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「はぁ?」
コリジョンとは、当たり判定のこと。
そしてそれが消えれば、攻撃が通じなくなるので、事実上の無敵となる。
もちろん、そんなバランスブレイカーが仕様通りなわけはない。
そう、オレは「意図的に」バグを引き起こす。
これは、「ネギゴッド」へ変身する裏ワザだ。
主人公固有スキルの「祈り」を使用する際、プレイヤーはアイテムを選んで捧げる必要がある。そのアイテムに応じてランダムで効果が発動するのだが、ネギカリバーだけは固定効果が発生する。
その戦闘の間、ネギの神、ネギゴッドへの変身することができるのだ。
高い攻撃力を持つ、強力なキャラクターで、ゲームバランスを崩してしまうようなヤツなのだが、ある種の救済策として用意した要素でもある。
本来は使用回数をカウントして0回でクリアするとゲーム内トロフィーが手に入る仕様だったのだが……プロデューサーから「意味が分からない」と却下を食らって、没になったのだ。
哀れ、ネギゴッドは削除されてしまった。
だが、その変身技を消し忘れていたために、「存在しないキャラに変身する」というバグを発生させていたのである。
存在しないキャラには当たり判定が無い。
つまり、コリジョンが消えて無敵になるというわけだ。
もちろんバグだ! マスターには入っていない!
とにかく、その「祈り」が発動し、体が光に包まれる。見た目は全く変わっていないが、既に無敵になった! はず!
違ったら死ぬが、だからこそ、バグっていることを信じるしかない。
更に、主人公の初期スキルにもある「かばう」を使用すれば、アッパルプイを守ることが出来る!
「行くぜ! バグドラゴン!」
オレはネギカリバーを手に走り出した――