狐火のそばにいるもの
掲載日:2025/09/24
化狐たちが新事業を開始した。狐火を有料で貸し出すというのだ。
電灯の代わりに使うのも良し、夜に出歩くときの灯りにするのも良し。本物の火と違って熱くもないので夜に寝るときに点けっぱなしにしていても火事になる心配もない。
しかも非常に安価である。
あちこちで好評ではあるのだが、ある理由によって一部の人達は絶対に使おうとしないのだ。
その理由というのは……。
「お前の家も狐火の灯りに変えたのか」
「ああ、電気代が浮いて助かるぜ」
「だけどアレはちょっと嫌だよな」
談笑をする二人の青年の頭上、狐火の燃える天井近くには何体もの人影がちらついていた。
「誘蛾灯に誘われる虫みたいなものなのかねぇ」
頭上の幽霊から視線を外して軽く肩をすくめた青年の一人はそう呟いた。




