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ぴんとこなくて、きょとんとして

そもそも何が問題なのかがわからない

嘘を吐くのが辛い、と言っても

“嘘ぐらい誰だって吐く”

“嘘も方便”

“100%の本音では生きられない”


そういう話をしてるんじゃないんだよ


だから社会構造や異性愛規範の話をしてみると

それは難しすぎて話にならない

考えたこともないことだし

だいたい話すために話さなきゃいけないから話がどんどん長くなる


理想を言えば、何かを辛いと言ったとき、

その辛さがよくわからなかったとしても、

辛いと言うからには辛いのだろう、と、

そうわかってほしい、救ってほしい、と思う


が、事はそう単純ではない

人は他人の苦悩に興味がないから


だがしかしそれはそれでそれとして

“あなたが俺の話を理解できないのはあなたが俺のレベルに達していないからだ”

にも、限界がある

だって、俺は“そういう話”ができるようになれたぐらいには

運が良かっただけなのだから


他人の悩みに興味がないのは

そもそも自分の悩みにそんなに真剣に向き合っていないからだ

個人的問題にしろ社会的問題にしろ

そしてそんな自分を“楽天的”なのだと思っている


ほとんどの人間は

“自分にもなにか問題があるのではないか?”などとは思わない

それは“自虐的”なのだと思っている

でも、だから誰もが正義の暴走


だがしかしそれはそれでそれとして

“あなたが俺の話を理解できないのはあなたが俺のレベルに達していないからだ”

にも、限界がある

だって、俺は“そういう話”ができるようになれたぐらいには

運が良かっただけなのだから


昔は良かった

いろんなことが見えないままで

ただただ悲劇の主人公になれた


それが様々な人たちとの出会い、

良質な本を読み、音楽を聴いて、

あるいは数々の嫌なこと、嫌な目に遭って、

恵まれた人生の歩み方をしている、と思う


だが結局のところ

暇なのだ

俺は


果たしてこの詩にどれだけのパワーがあるのかはわからない

“そんなこと言ったってしょうがないじゃないか”と言われたら

おそらく俺は反論できない

みんな余裕がない

俺みたいに暇人じゃないのだ

思索になど打ち込めない


根本的原因は

我々の日常生活に根強く染み付いている野生の理性

優しさは、生まれつき自然に備わっているものと

訓練して技術として獲得しなければならないものがある

でもそれで“俺が悪いっていうのか!”と返されたら

不毛だ


実に不毛だ

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