神に祈って…速いテンポで…
『8回表の満塁のピンチを凌いだN`Cars。片山投手は8回表の投球で初戦の中山越ナローズ戦に続き今大会2度目の相手先発全員奪三振を達成しました。その時は今日と同じ140km/h台のストレート中心のピッチングで、毎回奪三振も同時に達成して合計13個三振を奪っています』
『中山越ナローズはエースで4番でキャプテンの山刀伐という好投手がいましたが、その山刀伐投手からもタイムリーヒットを打って、三振も奪っているんですよねえ…』
『こちら延長8回の裏のマウンドには鶴岡クレーンズのエース・平吹投手。ご覧のようにマウンド前で祈る仕草を見せてから登板して、投球練習に入るというルーティンもいつも通りこなします』
―もう見慣れた光景だけどな。アイツはいつもああやって神に祈ってからマウンドに行くんだ。
『バックでそれぞれボールを回すショートの羽黒、センターの藤島が先程のチャンスの打席で打てなかった、ものに出来なかったという悔しさは、勿論他のメンバーも味わっていることでしょう』
『ええ。平吹投手もそれを見ていたので悔しい気持ちもあるでしょう…』
「表は良ぐ守った。裏の攻撃だ。ここが攻め時だ。下位からだがチャンス作っで1点取って来い。良いな!?」
「はい!」
「良し…、サヨナラにすっぞ!!」
「おー!!」
『後攻が有利とされる延長戦。その後攻を取ったN`Cars、8回裏は8番の下位打線から』
『8回の裏、N`Carsの攻撃は―8番 レフト 桜場』
「プレイ!」
『今日2三振と当たっていない桜場から。当たれば長打はありますがしかしそれも今日の平吹の前には沈黙しています』
『コンパクトに持ち変えてスイングしたりと彼なりに工夫はしているんですがねぇ…』
バァン!
「ストライーク!」
『ストレートから入って来ました』
『初回から変わらないですねこのボール…、ってもう2球目のモーションですよ』
ドン!
「ストライクツー!」
『これもストレートで来ました。しかしこの回の平吹の投球テンポ速いですね』
『そうですね。前までの7イニングとは違うテンポで…、ってもう3球目ですよ』
バシィ!
「ストライクスリー! バッターアウト!」
『空振り三振! いつもより速いテンポで今日10個目の三振をストレートで奪いました!』
『全部真っ直ぐの空振り三振でしたね…ただ桜場選手も3打席とも積極的に振って行っての空振り三振なのでね…』
『9番 サード 都筑』
『さあ先程ライト前へ同点のタイムリーヒットを打った都筑。通算でも11打数6安打と当たっています』
『9番にこれがいますからね…況して今日当たっているので尚更怖いですよ』
ドン!
「ストライーク!」
『全然物怖じしてませんね』
『寧ろ威圧してますね…アップテンポで尚これですか…』
ドォン!
「ストライクツー!」
『桜場に続き都筑も2球続けてストレートを空振り。速いテンポで追い込みました』
『もう3球目のモーションですね…捕ってプレートを外した後すぐに踏んで投げてますよ』
バシィ!
「ストライクスリー! バッターアウト!」
『空振り三振!』
「えぇ…」
「俊和に続いて健もか…」
『この回6球全てストレートで初回以来の2者連続三振を奪いました! これで三振11個目』
『ちょっと呆気に取られてますねN`Carsベンチ…、ただそれよりも平吹投手のほうが…、投げ急いでいるわけでは無いんでしょうが…、もしそうだとしたらこれはキャッチャー間を取る必要がありますね』
『心配だ、と?』
『この回テンポ速いですからね…投げ急いでも良くありませんからね…焦ると相手に付け込まれますから…』
『1番 センター 萩原』
「瞬、形は何でもええ! 出えや!」
―瞬と涼は出れば足がある。それで掻き回してサヨナラも有りやな。
「ストレートをあんなアップテンポで続けたら狙い球やなーコイツは」
「浩介もか…まあでもオレはさっき瞬にああ言うたけどそれが瞬わかっとるかやな…」
カキ―ン!
『捉えた当たり―! ただ…、』
バシッ。
「キャーッチ!」
『しかしレフト櫛引の正面! ダイレクトで掴んで3アウト!』
「ああっ」
「伸び過ぎたか…」
―三振2つの後同一テンポ同一球種で来て尚捉えた…。そう言えば萩原は今のも含めて2打席連続で良裕のストレートを良い当たりにしていた…。それでいてどちらもアウトになっているのは…、何でだろ?
「兼人チェンジだよ」
「あ、うん」
―同じ1番で結果は違うけど良いバッターだと思うんだよなあ…萩原は。
「まあまあ今のはしゃあない。皆守るで!」
「おー!!」
『3アウトチェンジ。平吹投手が連続三振で11個目の三振を奪った後1番の萩原をレフトライナーに打ち取って三者凡退。この回投じた7球全てストレートで、いつも以上に速い投球テンポで抑えました!』




