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「……アッパルプイ、君の言うとおりだ」
彼女の両肩をつかむ。
「オレは勇者なんかじゃない。でも、かみさまでもない。両方の、なりそこないだ」
自虐ではなく、本心から、言う。
「だけど、だからこそ、本当の勇者の手に、この世界を返さなくちゃいけない」
「本当の……勇者?」
「ああ。これから、たくさんの勇者たちが現れる。君を幸せにするために」
口に出して初めて実感できた。
「これ」だ。
もしかしたら、オレがこの世界に来た意味さえ、ここにあったのかもしれない。
このゲームを買ってくれたプレイヤーは、バッドエンドになるために戦うんじゃない。
アッパルプイと一緒に世界を救うために戦うんだ。
アッパルプイを幸せにするために戦うんだ。
「そのために、オレはオレのいるべき場所に帰る。彼らの愛が、正しく報われるような世界にするために」
「そう……か。正直、おぬしの言っておることは、半分も理解できん。じゃが……短い間ではあったが、楽しかった……これは本当にそう思っておるよ」
「ありがとう」




