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The Baseball Novel  作者: N'Cars


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53/136

軽快な守備

「さあこっがら2巡目入るけんど、焦っては駄目だぞ。まだ3回、1対0。平吹さ確かに殆ど抑えられでるけんど、だがらこそ落ち着いで、チャンスを待ってものにしましょう」

「はい!」

「じゃあまずは確り落ち着いて…、同点にすっぞ!!」

「おー!!」


―投球パターンにしてやられたなさっきの回は…。でも今は守備だ。1対0のロースコアじゃ1つのミスで試合が動く。今は確り守ることに集中しよう。

『1対0、3回裏1点を追うN`Carsの攻撃もこの回で2巡目に入ります』

『3回の裏、N`Carsの攻撃は―8番 レフト 桜場。レフト 桜場』

『今大会10打数2安打の桜場。三振も多いですがその2安打は何れも2塁打という、低い打率ですが長打力はあるというバッターです』

「プレイ!」

『所謂当たれば飛ぶタイプのバッターですね。しかし三振が多いということは振り回し癖があるということでしょうから…、打つ気満々過ぎて反ってストライクの要らない配球になるかもしれません』


バシィ!


「ストライーク!」

『やはり振って来ましたね』

『ですねぇ…』

「でも俊和バット短う持っとる」

「元々長う持って振り回すヤツやったからな…」


バシィ!


「ストライクツー!」

「けどバット振るタイミングが早過ぎる」

「確かに開次の言う通り持ち方変えてコンパクトに振る意識はあるようやけど肝心の振るタイミングが早過ぎるで。逆方向狙うんやったらもっとギリギリまで引き付けな」

―ストライク要らない配球にしてるけど何かスイング変わったな。

―前の試合までに意識変えたんでしょ。でも振ってるってことは振り回し癖は抜けてないわけだから配球変えなくて良いよ温海。


バシィ!


「ストライクスリー! バッターアウト!」

『空振り三振! 平吹投手も6個目の奪三振!』

―やっぱ振ったね。

―良いスイングだけに勿体無い。

『9番 サード 都筑。サード 都筑』

―下位だけど怖いんだよなコイツ。

―地味だけど数字良いから恐れてるのか温海…。確かにバント多いけど、巧く1番の萩原にアシスト出来てる。彼もまた良いバッターだと思ってるよオレは。恐れ過ぎない恐れ過ぎない。

『9番ですが9打数5安打の都筑。うちバントヒット3本、送りバントも1つとテクニックの巧さが光る選手』

『こういうバッターが9番にいるから上位打線が生きるんでしょうねぇ…彼を抑えないと上位に繋がれますから、彼こそ用心すべきバッターですよ』

―まあでも良裕があんなポジティブなら…、ちょっと強気に行ってみるか。インスラで。

―インスラね。


ボコッ!


―ありゃ!?

『ボテボテのファーストゴロ、上肴掴んで…、自分でベースを踏みます』

「アウト!」

『2アウト。ゴロでのアウトはこの試合両チーム通じて初めてです』

―ボールの回転はスライダーだったけど、結構手元でスライドすんだな。わかってたのに芯外された…。

―良かった強気に行って…。ストライクからボールに喰い込む球だったから、芯に当て辛かった。

『1番 センター 萩原』

『さあN`Carsもここから2巡目。1巡目、平吹投手の立ち上がりはこの萩原からイニングを跨いで4者連続三振というスタートでした』

―ストレート1本に絞る。初回と同じ1点ビハインド、ランナー無しでの打席だ。それでストレートにクルクルだったからここも同じ組み立てで来る。

『そのうち初回は全てストレートでの3球三振でしたので、多分ストレートのイメージは萩原にもあると思いますが』

―ストレートで良い。但し真ん中は駄目。アウトコースにズバッと。

速度(スピード)と球威で威圧すんのね…、わかった。


『ストレートで来たっ!』

―ストレート…、え!?


ガッ!


『あっ…と、これは当てただけ! ショート、キャプテン羽黒の正面! 軽快に捌いて3アウト!』

『正面でしたがダッシュから捕球、スローイングまで無駄無く軽快でしたね』

―ストレートなのに予想以上に伸びた…。ただショートゴロには終わったけど確りついてった上でバットに当てられたってことは速さには目が慣れて来てるってことか…。

『この試合両チーム通じて初めてのゴロアウトが2つも飛びましたが何れも鶴岡クレーンズの内野陣が軽快に捌いて三者凡退で無得点。依然1対0、鶴岡クレーンズが1点をリードしています』


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