表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

臨界のダンサー

作者: みつ

日常と、少し奇妙な現実の交差です。

薫は今日も、いつも通り自宅から出社するところだった。


玄関を開けると、やはり田中は、踊っていた。



田中(男)28才は、薫の向かいの住人だ。やはり今日も薫に声を掛けてきた。


「一緒に踊りませんか?」

薫は無視して、会社に行く。いつも通りのことだ。会社に着いたら、薫の後輩が今日の仕事の段取りを聞いてきた。特に今日は忙しくはない。いつも通りの指示をして、薫も机のパソコンに向かう。


18時。帰宅時間になった。自宅に戻り、晩飯を薫は食べた。最近、パスタばかりだからカレーを作って食べてみる。味は悪くなかった。


次の日の朝も薫は会社に行くために玄関を開けた。


「一緒に踊りませんか?」





田中が、また声を掛けてくる。もう、こんな朝が、どのくらい続いたのだろうか。久しぶりに田中に薫から返事をした。


「そんなダサいダンスはお断りですよ」


薫は、そう言って会社に向かう。


その日も18時に会社を出て、自宅に着いたら昨日、作ったカレーを食べる。


何故か昨日より、美味しかったが薫は、その理由が分からなかった。


次の日の朝も、薫は、会社に行くために玄関のドアを開ける。


「一緒に踊りませんか?」

田中が声を描けてくる。

薫は、田中を見つめた。

「俺はダンスが下手なんだよ」


そう薫は、言った。


田中は言った。


「インド人もビックリ!」









薫と田中は笑った。薫は、久しぶりに大声で笑った。


薫は、田中に言った。


「美味しいカレーが家にあるから、今から俺の家で一緒に食べないか?」



fin.

筆者の自宅の近所が少しだけベースになっております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 斬新です。 [一言]  面白かったです。日常の中のちょっとしたサブリミナル効果?が成功したのですね。 日常と非日常、シュールな世界をうまく表現されていると思いました。 有り難…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