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三話-3 介入者の存在




 大蓮寺家で頂いた食事はとても美味しい物だった。

 聞いた話では大蓮寺家では料理に関しては殆ど全て当主の夫が担っていて、そんな家の婿に来た冬香の父君は退魔師としての仕事は程々に色々なところで料理の修行を積んだお陰でかなりの腕前らしい。そんな人が腕によりをかけて良い食材を選び抜いて作った品々なのだから美味しくないはずがない。

 咲夜と風音様の戦いも、食事中は鳴りを潜めていてくれたので特に波乱が起こることもなく食事は恙無く終了。

 呪いの方も一向に発動する予兆さえ見せなかった。


「…………やはり、何もありませんね」


「そうですか」


 もう子供を産めない年齢である風音様は別段落胆する様子も見せなかったけども、冬香のお母様の方は僅かに希望を抱いていたらしい。僕の報告を聞いた後に表情を曇らせてしまった。そこに娘である冬香が寄り添う。


「お母様……」


「いいのです。冬香だけでも助かったのだから、これ以上は望みすぎというものです」


 お互いに想い合う家族の姿を見て、僕は視線を逸らした。そんな僕の肩に手を置いて咲夜は笑う。


「何だか眩しいわね」


「……そうだね。ちょっと羨ましいかも」


 呟いた彼女の瞳にも、ある種の羨望のようなものが入り混じっていて。

 僕たちが望んでも得られなかったもの、そして今は捨て去ったものを目にしてお互いに感傷に浸っていた。

 すると、何かを思いついたように冬香のお母様が「そうだ」と言ってぽんと手を打ち、とんでもないことを言い出した。


「私は力こそ使えませんが、これから生まれてくる子はどうでしょうか?」


「…………えっ、と?」


 いきなりの投球に、受け止める姿勢でいなかったせいで顔面を打たれた思いだ。

 冬香のことに関しては既に述べているので、恐らくは母親自身のことを言っているのだろうことは察しはつく。

 つくけれど……。


「ちょっと、お母様!」


 僕が返答に困っているのを見てか、冬香が焦ったように母親の袖を引っ張った。


「あら、私はこれでもまだ三十七よ? まだまだ子供を望める年齢じゃない」


「そういう意味じゃなくて……」


 僕は医者ではないし、人生経験がそこまで濃い訳ではないのでそっち方面の話をするのに恥ずかしがらずにというのは非常に難しい。

 だからつい最近出来たばかり友達の親の子作り事情に首を突っ込むのは憚れる。父君の方も周りが女性だらけの中で話をされて居心地が悪そうだ。

 親の子作り予定を聞いた冬香もかなり難しい心情なのだろうと察する。これを脱する為には必要な情報を渡す以外にない。


「完全に消し去ったので呪いは受け継がれないことは確実ではありますが……同時に浄化の力も失われているので引き継がれることはおそらくは不可能かと」


「そうですか。分かってはいましたが、直接聞けて嬉しいです。言い辛いことを言わせてしまってごめんなさいね」


「分かってるならせめて二人きりになった時に言うとかにしてよ!」


 実現したら約十七歳差以上の弟妹が出来ることになる冬香の内心は穏やかではいられないだろう。

 だけど、そんな訴えも親の前では児戯のようなものらしい。


「冬香に良い人がいれば私も安心が出来るのだけど? 誰か気になる人はいるの?」


 より力が受け継がれる可能性が高いのは冬香の子になるので、当然そういう話題に行き着くことになる。

 僕は流れ球が飛んで来ないように視線を逸らすので精一杯だった。


「んー…………んー?」


 当の本人はまさかその攻撃がやってくるとは思わず、露骨に視線を外した。その誤魔化し方は露骨過ぎるけど、さりとて真面目に答えることも出来ずただただ反応に困っているだけといったところ。

 下手に援護をすればこちらにまで飛び火しかねないので、僕は心を押し殺して冬香を見捨てることにした。

 繰り広げられるちょっとした親子喧嘩をよそに、僕はいつの間にか離れた位置にいた咲夜の下へ向かう。


「あら、もう終わったの?」


「うん。もう意味もないような残り滓みたいなものだったし、残していても特に問題はなかっただろうけどね。一応消してはおいたけど」


「それは良かったわ。ところで、昨日様子がおかしかったようだけど何かあったの?」


 忘れていなかったかと思いつつ、聞かせろと詰め寄って来るのを手で制する。


「その件は後で、咲夜の話の後に言うよ」


「今ここでは話せないことなの?」


「話の順序的にそうした方がいいと個人的に判断したんだ。咲夜には悪いけど、おいそれと口には出せない情報だってことを理解して欲しい。咲夜の口が軽いとは思っていないけど」


