し彼女の姿は見えなくなった。
人も疎らで空いていたから一緒に椅子に腰を掛けた。
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達也と透は私達を見て笑っていた――
「あ…達也?あそこホーム見てみろよ。また文句言われてるっぽいぞなんだか申し訳なくなるな」
達也と透が見たのは隣のクラスのウザイ女達がまた朝の様に二人に文句を言っている姿だった――
遠くから眺めているからなにを話しているのか判らないが…うざい女が苦虫を噛んだような顔をしたことを見ると二人で笑ってしまった。
そして俺はウザイ女と目が合った――
―― …ばーか ――
所詮口パクだから相手には判らないだろう。
判らないだろうが…あの二人に文句を云うのは俺の感に障る。
これ以上文句を云うんなら俺がお前に直接文句言いに行くぞ…?
菅野愛子…正体は関係ないが興味を惹かれる。
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電車に揺られながら景色を眺めていた。
この乗り物には何人まで乗れるのだろうか…人間はテレポートも空を飛ぶことも出来ないから移動手段は色々あるのか…
「ねぇ?なんで愛子はあの女の子に文句を言われるの?」
ミルは判らないのだろうか…あの子は単純に二人を好きなのよ。
だけど表立って云えないから関係のある子に文句を言いたいだけ――
「美紀はさ…?ダグエル様がもし他の天使様と仲良く話していたらとか…他の天使様を有線にしていたらどう思う?」
ん~…簡単なことなんだけどね?
そう云うとミルは怒った口調で返事をした――
「…私はその子に文句を云うかもしれないわ?私もこーんだけ好きだって云うわ。
でもダグ様がその人を好いているなら言わないで見守るわ…そんな文句なんて云えないもの――」
勢いのある返事だったが…徐々に力なくか弱い声で話終わってしまった。
ミルの耳元で囁いた――
「そう。嫉妬心よ!天空では嫉妬心を抱いていても表に出さないのよ…
でも、人間界というか人間の感情は醜い心も嫉妬心も全面に出るからさ…あ~やって文句をいう子も居るのよ。
でもあの子も純粋に二人の事が好きなんだと思うよ?だから…あんまり攻めたりもしたくないんだけどね…」
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そんな話をしていると乗っている電車が渋谷と聞こえた。
それにしてもこの乗り物は実に面白い。
これも偵察日記に掛けるから良いわ…
―― そう思いながら渋谷のホームに降り立った ――




