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The Baseball Novel  作者: N'Cars


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120/136

ニュース番組





 夕食を済ませたN`Carsは、自分たちの部屋で(くつろ)ぐなりお風呂に入るなり、思い思いの方法で自由時間を過ごしていた。




永田もお風呂を済ませて、廊下を歩いていると、黒谷と擦れ違った。


 これからお風呂へ行くのか行った後なのか…、右手にはタオルが、左手には缶のスポーツドリンクを持っていた。



―自販機あったっけ…?



 永田は部屋に戻らずに、廊下の端、このフロアのロビーに歩いて来た。廊下側から見て、左奥にN`Carsもチェックイン直後に利用したエレベーターが2基並んでいて、その向かいには宿泊部屋とは別にやや広い寛ぎスペースがある。


 ロビーに踏み入れてすぐ左を見ると…、自販機があった。



 街中で良く見る自販機よりも、すらっと細い。そしてその細い自販機なので、ラインナップは決して多くは無い。だがこれで全て100円均一とは、何て財布に優しく良心的なんだ…、そう思いつつ自販機をちょっとだけ眺めた。黒谷が手にしていた缶のスポーツドリンクも、この自販機で買った物だ。



―けど財布部屋の金庫の中に置いて来たんだよな…。



ということで今日は買わなかったが、あの良心的なお値段には少し感心した。と、寛ぎスペースのソファーに誰かが座っているのを見つけた。テレビが点いている。良く確かめると、夜のニュース番組を見ていた。




「監督」

「おう、永田が」

「横失礼します」

「ああ」


 寛ぎスペースにいたのは徳山監督だった。永田はそう言うと、徳山監督の右側、つまりソファーの右側の空いている部分に座った。



「何か自販機で買ったのが?」

「いや…、財布部屋に置いて来たから…」

「そっか…」

「部屋の見回りとか良いんですか?」

「いや…、おめだづ成人だべ?」


 うっ。そう言われるとそうだ。修学旅行とか部活の合宿や大会とかで宿に泊まりに来ている学生とかじゃないもんな…。


 少し間を置いてから、永田は話し始めた。



「で…、何でここでテレビ見てんすか?」

「こっちのほうが見易いがな、って思ったの。雰囲気的に」

―部屋にもあるんだからそっちで見れば良いのに…。もしかしてこっちのほうが衆目に着き易い分チームの士気も上がって効果抜群だからとか?



 永田の推測は当たっているかもしれないがそれは置いといて、ニュース番組はお天気コーナーの全国の週間予報をお伝えしていた。




『…以上、お天気コーナーでした。続いてスポーツです』

 絶対これだべ…。徳山監督と永田、ニュース番組を見ているのはこれが目的ではと言わんばかりにお互いに一瞬目線を遣った後、すぐに目線をテレビに戻した。




『まずは全国草野球選手権大会です。今日は北海道で代表決定戦4試合が行われ、北海道代表の4チームが全国大会出場を決めました。まずはその様子をVTRでご覧ください』




 北海道の代表決定戦を続けてVTRで放送した後、全国大会出場チームの紹介に入った。

『尚、今日の試合で全国大会に出場する188チームが全て出揃いました。続いてその出場188チームをVTRでご覧ください』


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