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神様の目印  作者: ヒロ
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 とりあえず簡単な自己紹介は終わり。雇用主の情報開示終了―。庶民には公爵家は雲の上すぎて実感湧かないからか、情報開示してからも、みんなの態度は変わらないようで良かった。わたし自身も自分が公爵家のお嬢様だったなんて1mmも実感湧かない。


 前世では庶民だったし、今世も一人で好き勝手にしてきたしね。


 教育って本当大事。野放しって基本のマナーもないものね。前世の記憶があって、家令がいて、本が読めて本当に良かった。


 野放しで知性なく野生の猿のようになっていたら危ないところだった。


「そうだ、部屋を用意しないと、二階に後3部屋あるけど、どう分ける?」


「あの、もし良かったら、女子部屋、男子部屋、働きに出ている二人の部屋もあれば嬉しいです。あの子たちも時々帰ってくるので。」


「いいよ。一部屋が割と広いから、大丈夫。さぁ一緒に二階へ行こう!」


 わたしが先頭でエットたちが後ろから着いてくる。二階に上がる前に、トイレとお風呂を案内する。トイレが2個あること、お風呂があることでテンションがあがる。どっちも魔石があるから、使いやすいよー。


 2階の女子部屋から行こうか。まずは女子の好きそうな絨毯をインベントリから出して敷く。ベッドは3人なので、離れで侍女たちが使っていた少し小さめのものを3個並べる。

 それだけで喜びの声が上がる。宿屋では親子は屋根裏部屋を使っており、両親の部屋と子ども部屋の二つしかなく、子ども部屋は薄いマットレスを敷いてみんなでごろ寝していたそうだ。ベッドなんて凄い!とうっとりだ。


 一番下のシューが


「わたしお姫さまになったんじゃない?」


 と部屋の中でくるくる回っている。


「シュー、目が回るわよ。荷物はこの辺に置いて下さい。」


 エットが家令から自分たちの荷物を引き取る。

 小さめのソファーとローテーブルを置いてとりあえず出来上がり。クローゼットは最初から部屋についているし、冷暖房も魔石で調整できる。大丈夫だと思う。


 男子部屋に行く前に、リネン室にしている部屋に案内する。ここにシーツやタオルとか置いているから、好きに使ってと言っておく。


 男子部屋は働きに出ている長男トゥヴォと次男トゥレーの二人部屋とフェムとセクス二人部屋を同じようにベッドを配置する。後は勉強机と椅子にしてみた。家具はまだまだインベントリに入っているから、他に欲しいものが出てきたら教えて欲しい。


「こんな広い部屋に二人でいいのか?」


「部屋余っているし、いいよ。」


「ベッドに広い部屋に凄い絨毯。なんかシューじゃないけど、俺もお貴族様になったみたいだ。」


「でも、しっかり働いてもらうよー。」


「給与もらえるんだろう。頑張るよ」


 家令に聞いたら、この家の周囲500m×500mがうちの土地らしい。両お隣さんは遠くに見える。1キロぐらい離れているんじゃない?


 うちの土地は500m四方って結構広いよね。素人が野菜植えるには十分な広さだと思う。

 家の左側が南向きで、そっち側が畑として先住民さんが使っていたそうだ。


 もう10年ぐらい空き家だったこともあって、畑のあった場所は草ぼうぼうなんだけど。まずは草取りをしないとね。家の近くの木には、りんごっぽい小さな赤い実がなっている。鑑定して『食可甘い』とあったから、また食べてみよう。


 その南側には井戸もある。家の中は魔石で水が出るけど、畑の水撒きは外の井戸らしい。

 そこを、みんなに耕してもらおうかなと思ったりしている。薬草も育ててみたいんだよね。


 人手が増えたから、後はドレスの加工かな。

 離れから持ってきたドレスは大人の婦人用で300~400着はあったと思う。子ども用のドレスも100着ぐらいあった。さすが公爵家だ。どれも一度手を通したら着なかったんだろうか。


 それを庶民が着ることができるようにリメイクするか、レースや宝石を取り外して部品で売るか、何代も前のものだから流行からずれているから、このままじゃなかなか売れないと思う。


 ご先祖様のドレスには宝石がしっかりついていたから、そっちの価値でお高く売れたのだと思う。

 ドレスが好きなフューラは裁縫の腕はどうなんだろ。急ぐ案件でもないので家令に相談だね。


 こんなに大所帯になって稼ぐなら、壊れたものや欠けたものを直して売るっていうのも始めようか。家令がいれば上手くさばけるだろう。


 それに、わたしはポーション作りを諦めていないしね。ポーションはどうしても作ってみたい。ある種夢だよね。それ以外は、みんなで役割分担しよう。



 エットはご飯を作って洗濯も掃除もしてくれるらしい。家でも食堂の手伝いをしていたから大丈夫だそうだ。フューラも洗濯や掃除もしてくれるけど、やはりドレス関連の仕事に興味があるみたいだ。家令と相談してどの形で売るのか市場調査するみたいだ。


 フェムはわたしと一緒に薬草採取に行くという。ギルドには登録しているらしい。たくさん薬草を取ってきて、半分は畑を作って植えてみると言ってくれている。


 セクスとシューはまだ小さい。当分はみんなのお手伝いだな。セクスは畑を耕すお手伝いをまずは草取りかな、シューはドレスを見たいとキラキラした目でフューラのそばで大人しくしているが、ちゃんとご飯時にはどっちもお皿を運んだりしている。いい子たちである。


 さて、みんなのお給与分頑張って働こう!

 家令がどこからとなく、故障したマジックアイテムや壊れた骨董品、破れたマジックバッグを持ってくるので、いったんインベントリに収納し、取り出したら新品同様なので、そのまま渡すことを、週に何度か繰り返す。これだけで庶民なら1年は食べていけますよと言われたので、ほっとしている。


 薬草採取やポーション作りは仕事というより興味の方が大きい。楽しい。だからやりたい。


 前世みたいに食べないと生きていけないから働くのではなく、興味があるから体が勝手に動く方がずっと楽しい。いいことである。


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