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The Baseball Novel  作者: N'Cars


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29/135

草野球カップ3回戦・最上ノーストップズ戦(その13)

「この回クリーンアップからだから! 打順良いから追い付くぞ!」

「皆で追い付こう。ちょっとずつ繋いで」

「はい!」

「じゃ~…、追い付くぞ!」

「おー!!」


『午後3時半の試合開始から56分が経過、もうすぐで57分というところですが…、実に早い試合時間の経過です。あっという間に残り1イニング半、これから6回の裏です』

『えっ、もうそんななるんですか? 早いですね…』

『しかもその甲斐あってかどうかはわかりませんが…、両投手とも球数が大変少なく来ています。まず瀬見投手が6回まで45球、片山投手も5回まで37球という少なさです』

『つまり1イニング平均で見ると瀬見くんが7.5球、片山くんも7.4球とそこまで変わりはありませんが1人の投手が1イニングあたりで投げる球数の目安が15球ということを考えますと…、2人ともその半分程度ですからかなり抑えてますね』

『実に早いテンポ且つ省エネ投球が目立つ試合は6回の裏、4点を追う最上ノーストップズの攻撃です』


『6回の裏、最上ノーストップズの攻撃は― 3番 キャッチャー 満沢』

「プレイ!」

『この回はクリーンアップから。しかしクリーンアップが3人とも今日ヒット無し』


ガキィ!


『初球のストレートに差し込まれたか、打球はライトへ!』

「変化球待ちだったね」

「振り遅れてる」

「永田ぁ!」

『風に戻される、今度は定位置から右中間のほ…、』


バスッ!


『あーっと、落としている!! バッターランナー2塁へ!!』

「廻れ廻れー!」

「栄次に返して!」

『ライトフライ捕れず、ノーアウト2塁。N`Carsは初回以来の3つ目のエラー』

「そうそうこんな感じで! 4点あるから形は何であれ繋いで行くぞ!」

『4番 センター 東法田』

「皆このランナーは放っとき! バッターを確実にアウトにするで!」

『先頭バッターが出た最上ノーストップズ。4点ビハインドですからとにかくどんどんランナーを貯めて繋いで行きたいところ』


ガキィ!


「涼!」

『打ち上げて…、これはショートの守備範囲。セカンドベース近くのフライ』


バシッ。


「キャーッチ!」

『掴んで1アウト。打球がベースに近いところでしたのでランナーは動けず』

―またスライダー打たされたか…。

「切り替えよう! 志茂、堀、繋いで行くぞ!」

『5番 セカンド 志茂』

『1アウト2塁で5番の志茂。今日は2打席ともサードへの打球でノーヒット』

『ランナーを貯めて繋いで行きたいところですが…、どんなに最悪でも2アウト3塁の形にはしたいですね』


パァン!


「ストライーク!」

―やべ、振らされた…。そう言えば東もインコースのスライダーに詰まらされたんだっけ…。わかってたのに振っちゃうなんて…。

―前2打席は頭っからストレートやったからな…。多分ストレートの残像は頭にある。振ったってことはストレート狙いやったな。で、そこに今スライダーを見せたから…、

―今度はスライダーの残像があると。それを根元ね…。わかった。

『この志茂に対してはインコース攻めを徹底していますN`Carsバッテリー。ここも続けます』


ガッ!


『打たせて行ったがバットの根元! 打球は3塁前への弱い当たり!』

「オレが行く!」

「待て健! まだ触れるな!」

『打球が止まりかけているが…、切れるか!? 都筑と関川と片山は見ているが…』

―あれ!?

―えっ!?

―あっ!?

「フェア!」

『切れない! ラインの上で止まりました! 記録は3塁前への内野安打、志茂の幸運な内野安打で1アウト1・3塁とチャンスを広げました最上ノーストップズ!』

『インコースのストレートでしたが詰まった当たりが幸いしましたね』

「…やっぱオレ行ったほうが良かった?」

「いや、オレが見誤っただけや。それよりセカンド経由のゲッツーな」

「言うてもヒット1本あるで? …、あっ、尚更か」

―打たせればええもんな。

―そやで。

「内野、セカンド経由のゲッツー行くで!」

「おー!」

「ん」

「いつでも来い!」

『6番 ショート 大堀』

『ランナーを2人置いてヒット1本の大堀。この大堀と、次の若宮にそれぞれヒットが1本ずつあります最上ノーストップズ』

『4点差ありますがチャンスで当たっているバッターですから、ここは確りものにしたいですね』

『最上ノーストップズは初回以来のランナーを3塁に置いた場面というチャンスです。尚更活かしたいところ』


バシィ!


「ボール!」

―思ってた通り…、ここは打たせに来るわ。

―バット寝かせへんかったのと、6回4点差やもんな…。そら打たせるか。

『6回4点差ということで打つしかない場面でしょうが…、それでも3塁ランナーは還したいところ。一方N`Carsの内野は二遊間が深め、2塁経由のゲッツーシフトをとります』


ギィン!


『その深く守っていたショートの正面! 6-4、』


「アウト!」


パン!


『3、とダブルプレー! 真っ直ぐの後の低めのカーブを捉えましたが深く守っていたシフトの中に収まってしまいました!』

「ナイスゲッツー!」

―敷いたシフトのとこに打たせるのも巧いもんなーアイツ。一昨日の永田の時も、そうやってリードしとる場面あったもんな。

『3アウトチェンジ。最上ノーストップズ、1アウト1・3塁のチャンスでしたがこの試合2度目となる4回以来のダブルプレーに打ち取られここも無得点。6回まで終了、依然5対1とN`Carsが4点差でリードしています』


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