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今回、投稿が遅れてしまいました。本当にすみません、以後気をつけるようにします
数の力は本当に大きかった。
演台、マイク、全校生徒分の椅子などを十分でちゃんと片付け終えたときは皆で賞賛しあった。
「お疲れさま、花夢。さっきの発表も凄い良かった」
始業式の発表についても労いの言葉をかける。
「ありがとうございます。ですが、片付けについては少しよろしくないですね」
ばつが悪そうに苦笑する。
どういうことだろうか、ちゃんと十分で終わらせたはずだが。
首をかしげるとタイミングを見計らうようにチャイムが鳴った。
「もう少し早く終わらせなければいけませんでした。今のチャイムで始業なんですから」
それを聞いてはっとした。
そりゃそうだ。それを考えて二分前くらいには中断するべきだった。
片付けに夢中で全然考えが及ばなかった。
「仕方ないよ、急いで行こっか」
遙花に促され、皆で教室に急ぐ。
「遅かったな、片付けグループ」
教室に戻ると、担任がやっぱり気だるそうに迎えた。
今気付いたのだが結心も俺達と同じクラスだったようだ。
「遅くなってすみませんでした。次からは時間を確認しながら行動しようと思います」
俺や遙花達の分も結心が代表して謝る。
それに付随するように俺と遙花も頭を下げる。
「まぁ放課後にする分の片付けも終わらせたようだし、以後気を付けろよ」
どうやら許してくれるようだった。
今までのイメージで言わせてもらうと、怒るのも面倒臭かったからのような気がする。
先に始めていたのか、課題はいくらか提出されていた。
遅れてきた俺達もそれに合わせて課題を提出する。
たしかこの後は転校生紹介だったか、転校生を待たせないように先にやっていたのかもしれない。
「それじゃあ次は転校生紹介だ。入れ」
担任の言葉で教室の戸が開く。
入ってきた生徒を見て俺は驚きのあまり目を見開いた。
空色に染められた長く伸びる髪をポニーテールにまとめた少女を俺は知っている。
夢に出てきた少女がそこには居た。
「自己紹介、どうぞ」
担任が自己紹介をするように振る。
少女の目つきは夢で見たものとは違って、まわりに対する敵意のような物まで見え隠れしていた。
あの夢との差異のせいかどこか違和感を覚える。
「青空梨花。宜しく」