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The Baseball Novel  作者: N'Cars


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30/135

草野球カップ3回戦・最上ノーストップズ戦(その14)

「最終回まで来た。リードしてっけど、油断でぎねがら。4点あっても決してセーフティーリードでねぇことを肝さ銘じて行け。良いな!?」

「はい!」

「皆最後まで気を抜かずに…、追加点取るぞ!!」

「おー!!」


―次の回はオレまで廻る。そこでオレも打って、5回に出来なかった釣瓶打ちをかまして見せる。まずはこの回を0に抑えることだ。

『7回の表、N`Carsの攻撃は―8番 レフト 桜場』

『5対1、N`Cars4点リードで迎える7回の表は8番の桜場から』

「プレイ!」

『最上ノーストップズとしてはこれ以上点を与えたくない場面で下位打線ながら当たっている2人との対戦』


ガキィ!


『詰まった当たり…、ん? どこに飛んだ?』

「オレだっ!」

『ピッチャーの頭上か…、まだ瀬見上を見上げている…、』


パシィ。


「キャーッチ! バッターアウト!」

『掴んで1アウト。内野手4人全員もフォローに回る中ピッチャーの瀬見が自ら抑えました』

「また大振りしよったな」

「あ」

「大振りでしかも闇雲なスイング…、さっきのほうがコンパクトにええスイング出来てたで」

「浩介ー、俊和また悪い癖出た?」

「出たー」

―これやから率低い言われんねんで。ぶん回すよりもっとシュアにやらな。

『9番 サード 都筑』

『バントヒットもある都筑を前に…、サードが前か』


バシィ!


「ボール!」

『サードのキャプテン・本城がチャージをかけますが都筑は見送って1ボール』

「利季、バントして来たらオレに捕らせろ! 今度は仕留める!」

「ああ」

「本城そんで良いよそんで!」

―実際、バントヒットあるヤツにバント警戒しないわけねぇもんな。結果やらなかったとしても、警戒するに越したことは無い。

―バント警戒してるんだ向こう…。とわかった時の開次ならストレートぶち込んでやらせに行くけど、瀬見だとどうかな?

『サインを交わした後の2球目…、今度はファーストも前か』


―やっぱ変化球? それも涼の時に投げたスクリュー!!


キィン!


『強れ…、』


パァン!


「あっ!?」

『捕ったか!?』


「キャーッチ! キャーッチ! キャーッチ!」

『捕った―――! ショートの大堀、ファインプレー!』

「ナイスキャッチ!」

「うわあっ」

―球の回転も軌道も、球種は明らかにスクリューだった…。芯で捉えたんだがなあ…。

『三遊間への鋭い当たりだったんですが、河瀬さん』

『いや、凄いですね。打った都筑くんも三遊間に良い当たりを飛ばしたんですが、大堀くんも良くあの速い当たりにダイビングで捕りましたね。お互い良いプレーでした』

『大堀のファインプレーで都筑をショートライナーに打ち取った瀬見、2アウトです』

『1番 センター 萩原』

『今日1打点挙げていますが2打数ノーヒットの萩原。しかし今日は廻って来た打席全てで外野に飛ばしています』

『ここまで通算10打数4安打3打点、出れば足も速い選手ですから最上ノーストップズとしては小宮山くんと並んで出塁させたくないバッターでしょうね』


キィン!


『強烈1塁線…、』


「ファールボール!」

『僅かに右でした。かなりヒヤッとする当たり』

『しかし今のも逆方向でしたね。本当に今日のN`Carsは逆方向に鋭い当たりを打つシーンが多く見られます』

―今のカーブだったな。スクリューあるって健から聞いたって涼が言ってたけど、これは違うな。


『内側に来た!』

―真っ直ぐか!


キィン!


『3塁せ…、』


「ファールボール!」

『これもラインの僅か左。2球左右のライン際へ痛烈な当たりが飛んで2ストライク』

『今のはアウトコースの変化球を見せた後だったので全く別のインコースのストレートを、ということだったんですがそれでも確り捉えて行きましたね』

『2ストライクと追い込んだのは最上ノーストップズのバッテリー。瀬見投手は今の投球で丁度50球目となりました。7回裏の最上ノーストップズの攻撃は7番の若宮から始まりますのでその瀬見にも打順が廻って来ます』


キィン!


『低めの変化球捉えてライトへ!』

―え…!? やばくね!?

―伸びてる!

『大きな当たりだ! 頭を越えるか!? 越えれば長打だ!』


パン!


『捕っ…たか…!? フェンスにぶつかったが…!?』


「キャーッチ! キャーッチ! キャーッチ!」

『捕った―――! ライトの法田、ファインプレー!』

『頭を越える当たりで、背走しながらでしたが…、良くフェンスを怖がらずに行きました、ナイスプレーですね』

―こっええ…、こんなに伸びるなんて…。

―助かった…。ん?

「ナイスキャッチ!」

「ワカ急げ、お前からだべ」

―利季が動じてない…。もう動じないって決めたのか? それとも…、

『今のスクリューボールでしたが、自分からサイン出して投げてるんですよね瀬見くん。その分思い切って腕を振って投げられてましたしボール自体も良く変化していたと思います』

『そうだったんですか』

―自分から態々サイン出して投げたくらいだから絶対に打たれないっていう確信があったのかな…。

「利季、ミツ、早く」

「あ、えっ、あっ」

―ワカの他にも面倒見ないといけないのがいたのね。

「キャプテンがお呼びだからミツ行くぞ」

『7回の表終了。ヒヤッとする場面がありましたが続けざまのファインプレーもあり3回の表以来の三者凡退でN`Cars無得点。5対1、依然N`Cars4点リードのまま残す攻防は7回の裏のみとなりました』


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