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プロローグ

お久しぶりの方、初めましての方、本日よりよろしくお願いします

 彼は門に背を向け、空を見上げた。雲一つなく晴れ渡り、世界のどこまでも繋がっている。

「じゃあ、元気でな」

 彼の背後にいた男が、手をひらひらさせながら言った。

 彼は振り返らずに一度頷くと、言葉もなく歩き出した。

 男が溜め息を吐いた。

「相変わらず、愛想のない奴だな。餞別代りに情報を一つ」

 彼は足を止めて背中で先を促した。

「お前が捜してる奴は、あれ以来祓いをしていないらしい」

 彼の肩がぴくりと動いた。男は口角を少し上げる。

「東大陸のどこかにいるという噂だが、それ以上は知らん」

 彼はゆっくりと振り返り、初めて男と対峙した。

「兄貴も元気で」

 彼は一言だけ告げると、再び男に背を向けて歩き出した。

「レイ、困ったことがあったら連絡して来いよー」


  ☆ ☆ ☆


 カメラのシャッター音が響き、フラッシュの雨が降り注ぐ。優雅に椅子に座った彼は全てを受け止めて口を開いた。

「本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。事前にお知らせしていた通り、私は今年の3月いっぱいで芸能界を引退させていただきます。今まで応援してくださったファンの皆様、支えてくださった関係者やマスコミの皆様には本当に感謝しております。ありがとうございました」

 彼は立ち上がり、深々と頭を下げた。ざわめきがうねりとなって広がる。

 彼は顔を上げると蕩けるような笑顔を浮かべて数秒静止した。シャッター音がうるさいほどに響く。

 笑顔を収めた彼は、躊躇することなく方向転換し出口に向かった。

「ユートさん、今後のご予定は!?」

「引退の理由は何ですか!?」

 慌てて何人もが早口に質問するが、彼はそのまま出て行ってしまった。



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