 僕と大蓮寺家が接触するというのは隠そうとしても隠しきれるものではない。

 片桐冬香が実は大蓮寺家だというのは知る人は知っているはずで、その後の接触から僕たちは常に監視されている。

 どういう目的で盗み見しているかは分からないけど、決して善意から来るものではないことは確かだ。今も何か嫌な視線のようなものを感じている。首の裏がひりつくような、嫌な感じだ。

 能力の関係上、術式や機械的な邪な目的以外の盗聴を阻止する手段は僕にはない。だから今は喋らないことが一番の対策になるはず。


「……分かったわ。この会話も危険だということね」


 理解の早い咲夜は眉間に皺を寄せながら難しい顔で頷いた。それに対して無言で肯定する。


「とりあえず、ここでの用事を済ませよう。そのことについてどうするべきかも話し合いたいし」


「分かったわ。とは言っても、すぐに終われるかどうかは分からないけれどね」


 咲夜は懐の端末を取り出して暫くした後、未だに続いている親子喧嘩の輪に割って入っていく。二人も彼女の纏っている雰囲気が変わったことに気付いたようだ。すぐに口を引き締め、次の言葉を待った。


「冬香のことは大蓮寺家の事に任せるとして、とりあえず目下の重要事項を片づけたいのですがよろしいですか?」


 大蓮寺家の人たちはお互いに頷きあう。そして部屋を移動し、落ち着いて話の出来る場所までやって来る。

 飲み物の用意をすると言って立ちかけた冬香のお父様を手で制し着席を促すと咲夜は話を切り出した。


「とりあえず、清花のお陰によって冬香が浄化の力を取り戻した。これは喜ばしいことではあるものの、付随して新たな問題も発生しました。それが何かお分かりでしょうか?」


「はい。……私共では冬香を守り切れないというのは重々承知しています」


 心苦しい思いを露わにしながら冬香のお婆様が答える。


「そうですね。このままでは修行どころではなく、待っているのは浄化の力を持つ子を産む為だけの機械の道。冬香という個人が尊重されない悲惨な末路です。清花が裏にいないと分かれば取り込みにかかる家は山の数ほどあるでしょう。そして、貴方たちにそれに抗う為の力はない」


 力を取り戻した大蓮寺家の血筋を求める人は多いだろう。そして、そんな人たちから肝心の娘を守る力は今の大蓮寺家にはない。

 下手をすれば大蓮寺家そのものが無くなりかねないことを何よりも彼女たちもよく理解している。


「それを承知の上で、そちらにはどうやって彼女を守るつもりなのでしょうか。ちなみに、分かっていると思うけど私の家は駄目です。まず家族が揃ってろくでなしばかりだし、その私に雇われている形になる清花にも頼ることは難しいと思って下さい。下手に深く関われば宝蔵家に飲み込まれかねません」


 言っていることはある意味で理不尽だ。力を復活させておきながら、その後で発生する問題には関わらないという。

 けれども、冬香を寄越してきた時点でその可能性については考えておくべきだし、その後のことについてまでこちらに寄りかかろうというのが図々しいことだとは冬香とその家族も理解はしている。

 先に咲夜がこちらからの助力の可能性を断ち切ったことによって、大蓮寺家としては別の解決方法を提示してくることになる。


「方法は他家のお力を借りる他はないかと」


「でしょうね。その他家についてはこの場できちんと話しておきましょうか。————聞いていたでしょう。いつまで隠れているつもり? そろそろ出てきなさい」


 このままでは埒が明かないと判断した咲夜が部屋の出入口に向かってそう呼びかける。

 現在この家には現在大蓮寺家の四人と僕と咲夜の二人しかいないことにはなっていたけれど、実はもう一人いて今までずっと隠れていたということだ。


「気配は完璧に隠していたはずなんだけどな。参考までにどうして気付いたか聞いてもいい?」


 戸を空けたのは僕たちと同年代ほどの見た目をしたの青年だった。

 爽やかな雰囲気を持つその人はにこやかな顔をしながら入ってくる。


「冬香を無理を通してまで転入させてきたような奴が、今この場に来ていない訳がないという簡単な予想をしただけよ。いなかったらそれはそれで話を進めていただけ。参考にならなくて悪かったわね」


 ちなみに嘘だ。咲夜はその目で視て彼がこの家にいることを最初から知っていたはずだ。

 咲夜が盗み聞きをされていると警戒していたのはその彼だったと思われる。

 僕の思考をよそに、こちら側へとやってきた青年は笑っていた。


「そうか。それは恥ずかしい思いをさせずに済んで良かったよ。それでなんだけど、俺もこの話に加わらせて頂いてもいいかな?」


「構わないけれど、まずは自分の名くらい名乗ったら?」


「そうだった。お二人とは初めてだから名乗らせて貰います。俺は土御門景文。一応、これでも一級術士の位を持ってます」


 丁寧で綺麗なお辞儀をする土御門景文という青年。まだ年若いはずなのに羽織袴を着こなし、その気配から只者ではない雰囲気を放っている。

 それは僕でも聞いたことのある名だった。

 僕と同世代の数少ない上級退魔師。所謂天才の部類に入る人だ。彼の家にとってみれば家宝のような人材なのに、お供も付けずにこんな場所にたった一人でいるというのは彼の力がそれだけ信用されているということだろう。


