ダイヤモンド1周、代表4チーム紹介
『山形県代表4チームのダイヤモンド1周です』
プラカードを持った係員の先導で、山形県代表旗を手にしている荒瀬を先頭に代表4チームの主将が再び行進を始める。これから羽前球場のダイヤモンドを左回りに1周する。
『5日間、44試合に及ぶ熱戦は無事閉幕しました。今ダイヤモンドを1周しています4チームが全国大会に出場します。まずは酒田ブルティモアズ。エースで4番で主将の荒瀬投手の投打にわたる活躍とそれを支える強力打線と堅固な守備で勝ち上がって来ました。今日の代表決定戦こそ序盤は乱調でしたが中盤以降に修正、バックの強力打線と堅固な守備による援護もあって4年振り11回目の代表の座を掴みました』
『次にN`Cars。サンドロッドベースボール連盟への登録1年目での初出場で4勝を挙げて見事全国大会初出場の座を掴みました。総得失点差は7点と4チームの中では最も少ないですが1チームの大会通算本塁打数は4本と、今年の山形県大会では出場チーム中トップの成績を収めています。県大会で見せた接戦強さ、勝負強さ、全試合逆転勝ちという粘り強さを、持ち前の強力打線と共に発揮出来るか、その活躍に注目です』
『次に山形スタイリーズ。1番から9番までどこからでも長打力、得点力が期待出来る強力打線を引っ提げて、前回全国大会に出場した3年前に続き今回も打ち勝ちました。大会通算24得点は酒田ブルティモアズ、N`Carsと並ぶ最多トップタイ記録で、1チームの大会通算本塁打数3本はN`Carsに続く2位。県勢の最高成績タイ記録でもある全国大会ベスト4に並ぶか、或いはそれを超えるか、3年振り19回目の全国大会に挑みます』
『そして米沢ローリングス。エースで主将の情野投手の投打にわたる活躍で置賜勢としても25年振り2回目の全国大会の座を掴みました。4試合で大会通算21得点、本塁打に至っては0と打力では他の3チームに比べると若干見劣りするような印象がありますが、それを上回るかのように情野投手の3試合連続完封勝利を含む25イニング連続無失点、通算失点も僅か1点と、その投手力が光るチームです。県大会で見せた投球が全国大会でも通用するか、25年前に叶わなかった初勝利を今度こそ齎すか、その期待が懸かっています』
実況の代表4チーム紹介が終わって少しした後、ダイヤモンド1周を終えた4チームの主将たちは、それぞれ先程預かって貰っていた表彰状を受け取って、グラウンドを後にする。講壇は速やかに撤去されて、試合後に一旦整備されたグラウンドはもう1度均し直される。それらが全て終わった後、役員、係員、整備員は全員グラウンドを後にした。全員がグラウンドを後にしてから、スコアボードの表示と、カクテル光線を放ち続けていた照明灯が、全て消灯する。
休養日を挟んでの5日間、賑やかだった羽前球場に、静けさが戻った。




