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天空学園専門部 最終学科

「…わかりました。…行って参ります」


溜め息まじりに返事をして事務局のドアを閉めた。


―― パタンッ


私が今居る場所は…見習い天使が通う天使学校の総合事務局がある建物。

天使になるには小等部・中等部・高等部・専門部がある―


私と親友のミルは天使専門部の最終科目である偵察が決定したと連絡を受け、事務局に書類を取りにきた。

天使とはいえ天界の中には普通に仕事もいれば、どうしても戦わなければならない魔界との戦闘を控え修行をする者。

薬草学で病気を癒す者もいる。

天界は人間界と差ほど変わりはないが、人間界程の急かされる生活もないし悪く想い思われ…それが争い事になる事もないから天空の中での戦争は起きない。


平和といえば平和であるが…

いつ魔界と戦争になるかわからない日々でもある。

常に偵察に出ている天使達が行方不明になっているのも事実である。

将来どんな選択をしてもこの専門部の最終科目まで終了させなければ晴れて天使に昇格できない。


これから人間界に降りるが…

封筒の中を見るまでは人間界での地位や場所は知らされていない。

行くことだけしか知らされていない分、不安でもある。

それに出発日はこの通知を渡された次の日


「…最終科目かぁ」


ミルは渡された封筒を空けずにお日様に照らし薄く見える文字を必死に読み取ろうとしている。

私はミルと一緒に薄い文字を読み取ろうとしたが、そんな事も長く続けるくらいなら勇気を出して開ければ良いじゃない。


「ミル?開ければ良いのよ?早く見て心の準備をしておかないといけないわ?」


言いながら封を開けようとペーパーナイフを筆箱から取り出し開けようとしたがミルに封筒で頭を叩かれた。


―― パタンッパタンッ ――


「アムエル?せっかく見るなら落ち着いてからにしようって。いつもの所にいくわよ?」


せっかく出したペーパーナイフを筆箱に入れ直し ミルと腕を組み一緒に事務局の建物の階段を降りた。

事務局から少し歩くと薔薇を沢山咲かせている薔薇園がある。

円形の薔薇園は中央に池があり幼い頃からこの池の辺で他愛もない会話をするのが癖になっていた。


「…よいしょ」

私たちは池の辺に腰を掛け二人で封筒を眺めた。

ミルに落ち着くように声を掛けた。

「まぁまぁ…開けて見てから色々話しましょ?」

早速、ペーパーナイフで開け封筒から事務局からの手紙を取り出した。

ミルは私の肩に頭を傾けて寄り添うように用紙を眺めている。

「ん…、軽く読むからミル聞いてて?」


〃専門部最終科目、人間界において人間の姿になり人間の本質を学んできなさい〃


「アムエルとミル、ペアで人間界の東京という首都に降ります。

人間界在住中の間は人間名を名乗り、人間界の高校3年生になりきりクラスの中に溶け込みなさい。

高校の卒業が最終科目を終了したとみなします。

学校が終わり次第、天使の力を持続させるために天使が経営するお店がありますからそちらで働いていただきます。

首都東京には渋谷という街があります。

アクセサリーを作るお店ですが天使の守護力を込めて作る作業は二人に向いていると考え選択させておきました。

相手方の天使には伝えてありますので、二人で協力してお店まで通ってください。

そこには同じ首都で最終科目を行う者達も集まりますから休憩の場所と考えてもいいでしょう。

しかし、人間界であり人間の目がありますから十分に気をつけるように…

後の説明はお店の店主に従うこと。


居住する場所はこの用紙に書いています。

出発する際は事務局から転送しますので準備が出来次第二人揃って来なさい。


通達事項。

人間名:アムエルは菅野愛子かんのあいこ。ミルは伊藤美紀いとうみき

関係性:従姉妹

家庭の事情で二人共に転校して来たという様に聖術を掛けます。

聞かれたら答えれるようにしておきなさい。


通う高等学校名:二川高等学校、三年A組。

周りに聖術をかけますから、あくまでも人間の姿で人間の様に話をしなさい。


居住地:その部屋は代々偵察学で使っている部屋です。

ですから天使学の本並びに人間界の資料があります。参考にするように。


仕事場:渋谷・ムーンビームス。

人間界の移動手段で電車という乗り物がありますから、二人で考えて乗りなさい。

切符の買い方、乗り方は別紙を参考するように。


注意事項:自宅、ムーンビームス以外での天使の姿になる事そして天使力を使ってはならない。

人間に正体が明らかになった時点で学科を不可とみなされ、留年または処分対象」


所々飛ばしながら読み上げミルと顔を見合わせ…溜め息を吐いた。


「はぁ…高校生だって?人間界の高校生の制服ってスカート短いらしいじゃない?

なんだか違和感を感じるわ…。

私たちの正装は裾長いもの…しかも、電車って何かしら?」


ポツリポツリと嘆くと…私以上にミルは動揺して呟いている。

一気に読み上げた分、力がどっと抜けた。

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