「宝蔵咲夜よ。こっちは知っての通り、大蓮寺清花。もっと丁寧な挨拶が欲しかったら改めて別の機会にして頂戴」


「よろしくお願いします」


 一応は初対面なので頭を下げておく。会話を盗み聞くという行為は褒められたものではないものの、今はそれよりも重要なことがある。 


「よろしく。噂は兼ねがね、退魔師として働き始めたのはつい最近なのにそこまで腕を上げるなんて大したものだよ」


 こちらに歩み寄ってきて握手を求められるも、特に悪意や害意はないと判断したのでそれに応じることにした。


「こちらこそ、話は聞いたことはあります。何でも、万能だとか」


 一つ上の殆ど同世代だからこそ耳にする機会はあった。彼の扱う術は変幻自在でありとあらゆることが可能だと聞いたことがある。それでもってどんな相手にも有利に戦えることで、僕のように一対一で戦ったとしても有利不利は関係なしに実戦、模擬戦であっても大人相手に全戦全勝だとか。

 そんな彼は噂とし違って柔和な雰囲気を醸し出していた。今も謙遜するように手を振って否定している。


「いやいや、万能なんかじゃないよ。現に大蓮寺家を蝕んでいた呪いを解くことは出来なかったしね。それを考えれば、唯一性を保っている浄化の力の方が余程価値があると俺は思うよ。真似が出来るものならそうしたかったんだけど、流石に浄化の力は無理だったんだ」


 などとは言っているものの、言葉を裏返せば大抵の相手の術を真似ることは出来るということ。

 僕が彼と戦ったとして、果たして勝てるか分からないような相手だ。

 今まで見たことがなかっただけで退魔師で自分より強い人がいることは知っていたものの、こうしていざ対面するとその力量が推し量れるというもので、その内包する霊力量と質は並大抵の努力では身につかないものだと理解出来てしまう。

 力量差のあり過ぎる咲夜や冬香はそのことに気づいていない様子だけど、今はそっちの方が羨ましいと感じる。


「そう緊張しなくてもいいよ。個人的には今回は君に用事がある訳じゃないからね」


 そんな彼にとってはこちらの強張りが手に取るように分かるのか、笑顔を浮かべながら困ったように頬を掻く。

 


「じゃあ、どうしてここに来たのかしら? わざわざここへ来た目的を教えて欲しいのだけど?」


「構わないよ。まずは盗み聞きしていたのを謝罪する。その上で、彼女……冬香さんの保護は俺の家である土御門に任せて欲しい。それが俺からの提案とお願いだ」


 先ほどの会話の流れを踏襲した上での発言だろうけれど、どう反応するべきか迷う。

 なにぶん今さっき出会ったばかりなので信用も何もない相手にいきなり任せて欲しいと言われても、はいどうぞとなる訳がない。

 咲夜の言っていた懸念通りに大蓮寺家そのものが飲み込まれて無くなるということが起こらないとも限らないし、先ほどはああは言ったもののこのまま引き下がれはしない。

 僕が下手に口を出すとこの場においては影響が強すぎるから、とりあえず今は話の流れを見守ることにする。

 そうして俯瞰した目線で見ていると、冬香の肩が震えていることに気づいた。


「お母様、お婆様。これはどういうことですか?」


 どうやら家族から何も聞いていなかったらしい冬香が疑うような視線を土御門さんに向けながら家族から距離を取ってこちらに近づいてくる。

 一番の年長者である祖母や母が彼に対して何も言っていないところを見て、何となく状況は察したようだ。

 けれど、あの人たちは何も答えない。そのことに段々と不信感を募らせていく冬香。彼女の疑問に答えたのは咲夜だった。


「衰退していく大蓮寺家を陰ながら支援していたのが土御門家ってことなんじゃないかしら。私が転入してくる人たちに制限をかけていたというのに、無理矢理転入してきたのも土御門家ほどの権力を考えれば辻褄が合うしね。彼については、つまりはこの状況を生み出した土御門家の使いといったところかしら。でもまさか、来るとしても土御門の麒麟児が直々にやって来るとは思わなかったけれど。そこのところはどういう意図なのかしらね」


