2
2
登校路、所々で草木が青々しく伸び始め、春の訪れを感じさせる。咲いている花だってあった。学校では桜も咲いていることだろう。
こういう時期は少年少女が恋に学業に運動にと忙しなく振り回されながら成長していく。
青く伸びる草花のように爽やかなことから人はそれを青春と呼ぶのかも知れない。
そんなことを考えている俺だって青春真っ只中であるわけなのだが。
「そういえばお前、一年生の頃彼氏とかいた?」
青春について考えているとふと気になり、ちょっとした好奇心で聞いてみた。
天真爛漫な遥花のことだ。きっと付き合う彼氏はさぞ退屈しないことだろう。高一からの関係があるなら応援したい。
「いや全然。同クラスの男子馬鹿すぎて話にならなかったかな。私はバカ騒ぎが好きってわけじゃないんだよ?」
まぁ、確かにバカ騒ぎは昔からあまり好きじゃなかったな。
そういうのからは距離を置いて度が過ぎないようにうまく楽しんでいた。
「バカ騒ぎは嫌いって言っても、お前馬鹿だけどな」
「あ!和弥いま私のことバカって言ったな!」
事実である。
赤点を取ったことはないようだが、逆に六十点以上取ったこともないらしい。
微妙なラインである。まぁ俺より頭は悪い。
「悔しかったら俺より点を取れ」
ドヤ顔で言い放つ。
俺もトップ級に成績がいいわけではないのだが、だからこそせめて俺くらいには成績を上げてほしいものだ。
「むぅ……そういえば、クラス替えどうなるかな?」
少し悔しそうにしていたがすぐに切り替えて話を切り出す。
クラス替え、進級に合わせて行われるイベントで、最も生徒たちの期待値が大きいものだ。
遥花と俺も例外ではない。
「どうだろうなぁ、一緒になれると面白そうだけど」
面白そうというより絶対面白い。
そんな確信があった。今までだって遥花といた時間はいつも楽しかったから。
「そうだね!一緒になれるといいなぁ」
遥花が明るく無邪気に笑う。自然と自分も笑顔になってしまうから不思議だ。
楽しい時間は決まって早く過ぎる。そのあとも話していると気づけば校門前だった。
「あ!クラス表張り出されてる!」
遥花が走ってクラス表に向かう。
後を追うように俺もクラス表へと歩みを進める。
するとクラス表を確認するよりも先に遥花が飛び跳ねるのが見えた。
「あいつ、喜びすぎだろ」
笑みを浮かべながらそう言う俺も、充分嬉しさに浸っていた。