カノンと怪獣戦争
あれから三日が経ちました。
うざイケメソドラゴンに懐かれてしまったおかげで、只今ドラゴンの里に居候中です。
「ファーチ、飯、風呂、寝る。」
「もう!あなた、どれか一つにして下さいよ!」
イケメソドラゴン、もといファーチが叫ぶ。おお、ウザいわりにはノリがいいな。
こんな感じでファーチの家に転がり込んだあたしは、悠々自適にごろごろしております。
しかし、長いしリアルな夢だなー。お腹は減るし、眠くなるし、尿意はもよおすし………あれ?もしかして、これって夢でない?でぃす、いず、りある???
「のぉぉぉぉぉ!!あんのハゲデブおやぢぃぃぃぃぃ!!」
どう考えても、あのおっさんの七色に光る尻のせいだ!
「つーか、マジここどこ!?」
「え!?今さら!?」
唐突に叫ぶあたしに、戸惑うファーチ。八つ当たりで部屋の中をぐちゃぐちゃにするあたしに、泣き叫びながらあたしの足にしがみ付くファーチ。
どう見ても酒乱の夫に泣かされている妻を心配して、ご近所さま達が止めに来る。
最初人型だったおばさま達は、止まらないあたしに業を煮やしドラゴン化。ファーチの家は壊されるわ、とばっちりを受けたお隣の家の頑固親父が出てきて、おばさま達と怪獣戦争始めるわ、なんてゆーか…
たンのすぃ~!!
いいぞ、いいぞ、もっとやれ~!!ひゅ~!!
物陰に隠れながら見ていると、なんと一際デカいドラゴンがご降臨。
大ドラゴンVS雑魚ドラゴン数匹!!
はい、大ドラゴンに踏み潰されてアッとゆー間に終わりました。根性無いなー雑魚ドラゴン。
人型になった大ドラゴンは、よぼよぼのおじーちゃんになって、おばさまアンド頑固親父を正座させて説教タイムに入っている。あはは、いい大人が叱られる様って面白いよねー。
ん?しょんぼり顔のおばさまが、巻き込まれてボロボロになったファーチを指差してる。なんだ?嫌な悪寒がするぞー。
そして、ぷるぷる震えながら半泣きのファーチは、あたしの方を指差した。
なになに!?なんか、おじーちゃんの目つきちょー怖いんですけどー!?
よぼよぼと近づいてきたおじーちゃんが、あたしを下から上まで舐めるように見て、そしてしわくちゃのお口を開いた。
「めんこいおなごぢゃのぉ。わしと子作りせんか?」
なんだ、この変態一族。