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⑤③



スティーブンも本来ならばセレニティと婚約していた。

そしてセレニティは部屋から出てこなかったため、こういったパーティーも一人で出ていたと書かれていた。


(今回はわたくしのせいで何もかも違いますものね。お二人がいい方向に向かうように、わたくしも今回は頑張らねば……!)


そう考えながら厳しい顔をしているスティーブンに話しかけた。



「スティーブン様もナイジェル殿下もとても人気なのですね」


「はぁ……どうしてこうなってしまうのか。姉上にも力を貸してもらいセレニティには手出しできないようにしてもらわなければ」


「お気遣いありがとうございます。助かりますわ」


「……すまない」



以前は身勝手で冷たいイメージがあったスティーブンだが、間近で見ていると意外にも心配性で、仲間思いで情に厚いということだ。

ナイジェルにも「大丈夫、大丈夫!お前は考えすぎだ」とよく肩を叩かれている。


会場に入ると、スティーブンと共に入場したセレニティに注目が集まった。

まだ怪我の痕は残ってはいるが、ブレンダが教えてくれた化粧品やトリシャが輸入してくれたクリームのお陰か、よく見なければわからないほどに薄くなっていた。


社交界でスティーブンとセレニティの間にあったことを知らない者はいない。

そんな二人が婚約をしていないにも関わらず、仲睦まじい様子で現れれば和解していることは一目瞭然だろう。


その後に一人でこっそりと入場したジェシーの顔は暗く、何人かの令息が挨拶に来たようだが取り繕えないほどのショックを受けているようだ。


セレニティが牽制になっているのか、様子見をしているのか令嬢達は近づいてこない。

暫くは普通に舞踏会を楽しんでいたが、二人の雰囲気が甘い恋人同士のものではないと気づいたのだろう。


次々にスティーブンの周りには令嬢達が群がり始めた。

もちろんセレニティの存在を無視して。

話を聞いて様子を見ていたが、令嬢達は互いを蹴落としあいながらもスティーブンに〝私を見て〟とアピールしている。


(あらまぁ、この状況はあまりよくありませんわね)


セレニティはスティーブンの袖を引いた。



「スティーブン様、そろそろ挨拶をして回った方がよろしいのではないでしょうか?」


「……!そうさせてもらう」


「はい、いってらっしゃいませ」



スティーブンは一瞬だけ驚いた顔をしたが、セレニティが頷くと小さな声で「ありがとう、セレニティ」と言った。

スティーブンは令嬢達に声を掛けてその場を離れた。

そしてセレニティも令嬢達に声をかけられる前にそそくさとその場を離れた。

人混みに紛れるようにして姿を隠す。


すると怒りを露にしたジェシーが人混みを掻き分けてセレニティの方へと近づいてくる。

とりあえずこの場でジェシーに絡まれるのは嫌だし、悪目立ちしても嫌なので逃げようと背を向ける。

しかしセレニティの前に立ち塞がる色とりどりのドレス。

お茶会でセレニティに絡んできたキツく巻いたブラウンの髪と赤い瞳の少女の姿だった。


(そういえば自己紹介もまだですわね)


名も知らないが何度もセレニティに絡んでくる令嬢が、複数人の令嬢を連れてセレニティの行く手を阻むように立っている。



「なんであなたがスティーブン様と一緒に舞踏会に参加しているの!?」


「いけませんか?」


「どういうことか説明しなさいと言っているのよ!」


「……?」



小声で呟いた令嬢は怒りに顔を真っ赤にしてからセレニティに顔を近づけて問い詰めている。

取り巻き令嬢達にネルバー公爵家との繋がりがないことをバレないようにするためだとも知らずに首を傾げていた。



「わたくし、スティーブン様やハーモニー様にはよくしていただいてますから」


「……っ、なんでそれを前に言わないのよ!」


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― 新着の感想 ―
[一言] 普通にスティーブンルートなのかな
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