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The Baseball Novel  作者: N'Cars


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131/136

交渉

 徳山監督が交渉を開始してから10分から15分が経過した。


―まだ難航しているのかな…。

―いきなり決めたことだから、そりゃご迷惑だよな…。


 少しずつ気まずい雰囲気が漂い始めた時、




「えっ、本当ですか!? ありがとうございます! …はい、わかりました、ではその時間帯だけ、よろしくお願いします」


グラウンドが決まったのだろうか。徳山監督が電話越しの相手にこう言った。


 徳山監督は電話を切ると、

「片山と関川、ちょっと」

と、2人を手招きで呼んだ。




―2人を呼んだ…? ということは道案内か? 大阪入ってからホテル着くまでの時みたいに…。


と思って、3人の様子を見る永田。と、




「えっ…、ここ…、ですか…!?」

「これ…、大丈夫なんか…?」




 徳山監督が2人に手書きのメモを見せながら話しているが、メモを見せられている2人の表情が渋い。グラウンドは決まったらしいが、何か問題がありそうな雰囲気が漂ってくる…。




 暫くして、3人が来た。


「昼食摂った後、午後3時から4時の間の1時間だけ、グラウンドが1箇所使えます。区役所がら使用許可くださったがら、これはもう大丈夫」

「但な…、そのグラウンドがいつものやり方からある程度工夫せなアカンとこやねん。皆には実際に見て貰わなわからへんと思うけど」

()()()()()で練習できるだけマシや思うけど…、いつものグラウンドの大きさに慣れとる人が初見で行ったらギョッとするで」




 片山はそう言うと、ベンチの自分のグローブが置いてある席に戻った。




 徳山監督、関川、片山が続けて発言した内容から、やはりグラウンドに問題がある様だ。どうやら大きさらしいが、変則グラウンドか…? スペース確保の関係で本来あるべき部分が確保できず、一見すると特殊な形や格好をしているグラウンドのことだが…。とは言え市は違うが地元の地理に詳しい2人の表情が渋っていたので相当なのか…?






 各々で昼食を摂った後、グラウンドで練習する準備をしてから、再びホテルのロビーに集合した。


「あれさ乗るぞ」

 徳山監督がフロントで一時外出の手続きを済ませた後、既にロビー前の出入口に横付けされてあるマイクロバスに、N`Carsのメンバーは一斉に向かった。




「お願いします」

「お願いします」


 既に開いてあるドア前で迎えてくださっている運転手さんに1人ずつ挨拶をしてから、順次乗り込む。


 徳山監督、マネージャーの井手も含めて全員乗ったのを見て、永田は再度立ち上がって後方を見て全員乗ったか確認する。


「…17、20。監督、全員います」

「では、よろしくお願いします」

「わかりました。安全運転で参ります」


 マイクロバス左側中央のドアが自動で閉まってから、シフトレバーをニュートラルから1足に入れて半クラッチでゆっくりと発進した。






 暫くマイクロバスに乗っていると、区役所職員と見られる人が1人、グラウンドの出入り口と思しき箇所にあったバリケードを外して立っている。ここだろうか。


 道路を左に曲がって、グラウンドに続くと見られるスロープを登っていく。どうやらここらしい。


 しかし曲がる時に校門の門柱と思しき2本の柱の間を通過した。そこにバリケードだから…、ここは廃校なのか?




 スロープを登り切って、マイクロバスは停車。全員各自、荷物と道具を持って運転手さんに挨拶をしつつマイクロバスから降りる。






 そして全員降り立って…、






「…、えぇえ~~~~~~~~~!?」


 グラウンドの事情を知っている片山と関川以外の16人の選手は驚愕した。一体どういうグラウンドなのか。


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