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俺の未来に幸あれ!  作者: 自由移動
高校3年生編
17/40

第16話 本当の去井慎也として幸あれ!

4月14日、今日は始業式だ。

今日から俺は本当の去井(さい)慎也(しんや)として活動していけるようになった。

本物の去井慎也が家庭裁判所へ行って名前変えようと言い出した。

そしたら、本当に変えれたのだ。

まあ親は普段俺がどういう生活してるのか分からないから賛同で助かった。

見良(みら)の苗字は本当はあまり好きではなかったし丁度いいかな。

「去井くん、おはよう」

俺に声を掛けてきたのは本坂満帆(ほんさかみつほ)、2年の頃勝手に俺を自分のクラスに引き込んだ女子だ。

今度は本当に同じクラスだったか。

「おはよう、本坂さん」

帰りのHR(ホームルーム)も終わった。

さて、ここまではいいのだが、問題はここだな。

園芸部に新入生をどうやって呼ぶかだ。

もちろん3人来ないと速攻廃部である。

「園芸部廃部ワンチャンあるけどさ、廃部した部活なんてあるの?」

「噂でジミジミ研究会なら廃部したと聞いたことがある」

「それ何するの?」

「全部非公表だったから誰も知らない、先生すら知らない」

「本当に何してたの?」

「さあ、10年も前のことらしいし」

混浴温泉の写真だけ撮っていて、怪しまれて廃部という説は聞いたことがある。

「新入生本当にどうやっていれようかな」

本坂がコーラをドン!と置きながら言う。

「園芸部らしい活動したことないからさ」

「それ、部長会とかどうしてたの?」

不安そうにいう本坂を目の前にして、俺は自信満々にこう言った。

「嘘ついてた」

「ええ、少し引いてるんだけど」

普通のことだろ、むしろ羽山元部長がどうやって部長会を乗り越えたかを知りたい。

「そもそも本坂さん、それどうやってやってるの?」

本坂はノールックで空のペットボトルをゴミ箱にずっと入れている。

俺が話しかけたせいなのか外した。

「簡単だよ、こうやるでしょ、あとはこう」

本坂はペットボトルを左右に動かしてから投げて

ゴミ箱に入れた。

なるほど、分からん。

本坂に俺は小さな拍手を送った。聞こえないぐらいの。

「てか園芸部って顧問の先生いるの?」

そういや聞いてないな。羽山元部長に聞いてみるか。

「いるってさ、1年3組の新近宮三(あらちかみやみ)先生だって」

「聞いたことないなー」

なかなかやばい人と周りからは耳にしたことはある。

「園芸部どうやって説明するか」

「うーん、私が思うにはメントスコーラでいいと思う」

「やめようか」

「なんで!?」

なんでって、簡単だろ。

体育館が汚れて掃除する羽目になるからだ。

後、園芸部の意味知ってる?

(よご)れるから、後園芸部と関係ない」

「芸って字が入ってるじゃん!」

こいつ、芸が入ってる部活全てでメントスコーラやる気か?

「手芸部もあるだろ」

「うちの学校そんな部活あった?」

あれ、なかったけ?この学校に来て3年目なのに。

「あ、文芸部の間違い」

「あ、そうゆうことかー」

なんや本坂、ニヤニヤして。

「去井くんでも、知らなかったことあったんだ」

「俺だって仙人じゃあるまいし、全部を知ってるわけが無い」

「2年の頃クラスメイトの名前すら知らなかったもんねー」

それはあなたが、俺を勝手にあなたのクラスに引き込んだからです。

教師もなんで気づいてなかったんだろうと未だに思う。

「それは、本坂さん、あなたのせいです」

「さあ、よく分からないな、去井くん」 

「プッ」

「クク」

「ではこういうのはどう?なにかの部活と一緒に合同で紹介は」

「なるほど」

それはありかもしれない。園芸部は活動に嘘をついているので、他の部活と合わせれればいける。

「園芸部と合う部活ってある?」

「理科部とかいいんじゃない?花のこともやってるだろうし」

なるほど、それはありだ。

「分かった、話してみる」

「じゃあ、意見出したから返済なしにしてくれない?」

「それは無理というか、早く返済して」

「冗談だって、はい」

チロルチョコを5個渡してきた。

「本坂さん、これ溶けてない?」

「何言ってるの?溶けるからこそ、チョコだよ」

そうだった、俺の目の前にいる本坂はチョコを飲み物だと思ってる奴だ。

「で、何円?」

「何円って言われても115円だけど」

「安……」

チロルチョコの値段でやってるからね。

手作りとかのお菓子もないし。

「じゃあ、はい、これで」

「なにこれ、青汁?」

「違う、青い汁だから味噌汁!」

青い味噌汁はあるかもしれないが、目の前にあるのはどうみても青汁だ。

パッケージに青汁って書いてるし。

「何円?」

「さっきのと合わせて400円」

「やったー!」

「と、見せかけて350円」

「……酷くない?人を喜ばせておいて、後で下げるなんてさ」

酷くない、だってこれよく見たらなんか葉っぱの塊見えるし。え、これまさか

「……本坂さん、まさかこれ道端の葉っぱじゃないよね?」

「違うよ、葉っぱのチョコが溶けなかったんだよ」

良かった、ただの葉っぱじゃなくて。

「飲んで値段決めて」

「分かった」

俺は一気に飲んだ。

……なんだろう、苦いはずがほんの甘味を感じる。

「いくら?」

「500円」

本坂はイエーイというピースをしてきた。

俺(去井慎也(さいしんや))に幸あれ!

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