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カノンとべろんべろん

 さて、勢いよくファーチに乗り込み、里を飛び立ったわたくしですけども。

 勢いよすぎて(ファーチが)アッとゆー間に背から落とされて、只今空中を単独ロマン飛行中でございます。

 きっとい~まは~じゆう~に~空も~飛べ~るはずぅ~♪

 あっなんか、それ違うなぁ。空も飛べるわけないしね☆ははっ


 ………子々孫々呪ってやるからなー!変態ドラゴンめぇぇぇぇぇぇ…


 ざっばーーーーーーん!!


 痛っ!!痛っっっ!!苦し…息…息できな…っ!!


 どうやら、運良く水の中に落ちたようです。結構な高さから落ちれば痛いものなんですね水って。はは。リスペクト飛び込み選手。

 痛さにもがき苦しむ事に気をとられて水おもいっきり飲み込んじゃったし!くーるーしーいーーー!誰か助けてーーー!!


 いたいけな乙女の祈りを神が聞き届けて下さったのでしょうか。力強い腕が私の腕を掴み、水上へと引っ張りあげてくれるではありませんか。

 陸へと上がり、咳き込むあたしの背を毛むくじゃらの手が優しく撫でてくれた。

 ん?いくらなんでも毛まみれすぎないか?


 涙目で恩人の顔を見上げてみると…

 頬を紅潮させてる目がキリッとしたワイルド系イケメソ。の、頭に犬耳。上半身裸のはずの彼の身体はもさもさの毛で覆われていて、身体の線が分かる着ぐるみを着ているよう………え…っと、萌え…って言ってあげた方がいいかなぁ?


「あ…あの…ありが…萌え…」


 あたしのお礼の言葉に、ごくり、と生唾を飲む音で返す犬耳イケメソ…何やらあたしを見る目が発情期の獣の目をしている気がする…

 彼の視線の先を辿ると、制服のブラウスが水に濡れてスケスケになった乳バンド…

 ああ、分かります。なんか全裸よりこういう水に濡れてちょっと見えてるってのが、より妄想を掻き立てられていいですよね。何より濡れてるってのがエロスですよね。


「じゃ、あたし急いでるんでさよなら。」


 ガシッ!っとあたしの腕を掴んで離さない犬耳イケメソ。


 「………あ、あの…離してくだされ…」


 忍び寄る身の危険に、おかしな口調になってしまったあたしを力強く引き寄せて、あたしの顔をべろんべろんしだす犬耳イケメソ。え?何その変な性癖。そんなにあたしの顔がおいしいか?つーか、臭っ!鼻周りはやめてくれ!唾臭い!


 もさもさの尻尾を振りながら徐々にべろんべろんは下の方に…

 アッー!そこはらめぇぇぇぇ!!首…首は…っ!!


「ぅひぃぃぃぃ!くすぐ………ったいんだよこの犬野郎ーーー!!」


 あまりのくすぐったさに思わず拳を犬耳イケメソの鳩尾に喰らわせてしまった。

 まぁ、乙女のか弱いパンチなんてガチムチな殿方には猫パンチ並みですよね…って思ったら、ぇぇぇええええええ!?


 吹き飛んどるーーー!?


 犬耳イケメソは木にぶつかり、その木をぶち破り、また木にぶつかり、またその木を………を繰り返し、10本目くらいで止まった…


 拝啓、妖精の国の王子様。あなたの愛しい姫はどうやら怪力を手に入れたようです………哀愁

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