 咲夜の探るような視線に土御門さんはどうとも取れるような笑みで返す。

 埒が開かないやり取りの中、やっと状況を理解し始めた冬香は困惑したように視線を右往左往させる。


「そ、それは本当のことなんですか? 私は何も知らされていませんでしたが……」


「冬香。悪いけれど、そのことについて一から話す気はないわ。ご家族からの否定の言葉はないようだし、今は私が言ったことを事実として飲み込んで頂戴。どんな経緯でそうなったかについては後で好きなだけ自分で聞きなさい」


「わ、分かり……ました。後で、きちんと話して貰いますからね」


 釈然としない気持ちは分かる。問題の渦中にいながらも家族の中で情報を絶たれていたのだとすれば、まるで一人だけ置いてけぼりのような気持ちなのだろう。両親たちを見る目は疑いよりは怒りに寄っている。

 それを表情一つ変えないまま受け止める大人たちは何を考えているのか。

 このままでは家族間に亀裂が入るかと思ったその時に割って入るのは土御門さんだった。彼はにこやかに周囲を安心させるように笑った。


「あまりご家族を責めないであげて欲しい。君に隠していたのは疚しいことがあった訳ではなく、俺がお願いしたことなんだ」


「俺が……?」


 土御門ではなく、個人というところが気になる。けれど、嘘を吐いたり騙くらかそうとしたりはしていないようなので追求はしないことにした。

 彼は僕達にも向けるように言葉を続ける。


「まず理解して欲しいのは、俺たち土御門家は大蓮寺の存続を願っている。支配しようだとか、丸ごと取り込もうだなんて思っていないし、今が衰退しているからって足元を見た契約を結びたい訳でもない。これはただただ純粋に退魔師全体の未来を見据えた善意の投資だというくらいに思って欲しい。これは土御門家の総意で間違いない。既に大蓮寺家の方達とはそういった内容の契約を結んである。証拠も見たいのなら用意することは出来るよ」


 口にするのは耳障りの良いことばかりで、果たしてどの程度信用出来るのか分からない。僕自身、浄化の力で嘘か判定が出来るから真偽については分かってはいるつもりだけれど、全て本当という結果には自分を疑いたくなった。

 それでもただ一つ言えるのは、彼の発言には悪意らしきものは見受けられないということ。それだけは確かだ。

 僕から何の反応もないことを確かめてから咲夜が問いかける。


「投資というからには回収する腹積もりはあるということよね?」


「もちろん。でも金銭に関しては無利子かつ無担保で融資をするつもりだよ。返済も少しずつ、出来るだけでいい。流石に完全な慈善事業家ではないのだから何もかも全てタダという訳にはいかないのは理解して欲しい。とりあえずは、俺たちは足元を見て暴利で貪る悪徳業者ではないことは信じて欲しいな」


「それで土御門家が得る物は?」


「安寧と繁栄、じゃあ駄目かな? 証拠は今まで彼らを見捨てずにいたってところでどうかな?」


「………………」


 尤もらしいお題目を掲げて良い人振るのを彼は止めない。全て本音で語っているからだ。だから悪びれる理由がないし、浄化の力も反応しない。

 暫く視線を交わす二人。咲夜は一度目を瞑ると、わざとらしく溜息を吐いた。

 ただし、彼に向けたその顔に浮かべているのは不敵な笑みで。


「それじゃあ、そのお言葉を信じて大蓮寺家のことは全てお任せしましょうか」


 その言葉に土御門さんが顔に笑みを張りつけたまま固まった。

 元々は誰も頼れない場合は冬香のことは僕達のところで匿う予定だったけれど、冬香が僕達の学校へ来れたことを考えると誰かの協力があったのは間違いなかった。その相手次第ではあるけれど、そこに冬香を任せようというのは当初の目的ではあった。

 それが土御門家であったのは予想外ではあったものの、結果としては悪くないものになったはずだ。


「あー、扱いに困ってた子の預け先が丁度よく決まって良かったわー。それじゃ、後のことは彼に任せて帰りましょうか」


「そうだね。それじゃ、僕達はここでお暇するとして……」


 ここに来た目的は大体は果たしてはいる。僕が大蓮寺を名乗ることについて承諾を得ること。これ自体は冬香のお婆様から頂いている。

 それに元々、冬香について交渉をするのは咲夜と土御門ではなく、大蓮寺と土御門でするもののはずだ。こちらとしては得もなければ損もない立場なので、あえて彼と対話をする必要もない。丁度良く彼の方から引き取る旨の発言をしてくれたので乗っかったというところだろう。

 反対に、土御門さんはこちらがあっさりと大蓮寺家を切り捨てるとは思っていなかったのか、僅かに唖然としている様子のまま固まっていた。

 しかし気を取り直すように軽く頭を振った。


「待って欲しい。実は君達……というか清花さんに話があってここに来たんだ」


 そう言って懐から一枚の封筒を取り出した。

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