ぼくらはとってもいそがしい
みんな忙しい 仕事に家事に育児に勉強に
一つのことにいつまでも取り組んではいられない
そして真理には辿り着けない
あなたが学歴や恋愛経験の有無で不遇な目に遭うのは
残念なことで、世の中狂ってて
それは絶対に改善されなければならないこと
なんだけど、でもそれは“差別”ではないのよ
“差別的”ではあるのだけれど
みたいな話をしなければならないほど
世の人々は差別について何も知らない
でも、仕方がない
そもそも“勉強”なんてする余裕自体がないんだもの
みんな忙しい 仕事に家事に育児に勉強に
一つのことにいつまでも取り組んではいられない
そして真理には辿り着けない
わかりやすさこそが絶対正義
同調圧力って最高
ただただ流されているだけの人生って、楽
自分の頭で考えなくていいってなんて気楽なんだろう
そして、いつか最悪の結果が訪れたとき
僕らは“なぜこんなことになったのだろう”と不思議がるのだ
“自分の一体どこがどう間違っていたのか”なんて
悩みを悩むのにも余裕が要る
みんな忙しい 仕事に家事に育児に勉強に
一つのことにいつまでも取り組んではいられない
そして真理には辿り着けない
今の僕らは他人の力を借りて
ようやく120%に抑えられてる
だから誰もが捌け口を求めてる
いつも限界突破、僕らはずっとそんな風にして息してる
僕らは自分自身のことに興味がない
自分たちが何者なのか、どこから来たのか
せいぜい日本人はどこから来たかとか、
人類の起源、生命の起源、を考えるだけで
自分が何をしているのか、何がしたいのか、
何のために“ここ”にいるのか、なぜ“それ”をしているのか、
自分にとって一番幸せなことは何なのか
みんな誰かの言うことに従うばかり
誰かは誰か どこかの誰か
そんなものに僕らはあらゆる物事を決められている
そして何も考えない 感じることをやめている
そして飲み込まれる
どこかの誰かの考えた、
“これこそがあなたの幸せだ”という、
“もの”に