最終話 動く未来に幸あれ!
大学の合格発表日、最近はスマホでも見れるが、やはり貼り紙をみて喜びを楽しむのが俺は良いので大学にいる。
本坂に告白出来ないまま卒業してしまったな。
そして、合格者の受験番号が貼られる。
俺の番号は……あった!やった!
これで、次から俺も大学生か。
「やった!!!!」
なんかどこかですっごく喜んでる女子がいる。
余程、嬉しかったのだろう。
声をする方面へ歩いてみると、
「あ、去井くん!」
本坂!?なんでいるんだ。
「ええと、本坂さん不正行為した後の侵入は良くないと思うよ」
本坂は首を傾げる。
「去井くん、何のこと?私今年からここの大学生ですけど!?」
「分かったて、ちゃんと理事長に話つけとくから」
「話を聞いて!後、去井くん新入生なんだからまだ入れないでしょ!」
それはご最もだけど。あれ、けど本坂に告白できるチャンス?
「本坂さん、説明会終わったらファミレス行こ?」
本坂はコクリと頷いた。
説明が終わり、馴染みあるファミレスに向かう。
そして、注文をした。
何かと言うと『アイスクリームメロンソーダ』。
本坂に2つ飲まれると思い、今回は3つ注文した。
「去井くん、合格おめでとう」
「本坂さんもおめでとう」
両者の合格を祝いながら、俺は疑問に残っていたことを話す。
「本坂さん、酒谷のとこの大学行かなかったの?」
「俊介がいるところ、男子大だもん、どうやって行くの?」
なるほど、男子大だから行かなかったわけか。
「つまり共学なら行ってたのか」
「たぶん?」
たぶん?曖昧すぎない?
いや今の俺はそんなこと少ししか気にしないから大丈夫だ。
「いや、本坂さん」
「お待たせしました〜」
店員さん、タイミング悪いすぎないか?
予想外だった、まさか3つも飲むのは。
「いや、本坂さん」
「なにー?」
「その……あ」
本坂が少しながらニヤける。
「外に出たからの方がいいんじゃないのかな?」
「そ、そうだね」
ハンバーグを追加注文し、素早く食べた。
この時、俺は本坂に勝った。
そして、 外へ出た。
「では、去井くんさっきの話を聞こうかな?」
また本坂はニヤける。
「あ、その……い」
言葉が出ない。伝えたいのに。
「そっか、去井くん言葉出ないなら仕方ないね」
え、仕方ない?……『仕方ない』→『駄目』→『振られた』→変換完了?
「もしかして、俺振ら…」
言おうと瞬間、本坂が俺に近づく。
俺にハグ?をした。
「これでも分からないかな?見良くん、いや去井くん?」
俺は気づいた。これはハグではないと。
「わ、わからない」
俺は、本坂がすぐに察することができそうな嘘をついた。
「ふうん、分からないんだ、もう1回やっとく?」
そして、本坂はまた俺にさっきのことをする。
今度は俺もした。
10秒程度立ったら、本坂が急に離れた。
どうした?お腹でも壊した?
俺は、ここで未来を見る能力を使う。
昨日のあれがまた映った。
そして、本坂が話す。
「去井くん、本当は分かってたよね?」
分かっていた。本坂が俺の事を好きだと。
前、本坂と話していた時酒谷とハグはした事ないと言った。そして、本坂はスマホを使い、ハグの意味を調べていた。
ハグじゃないもの、つまり『抱擁』
はした事ないと言ったのだ。
ハグはしてるよな、そりゃ。
「本坂さん、ごめんね」
「え」
本坂は泣きそうな顔をする。『振られた』と勘違いしてるのだろう。
「いや、振ってないよ?」
良かった、笑顔になった。
「じゃあ、何でごめんなの?」
「いや、本坂さんがずっと酒谷の事好きだったと思ってさ、俺は告っても振られるんじゃないかと」
本坂はため息をつく。
「あのね、振る振らないは、私自身。確かに俊介の事も好きだったよ、勿論」
「じゃあ、何で」
「まあ、女の感情はとある事で変化するからね」
やはり、女心はよく分からない。
そして、本坂と家へ帰る為に一緒に歩く。
「去井くん、手を繋ごっか?」
俺はコクコクと頷いた。
歩いている途中、本坂が
「そういや、去井くん部分的告白しかしてないよね?」
「うっ」
「ちゃんと言おっか!」
俺は無言だった。
「言えないか〜」
いきなりそう言われても。
「じゃあ、同時に言おっか?」
え、本当に同時に言うのか?こいつは。
「せーの」
「お付き合いしてくれますか?」
「友達になってくれてありがとう」
本坂がムッという顔をしている。
え、俺間違えた?もしかして。
「去井くんだけ、はいもう1度」
ええ。
「友達に…」
本坂が手を叩き、俺の言葉を止める。
「去井くん、私の言葉はOKかな?」
えっと…あ!『お付き合いしてくれますか?』
本坂、これを言って欲しかったのか。
「お付き合い…して…くれます…か?」
本坂は大きく頷き、笑顔を向ける。
そして、電車に乗り、本坂と家に向かう。
「本坂さん、立ち止まって何してるの?」
「まあ、書いているんだよ、最後の日記」
最後の?
「日記なのに、最後なの?」
「どんな事でもいつかは終わりが来るの」
それはそうだな。
まあ色々あったけど、幸ある未来にするには俺が動かないと行けなかったのか。
「あ、去井くん、玩具の神社買おうよ!」
「いいけど……」
俺ら2人は玩具の神社を買って、それにお祈りした。
願いはもちろん。
『『幸あれ!』』
本坂満帆日記―おしまい
何もかもが最後という訳では無いけど、私の日記はここでおしまい。
見良くん、そして去井くんありがとうね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
『俺の未来に幸あれ!』は完結です。
約1ヶ月の連載ありがとうございました。
なんか、声が聞こえますね。
「去井くん、去井くん」
「何、本坂さん?」
「私達が付き合った後の話が出るらしいよ、短編で」
「へえ、大学生編はやらないんだ」
「去井くん、それは大人の事情だよ」
本坂はちょっとばかり笑う。
あ、おれが振り回される回?もしかして。
さあ、それは大人の事情です。(笑)




