表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の未来に幸あれ!  作者: 自由移動
高校2年生編
12/40

第12話 弟のデート?に幸あれ!

「兄よ」

「なんだ弟?」

「俺、今週末図書館行くから」

なぜそんなことを俺に伝えた?言わなくても行けばいいじゃないか。

「わかった、俺も今週末出かけるから丁度いいな」

「お、いいねぇ、デート?」

「違う、ラノベを買うんだよ」

「本屋か」

「そうだ」

俺は考えていたら、本坂が話しかけてきた。

「去井くん、悩んでるの?」

「まあ、弟のことで」

「へえ、珍しいね」

「なんかいつも用は俺に言わないのに今回だけ言ってきたんだよ」

「何それ、デートじゃない?」

デートだと?弟よ。未来が見える俺より先に楽しむんじゃない。

「それで、どこ行くの?」

「図書館らしいけど」

「図書館は嘘じゃないかな〜」

本坂が小さい声で言ってくる。

「嘘か、図書館じゃなきゃどこ行くんだ?」

「じゃあ、確かめよ」

確かめる?どういうことだ?

「何を?」

「弟くんのデート疑惑」

「休日だけどいいの?」

「いいよ」

土曜日……弟は出かけて行った。

「本坂さん、こっちだよ〜」

「あ、いたいた、去井(さい)くん」

「で、弟くんはいまどこにいるの?」

「えーと、名古屋にいるはず」

「なんで、居場所わかるの?」

「えっと、男の感」

嘘です。GPSです。

「ふうん」

弟は名古屋城にいるのか。

「よし、名古屋城行きましょうか」

「それより飲み物……」

「着いたら買います」

「分かった」

「はい、コーラ」

「ありがと」

名古屋城に着いたのはいいけど、弟が見当たらない。

え、あいつもう名古屋にいないのか。

ええと、次は木曽川か。

「本坂さん、イオンいくよ」

「え、ちょっとまだ堪能してな……」

イオンに着いた時には、弟は既に移動していた。

次は航空宇宙博物館か。

「よし、電車乗って博物館いこうか!」

「私、チケット持ってないよ?」

「大丈夫、買ってあるから」

「え」

用意は周到の為、チケットがいる系はだいたいは用意した。

お、弟もここに居るみたいだな。

飛行機ってこんなにあるんだな。

白い飛行機しかないと思ったけど、全然違うんだな。

「去井くん、暑い」

今冬ですけど?

「分かったよ、こっち来て」

味は聞かんくていいか、どうせ溶かすし。

「はい、キャラメル」

「キャラメル……」

不満なのか?じゃあ俺が食べるか。

俺はアイスを1口かじった。

「やっぱ食べる!」

素早く俺の手からアイスを取る本坂。

えーそれ俺のなんだけど。

アイスを舐める本坂。

あ、溶かさないんだ。

あ、弟がまた動いてる。

またイオンにいるのか?いやけどさっきのイオンではないな。

ここ岐阜県だし。

「バス乗っていこうか?本坂さん」

「え、まだ食べ終わってない……」

待ってる間に弟が動く可能性はあるが、バスにアイスは持ち込めないし。

「バス停までに食べ終わる?」

「食べ終わる」

「歩きながら行こうか」

「うん」

本坂はバス停着く前にアイスを食べ切った。

バスが来るまで後10分あるのでベンチで待つことにした。

結局俺がなんか本坂をずっと引っ張ってるような。

アイスを捨てるためのゴミ箱を探す本坂。

「アイスのゴミ箱ならここだよ」

「ありがと」

ゴミ箱にアイスのゴミを捨てる本坂を見る。

ちらっと顔を見ると、確かに可愛い。

何で文句言わないんだ?休日も奪ってる側だぞ、こっちは。

「去井くん、どうしたの?」

「え、いや可愛いなあと」 

「へえ、可愛いんだ、猫でもいたの?」

猫は見当たらないし、どうやって言い訳しよう。

考える間に弟から写真が送られてくる。

弟、ナイスだ。これを見せよう。

「弟に送ってきた、これです」

「へえ、そんなに可愛いんだ」

ニヤリと笑いながら言う本坂。

一体弟は何を送ったのだ?

スマホの写真を見ると、本坂の写真であった。

「いや、これはその」

弟何で本坂の写真送ってきたんだ。クリスマスの。

このときバスが来た。タイミング悪すぎる。

「窓側座ろっか?顔の眺めもいいでしょ?」

17年の中で最大の失言するとは思わなかった。

そして、弟の動きを見ると、自宅に帰っていた。

このままイオンで昼飯済まして帰ろうかな。

「本坂さん、何か食べます?」

「コーラ!」

「それは飲み物です」

「じゃあ、コーヒー」

それも飲み物で……あ!コーヒーゼリーのことか。

「それじゃ買ってきますね」

「買ってきましたよ、コーヒーゼリー」

「それは飲み物じゃん、食べ物は?」

本坂にとってコーヒーゼリーは飲み物なのか。

「ラーメンでいいですか?」

本坂はコクリと頷く。

「はい、ラーメン」

ラーメンを渡しスマホを見ようと瞬間、本坂は食べ終わっていた。

それ一応成人レベルのラーメン量なんだけど。

「弟くん、いなかったね」

「そうだな……」

俺は家に帰る事にした。

「弟よ、話したいことがある」

「なんだ?」

「お前、いつ本坂の写真を撮った?」

「ん?クリスマス」

サラッと言ったぞ。

「お前、俺より彼女先に作る気は?」

「あるけど」

あんのかよ!

よし、デートの写真いつか撮ってやる!

デート疑惑に幸あれ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